第八章

くそ長くなったので本格的な自己紹介は次の章にになります

入れようとしたら過去最高クラスの長さになり携帯とかで読めなくなる恐れもあったのでww(A4で20ページほどに)

今回はご都合主義の回、とうとう彼のご登場です、これ以降も回想では出番があることでしょう




               第八章

あの宴会から数日、前回の赤い夜からは一週間以上が過ぎた
特に変調もなく、俺たちは日々を過ごしている、赤い夜がいつ訪れるともわからない、という状況はあるが、それでも俺たちは気にせずに行動することにしている

【彰】
「いらっしゃいませ、ツィベリアダへようこそ」

そして、今日も今日とて、バイトに勤しむ俺である
ちなみに、先日双七との手合わせを行ったのだが…
やはり習熟度に差があるのだ、焔螺子であの様子では…焔錐をあいつから教わって完全に会得することができるのかといわれると不安だ…
やはり…俺には師が必要だ…九鬼耀鋼が

そんなことを思っていた俺に、ただ一度の天恵がもたらされた、あの夜の中で…

【彰】
「…久しぶりだな」
【メッツァー】
「闇精霊は…周囲にはいないようだな」
【愁厳】
「そのようだ…」
【虎太郎】
「しかし、授業途中に入られると困るな…どこで中断になったのか覚えておくのが難しい」
【薫】
「もうあきらめました、とりあえず今日の範囲はほとんど終わっていたはずですから、小テストを早めにやらせて終わりにしようかと」
【双七】
「おお、ラッキー」
【愁厳】
「さて、それでは以前に言っていた通り、町を散策してみよう」

…特に市街に変化はない、か?

【彰】
「新綾女のほうに行ってみよう、こちらからではどうなっているか解らない、確か、駆達が始めて赤い夜に入ったときにはアヤナスの真上に黒い月があったんだよな?」
【駆】
「ああ…でも、この世界の赤い夜に月は出ていない、向こうの方も同じような状態じゃないかな?」
【美鈴】
「そうかもしれないが、気を抜かないように」
【彰】
「向こうのほうには行ったことなかったからな、それに、ほかに誰にもあっていない、もしかしたら向こうに誰かがいるかもしれない」

新綾女にたどり着くが、こちらも特におかしなことはない…か

【賢久】
「なあ、いっそアヤナスの中まで行ってみないか?あの時はアヤナスは消えててなんか神殿みたいなのになってたんだろ?」
【美鈴】
「ああ…しかし…」
【駆】
「建物の中に入るって言うのは危険なんじゃないか?」
【メッツァー】
「…虎穴に入らずんば虎児を得ず…ということわざもあるがな」
【彰】
「さて…どちらを選ぶか…」

ちなみに、スイートナイツの連中は相変わらずメッツァーがマジモードのときにいちいち驚いているのがなんか癪に障る、別に普段はアレだがこういうときのメッツァーが頼りになるのは解っているし、ぶっちゃけうちの面子ではこういう指揮官的立場の人間がいないこともあるので俺としてはメッツァーの加入は心強い限りなのだが

【虎太郎】
「…悪いが、俺と飯塚は先に学園に戻る、いきなり赤い夜が終わって、学校放置するわけにも行かないからな」
【薫】
「お前たちも、無理はせずに危険だと思ったらすぐに撤収するんだぞ」

二人離脱、か…まあいい、今までもあの二人がいなくても何とかなっていたんだ、何とかなるさ…

【愁厳】
「ここで手をこまねいていてもしょうがない、多数決をとろう」
【彰】
「まあ、そうだな…じゃあ、アヤナスの中に入ろうと思う連中手を上げろ」

過半数か…中に入ることになる、当然、戦闘能力の高いものは周囲への警戒は怠っておらず、特にメッツァーは魔法で知覚を強化しているので俺よりも気配探知能力は高い
順調に中を回る、特に変化はなし、か…
しかし、ここにきて逆に、今まで闇精霊に遭遇していない、ということに気が向いてくる

【彰】
「どういうことだ?今までの赤い夜ではすぐに闇精霊と遭遇したというのに…」
【スイートリップ】
「そうなの?私たちは少し歩いてからだったけど」
【メッツァー】
「しかし、体感時間ではあの時以上には歩いているはずだ」

ふと、腕時計に目をやる…やはり、止まっている、か

【彰】
「それに、今回はやけに長くないか?いつもはそろそろ終わっていてもおかしくないぐらいだと思うが」
【美鈴】
「そうだな…」

懐中時計を確認し、いつも以上に時間が経過していることを教えてくれる美鈴
つまり、異常、なのだ、今回は何もかもが

【彰】
「…何が起きているのかはわからないが、いったん外に出よう、ここにいても埒が明かない」
【プリンセスティア】
「そうですね…」
【駆】
「解った…行こう」

一度外に出る…終わる兆しすらまだ訪れない…
いったい、何が起きているんだ、この赤い夜に…
その直後、メッツァーが

【メッツァー】
「気をつけろ、来るぞ!」

構える…とっさに構えたせいか、俺の構えは九鬼流のものだった

【彰】
「…最近思うんだがな、俺ってどちらにしろ完成できないってジレンマ抱えなきゃいけないってのはつらいぞ」
【???】
「だったら、俺が完全にしてやろう」
【彰】
「!?」
【双七】
「この声は!?」
【九鬼】
「よう、久しぶりだな、弟子二人」
【彰】
「師匠!?」
【双七】
「先生!?」

馬鹿な…九鬼耀鋼は死んだはずだ!いくらここが異世界だからといって、そんな都合のいい話が!?

【九鬼】
「呆けている場合か、時間もない、実践してやるから見て学べ」

そういうと、近づいてきた人型の闇精霊に対し

【九鬼】
「ふっ!」

眉間に対する手刀…今のが…

【九鬼】
「彰、今のが九鬼流肆式絶招、内の弐…焔錐だ」
【彰】
「了解…こうか?」

踏み込み、相手の間合いの内側に入り込むと、喉元を狙い手刀を打ち込む

【九鬼】
「そうだ、それでいい、次は…こいつだな」

そういうと、一度だけ見たあの技を放つ
やはり、間近でしっかりと見たのと一度だけ距離があって見たのではまるで実感が違う

【彰】
「こう…か!」

つま先で相手のあご先を蹴り上げる、なるほど、こいつら相手ではいまいち効果が実感できないが、人間ならばよくて脳震盪、最悪頚椎にダメージが行って死ぬことすらありえるかもしれんな

【九鬼】
「しかし、先ほどから何体も蹴散らしてはいるがいまいちやりにくいな、こいつらは」
【双七】
「だから一体も会わなかったんだ…」
【九鬼】
「まあ、俺だけではないがな…」
【???】
「またマガツヒか!?」
【???】
「下がって、ナオヤ!“焔よ、荒れ狂え”!」

今のは…

【九鬼】
「俺は確かにお前たちの世界で死んで、幽世とやらに行ったんだがな、まあ、向こうである奴に依頼を受けて、一回きりではあるがこの赤い夜の中でのみ肉体を得ることが許された、こいつらをお前らと合流させるのが俺の仕事だったんだが、俺自身お前らに技を教え切れていないことが心残りだったんでな、二つ返事で了承した、ということだ」
【直哉】
「俺は八坂直哉って言います、九鬼さんにここまで案内されてきました」
【ミズハ】
「ミズハと申します、自己紹介は後にしたほうがよさそうですね…」
【ヤト】
「俺はヤトだ、そっちの長髪とは」
【彰】
「ご同族、か、もっとも、俺と違って純血、だが…格は神話格のそれに比べると若干劣るか」
【ヤト】
「喧嘩売ってんのか?お前、確かにその通りだがさすがに腹立つぞ」
【彰】
「悪い悪い、気づいたことそのまま口にしちまっただけだ、謝罪する」

さて、俺もスイッチ切り替え…ないでいいか

【彰】
「師匠、しっかりとすべての技、完璧に覚えれるまで見せてくれよ」
【九鬼】
「ああ、任せておけ、彼女曰く、この赤い夜を構築している存在が力を貸してくれるから、最低俺がお前ら二人と手合わせぐらいはできるな」
【双七】
「うわあ、闇精霊の後の方が怖い気がする」
【彰】
「情けない声を出すんじゃない!」
【美鈴】
「牡龠かけ闔す総光の門―」

硬直していたこちらの連中もようやく動き出したようだ

【美鈴】
「七惑七星が招きたる、由来艸阜の勢―」
【ミズハ】
「陰陽師の方ですか…」
【美鈴】
「巨門零例、急ぎて律令の如く成せ―」

この詠唱ってことは

【美鈴】
「千歳の儔、小烏丸天国!」

それを握ったまま

【美鈴】
「並びて来たれ、雷切!」

中空に現れたそれを駆が掴む

【駆】
「五雷神君奉勅――――――我が剣に歳星の気を宿さん」
【彰】
「そういえば…ミズハも人じゃないな…格はヤトより上のようにも見えるし…蛟か?」
【ミズハ】
「当たらずとも遠からじ、といったところですね」
【彰】
「…なんとなく理解した、とりあえず妖怪としての種を気にしている場合ではなさそうだしな」

そういうと、いったいに焔錐を、さらにもう一体に焔槌を叩き込む

【九鬼】
「早いな、一度だけで感覚を掴んだか?」
【彰】
「まだまだだ、だが、これから積み重ねていってあんたに追いついてみせる」
【九鬼】
「そうか、楽しみにしているぞ、ところで、お前誰か惚れた女でもできたか?」
【彰】
「なっ!?」
【菊理】
「!?」
【九鬼】
「あそこの女がそうか…技の切れが増していたからな、すぐに解った…中々いい女みたいじゃないか、守ってやれよ」
【彰】
「…師匠にまで女の世話焼かれるとは思っていなかった」
【九鬼】
「何、せっかく俺が技を教えてやるんだ、九鬼流を極めておきながら大切なものも守らなかったなんていう歯がゆい思いをするのは俺だけで十分だ」
【彰】
「…」

九鬼俊介…師匠の息子で、俺にとっては学校の後輩でもあった、俺と師匠の縁もあいつがあってこそだ、そして…人妖に殺されたことで師匠の人生は歪んだ…と聞き及んでいる、実際、俊介が死んでから俺と師匠は音信不通になっていたからな

そうこうしながら戦ううちに、闇精霊は一掃されていた

【九鬼】
「さて、どこか広い場所がいいな、この近くの駅前の広場当たりがいいだろう」
【彰】
「ああ」

まずは双七、師匠曰く

【九鬼】
「俺と彰がガチでやりあった後にお前と試合してもつまらん」

らしい

実際、フルボッコに近い状態で終わる双七と師匠の勝負であった

【九鬼】
「さて、それじゃあ彰、始めようか」
【彰】
「了解、本気で行かせてもらう」

踏み込んできた!?
しかし、冷静に手刀を捌くと今度はこちらから掌打を打ち返す、当然これも捌かれる
九鬼流同士の試合では当然相手の行動の読み合いになる、捌き、攻撃し、捌かれた所に来る攻撃をまた捌く、この繰り返しだ
俺が最初に驚愕したのはまさにこれが理由だ、九鬼流は捌きを骨子とする、いわばカウンターを主眼に置いた流派といえる、それが自分から打ち込んできたとなれば、多少の驚きはある
だが、これも俺の成長の証と受け取っておこう、九鬼耀鋼が自分から攻めに行くことで相手に驚愕を与えようとする程度には俺は成長したのだと

【彰】
「焔螺子!」
【九鬼】
「焔螺子!」

若干師匠の方が遅れて放ったにもかかわらず、俺の掌打と師匠の掌打が放たれたのは同時、習熟度の差だろう…一瞬のずれ程度では差にもならないほどに九鬼耀鋼はこの技を使い込んでいるのだ…
それからもさらに十を超える掌打と手刀を捌きあう

【彰】
「ふっ!」
【九鬼】
「ちっ!」

一度間合いを開ける

構えは同じ、間合いもほぼ同じ、だが、明らかに師匠の方が実力は上
これはあくまでも俺に九鬼流を教えるための稽古、それを理解しているからこそ、学ぶ姿勢を忘れずに全力で当たりにいく

【彰】
「はあああああああっ!」
【九鬼】
「甘いぞ!彰!」

とっさに八咫雷天流に切り替え、無数の拳撃を放つも、悉くが捌かれる

【彰】
「くっ!」
【九鬼】
「遅い!」

とっさに捌くことはできたが、今の散華で無駄に消耗したのは事実だ
まずったな…浮気はよくない、うん
技もそうだが、女に対する浮気は絶対にしないようにしようと心に誓ったところで、再び向き直る

【九鬼】
「そろそろだな…」
【彰】
「…」

赤い夜の終わり、そして、九鬼耀鋼からの最後の授業
それの終わりが近いことを知らされる

【彰】
「行くぞ…九鬼!」
【九鬼】
「来い、彰!」

右の掌打を螺子りながら引く…やはり実力差があるのならば、自分が最も使い慣れた技で挑むべき、それが俺の結論だ、それでさえも眼前のこの男には敵わなかったとしても

【彰】
「九鬼流絶招、肆式名山内の壱…焔螺子!」
【九鬼】
「ぬぅ!」

捌かれた!

【九鬼】
「焔螺子!」

渾身の焔螺子を捌かれ、完全に間合いを外した俺に容赦のない一撃が打ち込まれる
手加減されていたので意識は失わなかったが、軽く十メートルは吹き飛ばされる

【彰】
「ぐぅっ!」
【九鬼】
「ここまでだな…彰、お前はもうすでに九鬼流をほとんどマスターしている、特別に免許皆伝をやろう、双七、お前はもっと彰から学べ」
【双七】
「解りました!」
【彰】
「ああ…」
【九鬼】
「それじゃあ、最後のおさらいだ、俺が教えた大切なことは二つだ、解るな?」
【彰】
「…三つじゃないのか?」
【九鬼】
「ほう?」
【彰】
「まずは、手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に」
【九鬼】
「次は?」
【双七】
「男は、悲しいときに泣くな」
【九鬼】
「それじゃあ、最後の一つは?」
【彰】
「自分が選択して行ったことに対する結果はどんなものであれ責任を持て」
【九鬼】
「合格だ、さすがは、免許皆伝だな」

そういうと、師匠の外見がぶれる、ああ、今まさに、九鬼耀鋼という存在がこの世界から消えようとしているのだと理解する、それと同時に、俺自身、この空間がじきに終わるということを認識した、空間がひび割れ、師匠の姿も同時にひび割れ
そして、空間が割れた

【彰】
「じゃあな…九鬼耀鋼」

俺が言うべきは、この一言だけだと思う、泣くつもりもない、ここで泣けば師匠の教えを一つ無駄にする

【トーニャ】
「泣くと思ったのになあ、絶対泣くと思ったのになあ」
【彰】
「それはどっちに対して言っているんだ?」
【トーニャ】
「それはもちろん、この面子の中で一番涙腺の緩い人に」
【双七】
「さすがに、先生にもう一度フルボッコにされるのはごめんだし」
【彰】
「情けない理由だなあ、おい」

こうして、俺は完全に九鬼耀鋼と満足の行く形で分かれることができた…
九鬼流を完全なものにした今、守ってみせるさ…菊理を、こいつらを



ちなみに、ぶっちゃけこの三人はおまけで、本命は実を言うと今回中に入ってこない八坂家の方々(咲月、奈緒の二人だけだが…)
彼女たちは、原作で一度死んで幽世からこちらに来ているため、この世界の干渉を受けていません
そのため、赤い夜の間この世界がどうなっているのか、の回答を得ることができます
九鬼先生は一度限りの出番ですね、ぶっちゃけ強すぎるので、この人
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