第九章 続き

修行風景です
それ以上の何者でもありません

           第九章/1を選ぶ

「やはり高崎姉妹はまだまだ未熟だからな、あいつらだけで訓練など危なっかしくてしょうがない、俺はいつもどおり、高崎姉妹と訓練にするよ」
「ふむ…ならばそのように」
こうして、修行する組はそれぞれ分かれて修行を開始した
「こうして、相変わらずのこの川まで来たわけだが…」
彰が普段修行に使っている川まで来た、川といってはいるが、実際のところ山の中に流れている川なので、山というほうが正しいのだが…
「俺は魚でも調達しておく、お前らはテント張っておけ」
そう言うと、釣竿を取り出し、川に向かう彰
「しっ!」
何度となく繰り返した動作、彰の趣味の一つが釣りである、こうして糸を垂らしている間が考え事をするのに一番向いている時間だと思ってもいる
「…ふっ」
竿を上げる
「…岩魚か…去年はヤマメの方が多かったが…さて」
その後の釣果は、岩魚が三尾、ヤマメが二尾だった
「…後一匹ぐらい欲しいな…」
それから数十分、結果、岩魚がもう一尾釣れたので、切り上げる
「明日から本格的に動くぞ」
「…うん、解った」
下ごしらえは郁美が行い、その間に彰は火を起こす(薪は当然美咲が拾ってきた)
「塩よこせ」
腸を取り除いた魚に彰が適当に塩を振る
「俺が岩魚だけで、お前らは両方でいいよな?」
焼きながらそんなことを言う彰
「うん、大丈夫だけど」
「それでいいよ」
そうして、食事を済ませると、彰以外は速攻で睡眠に入るが、彰はそれからしばらく体を動かしてから寝るのだった
翌朝、彰は右手に狼牙、左手に符を持って高崎姉妹と対峙していた
「それじゃあ…始めるぞ!」
先に仕掛けるのは郁美、だが、ソレは狼牙で容易くいなされる
「はぁっ!」
美咲が符を放つが、そのことごとくを切り裂き、逆に符術で雷を落とす
「幻盾招来!急急如律令!」
ソレを盾の術で防ぐ美咲、だが、さらに彰は斬撃用の符を美咲に向けて飛ばすと同時に、郁美に向かい突進する
「はぁっ!」
上段からの斬撃に、郁美は体を回転しながら横に移動することでかわし、その回転の速度を利用して薙刀「大蛇」を全力で振るう
「しっ!」
「ふっ!」
ソレを跳躍して交わす彰に、符を払い落とすのに使った斬撃用の符を飛ばす美咲
「せっ!」
その攻撃は予測の範囲内だった彰は、その符を式炎を持って焼き払う
「しっ!」
着地と同時に、美咲に向かって飛ぶ彰
「させない!」
その攻撃を大蛇で受け流す郁美、だが
「ぜええああああああっ!」
そのまま力押しで大蛇を郁美の手から落とすと、回し蹴りで腹を狙う彰
だが、その蹴りは美咲の符による盾に阻まれる
「…コレぐらいの連携が他の連中ともできれば最高なんだけどねえ…」
攻撃姿勢を解く彰
「朝の訓練はここまでだ、次は昼食後二時間経過してからだ」
「解りました…」
「うん…」
まだ余裕を残している彰に対し、息も絶え絶えな高崎姉妹であった
そうして…
彰と高崎姉妹で打ち合い
彰が郁美に薙刀の振るい方を指導する
彰が美咲に符術を持っての連携について教える
彰が神速の訓練をしている間、二人だけで連携のパターンを考える
打ち合いでソレを互いに実践する…
ソレを繰り返し、訓練は終了した…





           第九章/2を選ぶ

「いい加減、高崎姉妹も俺がいなくても修行が出来る時期に来ただろう…俺はカインたちと連携強化や神速強化に励むよ」
今のところ、連携で難があるのはここだけである、カインとリースは長年共に戦ってきた経緯から、連携能力は高いといえるが、グレンはこのメンバーで共に戦うのは始めても同然であり、今まで連携が誰とも考えられていなかったからだ
「俺とグレンは幸運にも炎使い、それで訓練すればある程度はグレンのサポートもできるようになるだろうしな」
「そうですね…苦労をおかけしてしまいますが…」
申し訳なさそうに頭をかくグレンに
「気にするほどのことじゃない、それに、この前の連携不足は痛いほど身にしみたからな…」
「俺も連携の重要性は解ったからな…このメンバー中攻撃力トップ2との連携ならば、重要視してしかるべきだ」
彰とカインが言うのだった…こうして、各々、訓練する場に向かうのだった
「ふぅ…俺が知る修行場のうちいつも使うのは高崎姉妹に譲っちまったからな…」
彼らが今いるのは日本国内でも数少ない平原の残る台地で、彰の知り合いの私有地だった
「ここなら俺やグレンが全力を出しても大丈夫だからな…始めるぞ!」
まずは乱戦形態で打ち合ってみる
彰は効率重視で、相手の攻撃を悉くかわしつつ、相手に少しずつ傷を負わせる戦い方
カインは一撃必殺とばかりに、相手の急所狙い、速度はあるのだが、攻撃に際しむらが出る
グレンは焔珠を使っての攻撃は一日に三度しか行えないため、相手が動きを止めた隙を狙い、ソレを放つ機会をうかがいながら、攻撃は回避に専念
リースは術を放ち相手の動きを止めたところに術を武器に内蔵し、ソレを持って追撃
と、それぞれにまったく趣の違う攻撃スタイルであることが判明
「…連携は組みやすいな、リースが術で動きを止めつつ、俺が小技で牽制、動きが止まったところにカインが全力で攻撃し、グレンの一撃で止めを刺す」
「たしかに、そういう戦法で仕掛ければ、複数対複数でも俺と彰が前衛で敵の動きを止めに回れる」
カインも同意したので、この訓練期間は、彰が召還した妖を相手に、その訓練を続けるのだった…



            第九章/3を選ぶ
「高崎姉妹はいい加減俺から離れて修行してもいいはずだ、その上で、俺たちとは共に戦った期間が最も短いツカサ達と訓練しようと思う、お互いにまだ戦法を完全に把握できていないからな」
「そうだね、こっちだけでやると結局僕たちだけの連携になっちゃうからね」
「ならば、俺たちは俺たちでやるから、彰たちも高崎姉妹も頑張れよ」
カインがそういったことにより、組み分けは決定した
特に修行場所…というところに決まりがなかったため、彰が用意した場所での修行である
「ここら辺なら…まあ、派手にやっても大丈夫だろう」
狼牙を右手に、小太刀を左手に三人と対峙する彰
「それじゃあ、始めるぞ」
「本当にいいのですか?三人を相手に一人というのは…」
「大丈夫だよ、美流…ともかもそんな心配そうな顔しない」
そうして、彰対ツカサ、美流、ともかという組み合わせの乱取りが始まった
「ぜええああああああっ!」
先に動いたのは彰、力任せの斬撃でツカサの刀を払いに行ったが、弾き飛ばす前に美流の攻撃に後ろに跳ばざるを得ず、武器飛ばしは諦めると今度は小技の連続で、相手の体力を削りに行く
「しっ!」
「はぁっ!」
「行きます!」
ともかが符を投げる、ソレは彰の小太刀で切り落とされるが、その隙にツカサが上段から切りつける
「ふっ!」
ソレを狼牙で受け止めると、回し蹴りで追撃を狙う、だが、その動作の途中で無理な体勢で美流からの攻撃をいなし、その後神速で一気に距離をとる
「…連携技術はまちがいなく、俺たちの中では最上位だな、お前らは」
正直に思ったことを口にする彰、前世からの縁があるこの三人はそのせいもあってか、とにかく連携技術が高く、その上個々の技量が総本山にも滅多にいないほどの使い手であるため、強力ではある、だが
「大蛇と同じようにさばかれる事もありうるか…ともか、お前は連続で攻撃とか出来ないのか?あそこでもう一手あれば確実にぶち込めたとは思うが」
「そうですね…攻撃できないわけじゃないんですけど、兄様や美流お姉様に当たってしまいますし」
「僕のことは別に気にしなくても…」
「私もです、大丈夫、ともかちゃんなら出来ますよ」
「ためしだ、俺に対して撃って来い、その代わり…緊急防御用の札使っとく」
彰の周りに薄い膜が張られる、直撃にいたる攻撃のみ一度無効化するというもの
「それじゃあ…来い!」
まず、ともかの術をいなしたことによって数瞬だが動きが鈍る、その隙を逃さず、ツカサが切りつけるが、彰はソレを大蛇と同じように刃取り、美流の攻撃はそのまま弾き飛ばすが
「!」
その彰に電撃が直撃する、四つの動作を同時には行えず、咄嗟に神速に入ってやっと直撃の軌道から逃げれたといったところだった
「…今の間合いは最高だな…よし!コレで行こう!」
それ以降は、とにかく彰は神速を使いながらこの三人の連携攻撃を避け続けるという訓練だった…








           第九章/4を選ぶ

「…俺は一人でやろうと思う、今の俺にとって最大の欠点は神速の負担に体が追いついていないということだからな、ソレさえ何とかすれば、高崎姉妹との連携で何とかたたみかけることは出来る、それに、ほかの連中とだと、神速は中々訓練できそうにないからな…」
「それじゃあ、お前は海鳴か?」
「ソレも選択肢だが、やはりベストは香港だな…金銭的余裕がないから、ある程度強力な連中と訓練し続けようと思う」
「ふむ…まあ、彰がそうしたいというなら強要はしないが、可能な限り他の連中の修行も見てやれよ?」
「そのつもりだよ」
こうして、各々は思い思いの訓練場所へと向かっていった
「さて…そうだな、いい機会だし、蛇麁正の人間と手合わせを申し出てみるのもいいかもしれないな…」
そう思うと、彰は蛇麁正の居場所へと向かった
「ふむ…手合わせとな?」
「ええ、他流試合というのも悪くはない、それぞれに違った戦法が見れますからね」
「言いたいことは解らんでもない、だが」
「いいじゃないですか?俺が相手になりましょう」
「布都か…よかろう、好きにせい」
「不破君だったか…俺は布都至(ふつわたる)よろしく頼む」
「不破彰だ、できれば名で呼んでくれ、至」
「ああ…解った」
蛇麁正の持つ道場で、彰は狼牙を、至は『布都御魂・空蝉』を握り、対峙する
「布都御魂は聞き覚えがあるのだがな、空蝉?」
「まあ、こいつは姉さんが持ってる本物の布都御魂の複製みたいなもんだ…」
「なるほどな…では」
「ああ」
「推して参る!」
先に地を蹴ったのは彰
全力で力押しに上段から切り下ろすが、ソレは至の受けで軌道が逸れ、地面に思いっきり刃が叩き込まれる、その直後、彰は一瞬だけ手を離し、全力で回し蹴りを放つ
「ふっ!」
ソレをかわし、今度は至が走る
「しっ!」
だが、彰も引き抜いた狼牙でソレを切り払う
「おおおおお!」
「ぜええあああああっ!」
それからも数十号打ち合うと、互いに距離をとり
「コレぐらいでいいだろう…」
「そうだな…いい訓練になったよ、礼を言う」
「こちらこそ…肩を並べて戦うときが楽しみだよ」
「…そうだな」
その後、彰は和人や昶とともに訓練を行い、時々他の組の修行場で訓練を行うなどしていた
その中で先の報告書にあった性格に難、の意味が判明したのだが
「…なるほどね、回復専門なのに回復の際に現金要求か、確かに扱いづらいことこの上ないな」
一人ごちる彰であった
あと、和人が昶を見た瞬間思いっきり苦虫を噛み潰したような表情になったのには彰だけが気づいていた

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