第十九章

今回はノリと勢いで書いてる部分が多いです
特に使う気のなかったある技が…
作品としては登場しなくても技ぐらいならいいよな、という感覚で書きました
中ボスには酒呑童子を元から考えていたのですが、もう片方はなんとなく出てきた感じですかね





              第十九章

【メッツァー】
「前衛は一度下がれ!スイートナイツ、ココノ、前に出ろ!次はプリンセス・ティアと美鈴、賢久、雪子に出てもらう!」
【一同】
「了解!」

内部にも大量に湧き出る闇精霊を相手に疲労し始めた前衛を即座に交代する
わずかな疲労も見逃さずに的確に交代を指示するメッツァー
無論、それだけでなく必要に応じて補助形の魔法も使用している

【彰】
「…デミウルゴスの判断は正しかったな」

そういう俺は緩み過ぎない程度に気を抜いている
必要ならば即座に戦闘体制に移行できるが、今の状況下で無駄に気を張っていては疲労がたまるだけだ
何より、それはメッツァーを初めとした仲間達を信用していないということにもなる
ここにいる連中ならば、俺が戦闘体制に移るのは混沌相手でいいだろう

【双七】
「ふあああ…」
【彰】
「…だからといって、隣の奴みたいにあくびはしたくないが」

とりあえず小突いとく

【彰】
「手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に…今のお前にはどれも出来ていない、周りの仲間が心強いからといって完全に気を抜く阿呆がいるか!」

…すみません、師匠、俺はこいつを一人前に育てられませんでした…

そのころ地上

【九鬼】
「…?」

一瞬だけ彰の声が聞こえた気がしたが…

【九鬼】
「双七の奴が何かやらかしたか…?」

俺が免許皆伝を許した手前、彰がポカをやらかすとは思えん、ましてやあいつの女も一緒に行っているならなおさらだ

【九鬼】
「…双七の奴にはまだ教えが足りなかったか…」

眼前の敵に手刀を打ち込みながら嘆息する

そして黒き月内部

【メッツァー】
「下がれ!次の連中前に出ろ!」

スイートナイツも交代する

【スイートリップ】
「もう少しぐらいは持ちそうだったけどね…」
【愁厳】
「それぐらいでとめておいたほうが無茶にならずにすむ、回復も早くなるからな」
【スイートキッス】
「指揮は的確なんですよね、メッツァー…」
【彰】
「俺としては信頼に値する指揮官が一人でも多くいるってのはうれしい限りだが」

ちなみに、先ほどから後方はストライフ、ライル、アストの三人が警戒している

【ジューダス】
「しかし、先ほどから前方からしか敵が出てきてないな」
【ライル】
「迎撃に専念してるってのもあるんだろうが…」
【彰】
「しかし、足場はまるで見当たらないのに構造がダンジョンみたいになってるとは…不思議だな」

そう、先ほどから俺達は突き当たりなどを曲がっている
しかし、足場は相変わらず足がついてるのかどうかさえ疑わしい謎空間のままだ

【メッツァー】
「次だ、奈緒、トーニャ、優、志都美、前に出ろ」

咲月は補助要因に回っている

【メッツァー】
「愁厳たちは次に出てもらう、準備をしておけ、もう回復はすんでいるな?」
【愁厳】
「ああ、問題ない」
【双七】
「あ~あ、いっそ上のほうから来てもいいんじゃないかな?」
【彰】
「…上から来るぞ!気をつけろ!か?あいにくと、上のほうは敵が出てくる気配がないな」

上からの奇襲に弱いのは事実だな、まあ、咲月と美鈴が結界を張ってくれたので上から攻撃されてもしばらくは防ぎようがある、その間に何とかできるだろう

【優】
「志都美ちゃん、大丈夫?」
【志都美】
「うん…でも…」
【メッツァー】
「志都美、お前は下がっていろ、後方警戒組に加われ、お前の能力はあまり前衛向きじゃないな」
【志都美】
「う、うん…ごめんね、優ちゃん」
【優】
「大丈夫、それにあまり敵も多くないし」
【ライル】
「次の前衛は俺達が出る、次に前衛に出る予定だった連中は後方警戒に回ってくれ」
【メッツァー】
「…いいだろう、そっちの連中を遊ばせておくのももったいないからな」

しばらく道なりに進む

【彰】
「…前衛を強化しておいてくれ、中ボスあたりが出てきそうな雰囲気だ」
【メッツァー】
「そうだな…一乃谷兄弟、ライル、ジューダス、スイートナイツが前衛についてくれ、美鈴はサポートに専念しろ」
【美鈴】
「了解だ」
【愁厳】
「心得た!」

少しだけ開けた空間に出たのが解る
もっとも、周囲は先ほどから少しも変わっていない、薄暗い空間に包まれているだけだ
それでも開けた空間に出たのだ、ということだけは解る

【???】
「よく来たな…人間共」
【彰】
「…ぐっ!?」
【優】
「きゃあ!?」

何だ…?
血が疼く…優も同じようだし…
これは…まさか

【彰】
「鬼…それもかなりの上位種…」
【酒呑童子】
「いかにも…我が名は酒呑童子…」
【美鈴】
「メッツァー、悪いが私は前に出る、アレはどうやら…私の敵だ」
【メッツァー】
「いいだろう…」

…これは…

【彰】
「双七、さっきの台詞今すぐに言え」
【双七】
「え?ええと…上から来るぞ!気をつけろ!」

上空からあからさまに動揺した気配

【賢久】
「おらぁっ!」

とりあえず上に向かい賢久が炎を放つ

【???】
「ちっ!」

声、と同時に俺達の前に落下してくる影

【双七】
「ほ、本当に上から来た…」

血の疼いている人妖はいない、妖怪の類ではないのか?

【彰】
「…」

周囲に目を向ける、何かしら縁がある存在だとは思うのだが…

【彰】
「誰とも縁はなさそうだな…妖怪じゃないって事は悪魔の類か?」
【ベルゼバブ】
「正確に言うと、そこのジューダス・ストライフとは縁があるんだけどね」
【ジューダス】
「ま、そんな感じはしたけどね…ベルゼバブか」
【ライル】
「って、どうすんだよ、俺のシンはもう使えないんだぞ?」
【彰】
「…這う虫の王か…」

確かに…無限の回復能力を持つこいつは厄介極まりないな…
全てを腐滅させるシンの…無価値なるものの王の力を借りて倒したと聞いたが、今のこいつらはそのシンを持っていない

【彰】
「全ての原罪を許された結果が今のお前らなんだよな…聞いた話だと」

となると…

【彰】
「…アレ…試してみるか…?」

一歩前に出る

【愁厳】
「待て!お前を戦列に加えるわけには!」
【彰】
「試してみたい術式があってな…詠唱だけでも試してみるさ!」

まあ、本当に使えたとしてどうなるのか…試させてもらおう!

【彰】
「光射す世界に、汝ら暗黒、棲まう場所無し!」

右手に力が集まるのを感じる…やってみるもんだな

【双七】
「あ、アレは…」
【彰】
「渇かず、飢えず、無に、帰れ!」

地を蹴る

【ベルゼバブ】
「これは…!?」
【彰】
「レムリア…インパクト!」

右手に生じたマイクロブラックホールを叩き込む!

【菊理】
「昇華!」

…本当に出来たよ、おい

【彰】
「やってみるものだな…」

そして向こうでは

【美鈴】
「牡龠掛け闔す総光の門―――」

いつものように手袋が弾け

【美鈴】
「七惑七星が招きたる、由来艸阜の勢―――」

かざした手が輝きだす

【美鈴】
「武曲零零、急ぎて律令の如く成せ―――」

最初に感じたのは、憎悪、そして恐怖
これは…

【美鈴】
「千歳の儔、真打――」

呼び出されたのは…

【美鈴】
「童子切安綱!」

先ほどの感情が理解できた、全ての鬼を等しく恐怖に落とす最強の鬼殺し…
童子切…それが、あの刀なのだと

【美鈴】
「涅より生じし万鬼の王―――」

手にした刀が脈動する

【美鈴】
「神毒鬼便の緋き狂水を以って、その御霊を鎮めん―――!」

アレは…柄から伸びた棘が腕を貫いている?
なるほど…俺をしてこうまで怯えさせるほどの代物だ、人が扱うには相応の対価…
すなわち、使用者の血肉を持ってその力を解放するということか

【美鈴】
「切り裂け――――!」

間合いの外から大きく振りかぶり

【美鈴】
「鬼牙絶刀ォォオオオオオオオッ!!!」

横薙ぎの一閃から放たれた衝撃は、奴に至るまでの全てを切り裂き

【酒呑童子】
「ぐぅっ!」

両断こそされないものの防いだ腕が切り落とされ胴にも深い傷を受ける
だが、美鈴も限界が近いようで童子切を封印する

【愁厳】
「後は任せろ!」

下がった美鈴を菊理が癒す

酒呑童子は強引に傷と腕を癒したようだが、消耗は計り知れない

【愁厳】
「行くぞ…文壱!」

明らかに動きが鈍重になった酒呑童子に対し

【愁厳】
「一乃谷流…霧狐!」

初撃を防いだかに見えたが、手首を使い刃を回転させ再度放たれた一撃を受け

【愁厳】
「一乃谷流…鋼獅子!」

両手で持った一刀で今度こそ酒呑童子が両断された

【彰】
「…アレ?中ボスの割りにあっさり終わりすぎてないか?」
【ジューダス】
「いや、レムリア・インパクトと鬼牙絶刀が強力すぎるんだと思うんだが…」
【彰】
「そうだな…というか、美鈴、大丈夫か?」
【美鈴】
「ああ、もっとも、ほとんど力を使い果たしてしまったな…」
【彰】
「だったら、守られている側にいたほうがいいか…」
【美鈴】
「彰こそ、疲労はないのか?」
【彰】
「…特にないな…菊理、お前は?」
【菊理】
「いいえ、たぶん、デミウルゴスが肩代わりしてくれたんだと思う」
【デミウルゴス】
「ちなみに、さっき貴方がレムリア・インパクトを使えたのも私が術式を転送したからよ」
【彰】
「…ああ、なるほど」

デミウルゴス程の力があればあの程度の模倣も造作ないのだろうか

【彰】
「ともあれ、サンキュ、おかげであっさり倒せたよ」
【デミウルゴス】
「でも、もう無理はしないでね…」
【彰】
「ああ、これ以上は俺も危険は犯したくないし…何よりあれが残ってる」

軽く掌打を引く

【デミウルゴス】
「そうね…」
【彰】
「ところで、脅威は一応去ったって事でいいのか?」
【メッツァー】
「ああ、周囲に敵は感じない」
【彰】
「少し休憩を挟まないか、このまま行軍しても疲労が蓄積するだけだろう」
【ジューダス】
「いや、俺達は何もしてないんだが…」

そういえばそうだったな

【メッツァー】
「だったら周辺の警戒を頼む、十分だけ休憩して先に進む、それでいいな?」
【彰】
「ああ」

実際には俺よりも前衛組…特に美鈴の疲労がヤバイのが理由だが、それは言うまい

【彰】
「…メッツァー、ポーションとかの類ない?」
【メッツァー】
「あいにくと、この世界に来てからすぐに切らしている」
【エルネスタ】
「ああ、だったらうちの店から大量に持ってきてるから、好きに使いな」

そういって渡されたのは…

【彰】
「これは…飲めばいいのか?」
【エルネスタ】
「そ、体力回復のお供って奴ね、効果が出るまで少し時間がかかるけど、あんたと美鈴は飲んどいたほうがいいわね」
【彰】
「ああ、使わせてもらう」

こうして、つかの間の休息をとることにした俺達だった

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