はい、TOEO小説です

今回はシリアスにしてみたらクソ長くなりましたので分割して公開します


ではどうぞ


         TOEOショートストーリー(シリアス)

「…町の中にモンスターが!?」
「ああ…確認された、すでに一般市民数名が負傷している」
ここはギルド「七夜月」の宿舎で、先に声を上げたのはそのギルドの頭首である七夜彰、そして、モンスターのことについて連絡したのは同じ宿舎を共有している「Flow Light」のギルドメンバーである、ウィニーグだ
「それで、その後どうなった?」
「しばらく暴れまわった後、食料を奪って逃走、現在は行方知れずだ…ただ、問題が出来た」
苦い表情でそう告げるウィニーグ、この段階であまりろくなことではないと悟る彰
「…何があったんだ?」
「数名、行方不明者が出ている、おそらくは連れて行かれたのだろう…」
「なんだと!?」
「今現在、王国の兵隊が奴の住処を探し回ってるが、それと同時に一部ギルドに王国から協力要請が出たらしい、内にも回ってきたからお前にも教えておこうということになった」
「王国からか…」
それからすぐに、両ギルドのメンバーに緊急招集がかかる
「皆にもすでに情報は伝わっていると思うが、ミンツに進入する魔物が登場した」
「王国軍はこの事態を重く見てるみたいだねえ…」
そう呟くのはおたまん、普段は軽く聞こえる口調も少し暗くなってるように見える
「問題は、その魔物がどれほどの戦闘能力かということだが…西区の損壊状況を見たところ、想像よりはるかに巨大で戦闘能力は高いと思う、王国軍が重く見るのも解る…ここで決を採りたい、我ら『七夜月』と『Flow Light』の両ギルドはこの戦いに参加すべきか否か」
この発言は皆予測できていたのだろう、ざわめくことはなく、静かに状況を受け止めていた
「私は参加してもいいと思う、その場合他のギルドとの連携は必須だけど」
と「七夜月」サブマスターを勤める雨龍
「俺は不参加かな…今は任意の段階だ、危険性が把握できない以上、死者を増やすような真似は避けるべきだ」
これは同じく「七夜月」サブマスターの流
そういった言い合いが続いた結果
「大体半々か…予測できていたことだが」
うなずく彰
「多数決では埒が明かないことは明白だ、よって、この戦闘には自由参加としよう」
そう言うと、もう一言付け加える
「それに、そいつだけとは限らんだろ?」
そして、モンスター捜索兼討伐には
『七夜月』七夜彰 雨龍 ラスティ ライオ
『Flow Light』おたまん ウィニーグ xのあx アオナ ユニスー リボルバー
残りのメンバーはミンツで留守番だ
「…うちの参加率低いな…」
そうぼやく彰、今回不参加は圧倒的に「七夜月」のメンバーが多い、そのくせサブマスター以上が参加している
一度、西区で足を止める
「こいつは…思った以上にひどくやられたな…復興には時間がかかるだろうな…」
西区には武器屋と防具屋があっただけに、冒険者にはきつくなるだろう
「これでよく死者が出なかったものだ…」
そう、人的被害は今のところ負傷者しか確認されていない、連れ去られた人がどうなっているかは不明だが…
「そういえば、連れ去られた連中って言うのは?」
「行商人と学生が三人、計四名がそうらしい」
「…そうか…」
そこに
「皆さんも参加するんですか?」
「ドラ!?それにカストも!」
「今回は見過ごせませんからね…俺たちは戦闘参加組みにまわろうと思ってるんですけど」
「俺たちもだ、ここまでの破壊を許すわけにもいかん、お前らが行くならば、共に行こう」
さらに
「弐式、それに姫!」
町を出た直後、さらに二人と出会う
「皆さんもですか…相手がどれほどの化け物かわかりませんからね…情報が少なすぎる」
「人死にを出さないためにも、頑張ろう!」
近場の森を虱潰しに回ると
「!硬質の物がぶつかる音?」
「え?」
全員が耳を澄ます
ギィン!という音が響く
「こっちだ!」
全員がその音のほうに向かうと
「この音は…ホーリーランス!」
少なくとも、前衛が一人に聖昌霊術師が一人はいるということ
「魔神剣・双牙!」
一度、その敵を宙に上げる
「…無事か!?メーガス、刹那!」
「彰さん!?」
「知り合いか?」
「ああ…ちょっとした縁でな…しかし、何だこいつは…」
立ち上がったその大きさは五メートルはあるだろう…外見としては巨大な爪に巨大な翼、だが、外見上飛べるようには見えないので、おそらくは盾のような役割を担うのだろう
「…お前の相手は俺だ!」
戦士の固有スキルである挑発を起動する彰、敵の注意が彰に向く
「ふっ!」
その動きは鈍重で見切るのは容易いのか、攻撃を軽々とかわす彰、もっとも、これはおたまんが戦闘開始直後にかけたナイトメアのおかげといえる…ナイトメアとは、闇属性の昌霊術で相手に幻覚を見せ、命中率を下げる術だ
それにくわえ、雨龍の流水の舞によって回避能力も上がっている
「うおおおお!紅蓮双破斬!」
彰の武器はファイアレベル8にアタックレベル8をつけた、もはやバスタードソードとは呼べないような武器である
攻撃力だけで言うならば本来まだ装備できないはずのセクエンスのファイアをも凌駕する
その剣から放たれる虎牙破斬を彰は紅蓮双破斬と呼んでいる
「やはりな…その体毛から察するに炎には弱いと予測は出来たが、思った以上の効果だな」
その言葉で自分の持つ武器をファイア装備に持ち直す全員
「うおおお!閃空裂破!」
ウィニーグの一撃で動きが止まったところに
「「「イラプション!」」」
おたまん、アオナ、十六夜弐式の三人の術が直撃する
「一気に止めを刺す!」
全員の最強攻撃を連続で叩き込む
「…どうだ…」
いまだに全身から炎を上げているが、その戦意に衰えは感じられない
「…化け物め」
翼を振り、炎を吹き飛ばす化け物それと同時に衝撃波を放つ
「ぐっ!」
咄嗟に彰が敵を弾き飛ばすが、その衝撃波を自分が受けてしまう
「手強い…攻撃自体は鈍重だし、今の衝撃波にしても炎を払うついでだったから威力は低かった、それに、翼を閉じる動作で来ると予測できるからな…しかし、頑丈だ!」
このまま行けば先にスタミナが切れるのはサイズ差から見ても人間であるギルドメンバーたちだろう
ダメージは圧倒的に敵のほうが多いのだが…
「ならば…鳳凰天駆!」
炎を纏い相手に突進する奥義を放つ彰
それにあわせ、各自が炎を使用する奥義を打ち込み
「緋凰…絶炎衝!」
秘奥義までつなげる彰
「獅子戦吼!」
そこに雨龍が闘気を放ち
「うおおお!閃空翔裂破!」
ウィニーグが宙に上げ吹き飛ばし
「虎牙連斬!」
カストが連続で切り上げ
「「「エクスプロード!」」」
先ほどの三人のイラプションよりも強力な昌霊術が炸裂する
「連携としては上手く入ったが…どうなる?」
しばらく動きが止まっていたが…
「…ふぅ…どうやら終わりのようだな…」
全体が灰となり崩れていく…
「しかし、このような化け物はインフェリアにはいない…セレスティアから来たとも思えぬ…異世界の化け物か…それとも何者かが産み出したか…?」
実際に、彰の言うとおりこの地にはあのような生物は存在していない
「人工的に化け物を産み出す…?」
いささか信じられないという顔のユニスー
「そういえば!連れ去られた人たちは!?」
その周囲を捜索するが、人はおろか、痕跡すら見つからなかった
「…一体何者が…」
「こうなってくると、何者かがあの化け物を産み出し、それを用いて人を連れ去ったという考えも信憑性を帯びてくるな…」
彰の先の考えを肯定するウィニーグ
「…ミンツの学生を利用して量産するということか…?」
ミンツ大学はこのインフェリアにおける最高学府であり、時計塔に勤める学者のほとんどがこの大学から輩出されている
「しかしそうなると…行商人は何故だ?何かしら用途があると見るべきか、それとも偶然その場にい合わせただけか」
それを知る術は今はない
「とにかくだ!奴を倒した、その結果とこの現状は報告すべきだろう!」
今の陰鬱とした空気を払うべく、声を上げるリボルバー
「そうだな…一度町に戻ろう、詳しいことはその後に話し合えばいい」
そして、町に戻り、その旨を王国軍の兵に告げる
「そうか…行方不明者は発見できなかったか…」
「生死問わず発見できないというのは怪しい、おそらくは何者かが利用価値があると見て連れ去ったと見るのが妥当かと」
「解った、この旨は我々が王国に伝えておく、ご苦労だった、両ギルドには後で謝礼を渡すので、責任者は詰所まで来い」
「解りました…」
その後、彰とおたまんは詰所で謝礼を受け取り、ギルド内での会議を開始した
「今回の一件、間違いなくこれで終わりじゃない…この際だ、他のギルド、又は無所属な人たちとの連携を重要視すべきだという見解に達した」
ギルド結成の際より親交のあった「七夜月」と「Flow Light」のようなギルド間交流は珍しいと言っていい、普通は誰かが開催した親睦会の類で始めて顔合わせというほうが多い
「まずは、こいつと話し合って欲しい」
「あんたはさっきの…」
「ギルド『ツァイトメッシュ』のマスターであるメーガスだ…俺たち『七夜月』とは面識もあるがな」
「よろしく…」
「本来ならばシメとかも呼びたいところだったのだがな…奴は奴でギルドの方で集会があるようだ」
行方不明者が発見されていないことと、ミンツ周辺を捜索しても痕跡がないということから、警戒されたしとの報が先ほど通達されたのだ
「…まあ、これ以降このギルドとの連絡法を持つことも必要と判断してな…」
実際、一番早く奴を発見したのは『ツァイトメッシュ』だったわけだが
「あと、あの化け物だが…ミンツ大学で残骸から採取した血液を調べたところ…インフェリアの化け物の血液が数種類混ざったものだということが判明した…つまり、合成獣だ」
「そんな馬鹿な!」
ラスティの驚愕も当然だ、数十年以上前にミンツ大学で種族合成について研究が進められていたことは事実だが、王国が危険視し、全ての研究は停止、資料も大半が焼き払われたのだから…
「だが、事実だ、何者かがいまだに研究を続行し、生徒を利用、研究を完成させようとしている可能性が大きい…次に出てくるのが化け物だとしたら…お前らはその何者かが何を考えてるか解るか?」
「…解らんな」
リボルバーが呟く
他にも、まさかな…や、ありえん…などという呟きが聞いて取れる
「…俺は…王国への反逆ではないかと思う…自らの成果、研究を全て否定されたと感じたのだろう…そういう研究者は時に通常では考えられない思考をするときもある」
「…」
広場を静寂が支配する
「…そうなると…人体実験の危険性も考慮するべきだな…連れ去られた行商人はそのための素材と言う可能性もある…」
「!?」
彰が言った一言は確かに普通の人間では考えないようなこと…いや、考えても口にしたり、ましてや実行になど移しはしないはずだ…だが
「先ほども言ったとおり、その何者か…この場合は研究者というべきか…研究者がその実験の責任者であり、かつ、尋常な思考能力を失っていると仮定すれば…ありえない話ではない…あらゆる可能性は危惧するべきだ」
「もし…すでにそれが実行されていたら?」
「…解らんさ…その技術がどこまで完成されているかだ、先ほどのアレは不完全だったとすれば…完全なものが出来る前に叩き潰す必要がある、もし…完成していたり、間に合わなかった場合は…その行商人はすでに死んでいると見たほうが無難か」
「!」
「彰…そういうことは思っても口に出さないほうがいいと思うよ?」
「級長、あらゆる可能性は危惧すべきだ、俺もありえないと思いたい、だがな、その実験にしても、数百年たってるわけじゃない…大学の黒歴史として表に出されなくなっているが、合成獣の研究は実際に十数年前に行われていたことだ…資料も一部残っている」
その資料を先ほど実際に見てきた彰だからこそいえるのだ…ありえる、と
「口外はあまりしないほうがいいだろうけどな…この際だから言う…残っている資料には…人体合成の記述があった」
「!」
「それがあったからこそ危惧されたのだろうな…その内容については詳しい部分は抹消されていたが、その資料には実際に人体合成の記述と、他の合成獣についての資料もあった…剥製もあったな」
ネズミと犬の合成らしき存在の剥製だった
「…その資料を持ち出すことはできないよね?」
「おそらくな…だが、写生は可能だった…監視はいなかったからね」
「じゃあ、つまり、人体合成は可能だってこと?」
「…そうは言わん、事実、人体についての記述はあったが、核心部分は全て抹消されていた、合成するサンプルとなりえるものの記述のみが残されていただけだからな…」
実際、それと合成する手順についての記述は別々の書物になっていたようで、合成できる可能性について記述があるのみだった
「だが…もし、その技術を記憶しているものがいれば…問題は山積みだ」
「Ifの話はあまりするべきじゃない、違うか?」
「そうだな…ウィニの言うとおりだ、よってこの話についてはここで打ち切ろう、あの資料見ちまうと黒い可能性が大量に沸いてきやがるんだ…アレの製作者は普通の思考の持ち主じゃないな、絶対」
「…それで?これからどうするの?」
雨龍が聞く、全員共通の疑問だろう
「…今は静観だ、どこにいるかもわからんからな、現在王国軍がその実験に携わったものの現在の住居を洗ってる、不明な奴がかなりの確立で黒幕だろう」
「じゃあ、それまでは何もしないの?」
「名簿だけは写しをもらえた、俺のほうでも確かめてみるが、それ以外は通常通りに過ごせ、以上だ…さて、こっからは黒い話はやめようぜ」
最後のところから口調は変わる、この話題はこれ以上する気はないという意思だ
「そうだな…で、どうするんだ?わざわざこんな話を聞かせるためにそこのメーガスとかいう奴をつれてきたわけじゃねえんだろ?」
「まあな…あとは自己紹介でもしてくれ、俺は自室に戻らせてもらう」
そう言うと彰は自分の部屋へと上っていった、小脇に資料を抱えて
「やれやれ…仕事熱心なのはいいけど…彰って思いこむとどこまでも突っ走るからねえ…」
苦笑するしかないメンバーたちであった
「…さて、それじゃあ、自己紹介と行こうか…俺はウィニーグ、彰がFlow Lightと知り合うきっかけになった男だ、皆からはウィニと呼ばれてる、よろしくな!」
そういいながらメーガスの肩をたたくウィニーグ
「それで…彰とはどう言う知り合いなんだ?お前は」
「ええと、ずいぶんと前にチャットでお話したんですよ、それから何度かお会いするうちに仲良くなっていったんです」
「俺と同じか…俺も最初はラシュのチャットが始まりだったんだよなあ…」
そうして、会話は弾んでいったようだが、彰はというと
「まずミンツ内に在住の連中は無いと見ていいな…あの様子だとミンツから離れているはず…しかしすぐに移動できたことを考えると、カーロックスを使用したとしてもレグルスかラシュアン以上離れてるってことは無いはずだな…」
そうなればある程度は絞れる、それにミンツ在住のものにはすでに王国軍の兵士が事情聴取を行っているころだろう
「当たり前だな…となればやはり…この男が最有力候補か…」
その男の名はクラウン・カイル、実験の中心人物であり、研究が打ち切られた後行方不明となっている
「行方不明というのがなんとも胡散臭い…それに中心にいたということはこいつが扇動していたはずだな…」
つまり、かなりの高確率で怪しいということは明白だった
「問題は現住所か…ミンツからそう遠くないはずだから、おそらくは海岸か森にある民家だ…あとはそういった化け物のにおいをたどれば行き着くことも出来るか?」
こういった考え事のときに独り言を言うのは彰の癖だ
「やれやれ…参ったね…そうなると後何日かかるかわかりゃしない」
深く嘆息する、再度やれやれと呟くと
「まあ…どいつがホシかはだいたい目星がついた…後は調べるのみだな」
そう言うと、下の階に降りる
「…なあ、俺が上に言ってる間何があった?」
素面のリボルバーに問う彰
「…さあな、誰かが酒を持ち出した、それだけのはずだが…」
フロアにいる半数近くがもはや泥酔といった体である
「…飯食って風呂入って寝ちまおうと思ったんだがな…」
その前に一仕事できたとばかりにまた嘆息する彰であった
何とか、酔っ払った人たちを部屋まで連れて行き、一息ついてから先に言ったことを実行する彰であった

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