第二章

というわけで第二章です

ヒロインが誰か決まったのはこれを書いている途中で、まあ、読んでいただければ解るかと





               第二章

翌朝、眼を覚まし、学校へ向かう
朝食は食べる時もあれば食べない時の方が多く、今日は食べている時間も無い

【彰】
「!?」
【美鈴】
「え!?」
【菊理】
「彰さん!?」

何故…俺のクラスに二人がいる!?

【彰】
「まて…そういえば校門の違和感…」

ダッシュで確認、そして把握する

【彰】
「ええと、お前らの通っていた学校の名前は虹稜館学園でいいんだよな?」
【美鈴】
「ああ…」
【菊理】
「あ!そういえば校門に書いてあった学校の名前!」
【彰】
「神沢学園と虹稜館学園が並んでいたな…」
【美鈴】
「どういうことだ?」
【彰】
「解らん…だが、見覚えのないクラスメイトはいないか?俺は数人すでに来ている生徒にいる」
【美鈴】
「私もだ、流石に同じクラスともなれば見落とすはずはないんだが…」

…何がおきているのかは解らない、だが、とりあえず一足早く冷静になったのだろう、愁厳が

【校内放送】
「生徒会役員は全員昼休み生徒会室に集まるように、以上だ」

と校内放送を流し、意味を正しく理解した俺と双七、伊緒にさくらのおかげで向こうの生徒も全員が揃う

【彰】
「…」
【駆】
「どういう…ことだ?」
【彰】
「生徒の会話に不自然なものが皆無だ」
【駆】
「こっちもだ、匡なんかが生徒会長のことを当たり前のように話していたし…」
【双七】
「そうですよねえ…そっちの知り合いらしき生徒がこっちのことを平気で話してるっていうのは違和感あります…匡君なんかは俺たちが生徒会役員だってことは知らなかったみたいに話してたけど、会長の白い制服のこととか普通に話してました」
【彰】
「少なくとも、俺は顔も名前も知らない生徒…一応出席確認で名前と顔は一致させたが…にいきなり話しかけられたな」

この場にいる全員がその違和感に気づいている、元々不登校気味だったと言う賢久は元々生徒の顔と名前も一致していないやつらばかりだったと言っているからわからないが、おそらくは同じクラスだった奴と人妖が大体半々になっていることだろう

【栞】
「でも…あの二人がいてよかった…」
【彰】
「二人?」

呟きに反応してしまうが、仕方あるまい

【駆】
「ああ、うちのクラスの照屋匡と奈月香央里のことだよ…栞はあの二人とは仲いいからな」
【双七】
「あの二人かあ…俺はすぐに名前呼ばれて困ったけどな」

苦笑しつつそういう双七

【彰】
「…俺はクラス内の付き合い悪いからなあ…」
【美鈴】
「ソレは感じたな、こちらから来ている生徒には話しかけられてもそちらの生徒とはあまり話そうとはしていなかったな」
【彰】
「まあ、美鈴と菊理が同じクラスになった以上はしっかりと話もするが」
【菊理】
「もしかしたら…彼らは記憶の操作か何かをされたのかもしれませんね?この状況に違和感を持たせないために」
【彰】
「普通に違和感ありまくりだっての…」
【美鈴】
「元々違う学校に通うもの同士だからな…」
【愁厳】
「とりあえず、俺達はこれからどうするか、ソレを放課後の生徒会会議の議題としたいが、かまわないな?」
【彰】
「ああ…彼女達は?」
【愁厳】
「無論、参加してもらう、良ければ生徒会に入ってもらいたいところだ」
【美鈴】
「この学園の生徒会はそう簡単に入れるものなのか?」
【彰】
「ま、俺達に異論はないし…本来ならば生徒への掲示板通知の後適性試験等があるのだが…今回はすっ飛ばしていいだろう、双七と同じく特例として認める、という事で」
【愁厳】
「生徒会長としてこれを承認する」
【刑二郎】
「副会長として右に同じ」
【彰】
「で、後はお前らの意思だ」

少し考えはしたが、全員賛成でいいようだ

【彰】
「…そっちの生徒会が存在しないのは不思議だが、まあ大丈夫だろう…」

基本的なルールは神沢学園のそれと大差ないようだ…ただし、八咫鴉に並びこの学園の出資者となる存在として広原と言う一族が関与していることになっている

放課後になり、一同集まり

【愁厳】
「では…これからどうすべきか、話し合おうと思う」
【彰】
「まずは町を散策しようと思う、もしかしたら神沢と綾女ヶ丘、この二つに関して共通する部分を見つけられるかもしれない」
【美鈴】
「そうか!何らかの共通点によって召喚されたと考えることも出来るのか!」
【彰】
「ああ、そして、もし仮にお互いの町が交わっていたのだとするとどう変わっているのかを把握しておく必要も出てくるだろう」
【虎太郎】
「で?生徒会顧問と副顧問は無視か?」
【彰】
「…虎太郎と薫は…」
【薫】
「一応言っておくが、私と加藤先生はあの赤い空間にいたからな?」
【彰】
「!」
【虎太郎】
「俺達もあの瘴気の塊と戦いながら御頭様の屋敷へ向かっていたんだがな、ああ、御頭様と鴉師匠もいたな」
【彰】
「…よく混乱しなかったな、点呼の際に名簿見てなかったってのに…」

薫は見ているが、コレは元々神沢学園に就任して日の浅い彼女は全生徒の顔と名前、所属クラスを全て覚える、などという芸当ができていないからだが、虎太郎は全員の顔と名前が一致しているので名簿を見ていた記憶がない
転校生の珍しくないこの学校に会ってそれができるというのは尊敬に値すると俺は思っている、ソレはすなわち、転校生でさえすぐに覚えているからだ…しかし、クラスの生徒のうち半数は変わっているのだ、神沢にいた生徒でいなくなっている生徒もいるのだから、それで一人も間違えることなく点呼を取れるはずが…

【虎太郎】
「名前ぐらいなら何とか叩き込めたさ、教師の中に見覚えの無い人間がいたのでもしかしたらと思ってな、名簿と数分にらめっこしてれば何とか覚えることも出来る、後は点呼の際に顔を覚えればいい、自分にとって受け持った覚えのないものでも向こうにとって俺が教師であるならソレは俺の生徒だからな、当然のことだ」
【薫】
「ソレを当然と言えるあなたは本当に凄いと思いますよ、少なくとも私には無理だ」

とりあえず、教師二人に八咫鴉たちへの報告を任せ、俺達は街の散策に出る

【彰】
「ここらへんは記憶に無いんだな?」
【美鈴】
「ああ…まったくと言っていいだろう…こうして通っているから解るが、ただ学校に行く、という事で考えると周囲の地形と言うのがいかに変わっていても気づかないものだな…」
【彰】
「無意識下に刷り込まれていれば意識しなければ気づけないさ…」
【菊理】
「そんなことが可能なのでしょうか?」
【彰】
「この世界そのものがそう言う場所なのだろう…よくよく考えてみれば、赤い夜を経験したもの以外がこの状態に違和感を感じていない、もしかしたあれはこの世界の再構築の影響を受けていないものが一時的に隔離される空間なのかもしれないな」
【美鈴】
「では、他の皆は!?」
【彰】
「あくまで仮定だ、しかし、そうして考えるならば…召喚される中で意識を操作されている、と考えていいだろうな」
【菊理】
「でも、それができるならそういう操作を受け付けない存在を拒むことも出来るのでは?」
【彰】
「だから、仮定、なんだよ」

否定する要素はいくらでもある、単に俺は自分が自然だと思えることを言っているだけだ

【彰】
「…こっから先には見覚えがないな」
【美鈴】
「いや、私達には見覚えがある!」
【駆】
「新綾女…!?」
【彰】
「…繋がった、な」
【賢久】
「どういうことだ?」
【彰】
「ここから先がお前達のいた世界の欠片ってことだ」

ここまでが神沢…だというのならば…

【彰】
「外壁は…どうなっている?」
【双七】
「そうだ!この神沢の外壁は!?」

全員で向かう、新綾女を抜ければ…

【彰】
「は?」
【双七】
「どういう…ことだ?」

外壁など無く、しかもそこから先は断崖絶壁、その先には何故か海が広がっている

【彰】
「…完全に、俺たちの世界ではない、な」
【美鈴】
「元より、私達の世界とも違う」
【愁厳】
「コレは…御頭様に報告すべきだろうな…」
【彰】
「すでに知っている可能性もあるがな…」

嘆息する、落ち着きを取り戻し…

【彰】
「仕方ない、町の散策に戻ろう…今度は単に地理を把握するためだから適当に寄り道しながらでもいいだろう」
【愁厳】
「そうだな…」

さすがに、俺以外はまだこの断崖絶壁の衝撃から抜け気ってはいないようだが…
流石に、師匠でもコレは驚愕して今まで止まるだろうか?
いや…あの師匠なら俺よりも早く立ち直れただろう…

【彰】
「というわけで、さっさと行くぞ!」

この場に興味はなくなるようにそう言っておく
今は、ここのことは考えなくていい…いつか、必要になるそのときまでは

まずはツィベリアダという名の喫茶店に入る

【マスター】
「おお、駆君!雪子君!まだバイトの時間じゃないが…っと、おや、今日はいつにも増して客人が多いね?」
【愁厳】
「団体で押しかけてしまい、申し訳ありません」
【マスター】
「いや、かまわないさ、どうぞゆっくりして行ってくれ、君達は神沢の?」
【愁厳】
「はい、俺は生徒会長を勤めさせていただいてます」
【マスター】
「そうか、まあ、ゆっくりしてくれ、一杯目は特別に僕からのおごりにしておくよ」
【愁厳】
「そこまで気を使っていただくわけには…」
【マスター】
「いいってことだよ、その代わり、今後ともご贔屓に頼むよ?」
【彰】
「そういうことなら…ご好意に預かっておこうぜ?愁厳」
【愁厳】
「そうだな…」

席は四つも占拠する
俺のテーブルには隣に狩人、正面は菊理と美鈴だ

【彰】
「…美味いな…ここのコーヒーは…」
【美鈴】
「君は…」
【彰】
「…君って呼ばれ方はあまり好みじゃないな、できれば呼びつけか、あるいは名前に君付けでいいさ」
【美鈴】
「そうだったな…確かに今の呼び方は失礼だった、彰はコーヒー派なのか?」
【彰】
「いんや、ばりばりの紅茶派だが、それでもここのは美味いよ」
【菊理】
「でしたら、今度は生徒会室に紅茶をお持ちしますね」
【彰】
「…あそこは茶飲み場じゃないんだが…」

まあ、俺や愁厳は比較的昼食を生徒会室でとることが多い、俺は雲ひとつ無いほど晴れ上がっているような日は気持ちがいいので屋上で食うが
愁厳はいつもか…でもあいつ緑茶派だしなあ…
で、その愁厳はというと

【愁厳】
「滅多に飲まないが…美味いな、ここの珈琲は…」
【刀子】
「そうですね…」

等とご満悦なご様子だ、ちなみに二人と相席しているのはさくらと栞だ
後の組み合わせは双七とすず、トーニャに駆とゆかの同じクラス組と
刑二郎、伊緒、みゅう、賢久、雪子という席で座っている

【彰】
「まあ、これで俺がこの店の常連になるのは決定したが…駆と雪子はここでバイトしてるんだな?」
【美鈴】
「そうだな…」
【彰】
「んじゃ、あいつ等がバイト入ってる日は必ず冷やかしに来よう、生徒会終わってからも開いてるかね?」
【マスター】
「ま、うちはそれなりに遅くまで営業してるから大丈夫だとは思うよ」
【彰】
「ソレはありがたい」

くくっ…

【菊理】
「だったら、私も一緒に来ようかな?そのときは奢ってもらえます?」
【彰】
「コーヒー一杯程度なら」

何故即答してしまったのか自分が不思議に思った
生徒会の仲でも特に仲のいい奴にすら滅多におごる、なんてことをしない俺が…
普段自分の近くにいないタイプの人間だからだろうか?菊理には意外と気を許している気がする…
生徒会の人間は今では全員信頼しているものの、元が人付き合いが苦手な俺だ、それがこうも…気を許している

【菊理】
「それじゃ、毎日来ましょうか?」
【彰】
「さすがに金がなくなるなあ…」

とうの昔に死んでいるとはいえ、うちの両親が残した遺産は莫大な額になる
俺は神沢に来てからもバイトをしてはいない、たまに日雇いなどをやることはあっても基本は親の遺産頼りだ…あと十年は暮らせるからな
今俺が住んでいる家は安く売っていたから土地ごと買ったものだとはいえ、それも親の遺産があったからだ
元の持ち主は別の家に引っ越したため、空き家になっていたのを交渉して買い取り、そこそこに広いが一人暮らしの寂しさを味わう破目になるので普段はかなり遅くまで町をぶらついて適当に晩飯を済ませてから帰るのがいつものことになっている…
そんな腐った生活も親の遺産頼りでようやくのもの…確かに自活能力がないわけじゃない、少なくとも、如月姉弟に比べれば俺は家事は出来る、料理は得意なほうだし、その他の家事も出来ないわけじゃない…ただ…一人の虚しさが増幅しかねないのでやらなくなっただけだ

【菊理】
「…」

ふと、正面の菊理の顔がかげっている事に気づく

【彰】
「どうした?」
【菊理】
「いえ…その…彰君の顔が…くらい表情をしていたので」
【彰】
「ああ、すまないな…ちょっと今の生活のことを考えていたんだ…少なくともあと十年は親の遺産だけで生きていける、俺は高校を卒業したら何かしらの職につこうとは思っている…ただな…俺は両親もいないし、こっちに越してくる時に中古物件で出ていた無駄に広い家に一人暮らしなんだよ…」

そうだ、そういえば、俺はこの悩みについてだけは、生徒会の誰にも言ってはいないのに…
そうすれば俺は甘えてしまうから…なのに

【彰】
「それが…寂しいな、と思うときがあるんだよ、やっぱり、適当なアパートにして置けばよかった…とそう思うときがある…なんであんな無駄に広い家を買っちまったんだ、って…向こうにいたときは元々師匠以外の人間との関わりは希薄だったし、一人でいることの虚しさなんて慣れていたつもりでいた…だけど、こっちに来て、生徒会に半ば強引な形だったとはいえ入ることになって、そこの連中と打ち解けて…周囲に対する壁が薄くなった結果…孤独感、なんていうものまで得てしまった…友人がいるのはいいことだ、学校がある日ならばそれこそ学校が終わってからも遊びに行ったりして楽しめる…だけど、家に帰ったらその分だけ自分の孤独を抑えられなくなるんだ…特に、無駄にでかい家に住んでるせいで、ソレを余計に感じるんだ」

言って…しまった…
この悩みだけは、誰にも言うまいと思っていたのに…なんで言っちまったんだ?俺は…

【菊理】
「…ごめんなさい…私なんかが聞いていいことじゃなかったですよね…」
【彰】
「いや…話したら少しは気が楽になった…抱え込んでばかりじゃ先には進まないしな」

そう言って…無理に笑ってみせる
できる限り、自然に見えるように

【美鈴】
「精一杯の苦笑いにしかなっていないぞ」
【狩人】
「そういう悩みは…もっと早くに言っておけばよかったんじゃないかな?そうすれば」
【彰】
「甘えるのはごめんなんだよ…ソレはわかるだろ?俺の性分を考えれば…それに、そうすればどうなる?誰かと同棲なんてできるわけもない」

嘆息する

【彰】
「ま、最近はそれでも何とかしてるさ、家にいない時間を長くする事で…」

最悪の解決法だと言うのは解っている

【マスター】
「どうぞ、もう一杯ぐらい、おかわりがいるだろう?」
【彰】
「…ま、金はしっかり払うから頂くよ…全員にももう一杯、俺のおごりで」
【マスター】
「ああ、若いうちからずいぶんと重い悩みを抱えているようだが、ソレは一人で抱え込んでどうなるものじゃない、皆に頼ってみるのも、いいことだよ」

そう言ってポン、と肩をたたかれる

【彰】
「…やれやれ、言うつもりは無かったんだけどな…まあいいさ、話したら気が楽になってってのは本当だから、そんな顔はするなよ、菊理」

今度はもっと自然に笑顔が作れた…
それでようやく、泣きそうな顔をしていた菊理にも僅かだが笑顔が浮かんだ

【彰】
「マスター、俺をここで雇ってはくれないか?」
【マスター】
「バイトなら大丈夫だと思うよ」

いきなりの申し出にもかかわらず受け入れてくれたことに少しばかりの驚きと感謝しつつ

【彰】
「ああ、今はそれでいい、いっそ自営業で何かやってみようと思うんだ、その経験にもなるだろうし」
【マスター】
「了解、それじゃまた明日、面接をするから来るといい」

全員がコーヒーで落ち着いたところで、もう一度だけ皆に言っておいた

【彰】
「少なくとも、俺は皆といるときは落ち着いていられる、お前達といられるから、俺はこうして安定していられるんだ、だからまあ…あまり今の俺の生活については気にしないでくれ、お前達に心配や苦労はかけたく無いからさ」

店を出るとき、マスターが一言だけ

【マスター】
「明日の面接、待ってるよ」

と言ってくれた

【彰】
「さて…湿っぽくなっちまったが、日はまだ高いんだ、まだ見てない名所とかはあるか?」

と菊理に聞いてみる

【菊理】
「そうですね…ここからだったらアヤナスがいいんじゃないですか?」
【美鈴】
「そうだな、あの赤い夜とは違うんだし、あそこに行ってもいいだろう」
【賢久】
「それにこの面子なら、あの黒騎士とか言う連中でもまとめて相手できるんじゃないか?」
【彰】
「油断は禁物だぞ、それに黒騎士とか言う連中の事を俺達は知らないんだ」
【賢久】
「おおっと、そうだったな」

大雑把に話を聞くと

【彰】
「ふむ…そのイラという奴とは手合わせしてみたい気もするぞ…」
【美鈴】
「同じ格闘家として…か?」
【彰】
「ま、そんなものだ、奴の拳法と俺の九鬼流と八咫雷天流がどこまでやりあえるのか試してみたくはあるな、やばくなったら助けろよ?双七」
【双七】
「あ~…お前が苦戦するような相手だったら俺じゃ勝てないと思う」
【彰】
「おまえなあ…加勢するぐらいなら何とかなるだろうが、一瞬でも気をひいてくれれば一撃必殺の技を打ち込める自信があるが」

そんな談笑をかわしながら、新綾女ランドマークタワーへ向かう

まあ、ぶっちゃけ不幸自慢にキリがないのはどいつもこいつも同じ、ここにいる誰もが何かしらの悩みを抱えているか抱えていたか、単に今まで誰にも言ってなかったからああいう空気になっただけで、他の連中の悩みを聞いたこともある俺だ、そういうの比較に出してとりあえずあの湿っぽい空気は追い払っておいた

【彰】
「ふ~ん…神沢にはこういうショッピングモールって言うのはなかったからな…新鮮だ」
【双七】
「うちのクラスメイトが外にこういうのができたっていうのが雑誌に載るたびにため息をついていたのを思い出したよ…」

俺達にとっては現実に入ることなどもう数年はありえないだろうと思っていたようなショッピングモールが学校から歩いて三十分も掛からない場所にある…この衝撃を言葉で言い表すのは困難だ
そして、入る前に賢久推薦のドネルケバブを食うことにした
これも料理として名前は知っていたが実際に食べるのは初めてだ…

【彰】
「ほう…中々、美味いものだな」
【さくら】
「初めて食べましたけど…美味しいですね」
【賢久】
「だろう?」
【彰】
「肉とヨーグルトってあうんだな…話に聞いてはいたが…」

そんな他愛のない会話をしつつ、全員が食べ終わったところで中に入る

【さくら】
「うわ~…こういうところの中ってこうなってるんですね~」

早くも女子生徒はうろつきかねない勢いだ

【愁厳】
「仕方ない、しばらく自由時間にして、二時間後に入り口に集合にしよう」
【彰】
「異論なし」
【刑二郎】
「右に同じ!」

という事で一度解散する、俺は菊理と美鈴と一緒に行動する

【彰】
「両手に花か…光栄だね」
【菊理】
「荷物持ちを押し付けますけど大丈夫ですか?」
【彰】
「一応俺は鬼化していなくてもそれなりに鍛えてるから腕力はあるぞ?双七以上には」
【美鈴】
「まあ、私も菊理君もあまり買い込むということはしないから安心してくれていい」
【彰】
「ま、ものめずらしさで買いまくるだろううちの女子生徒にあえてつかなかった訳だが…まあ、刑二郎が頑張ってくれるさ!」

あいつの能力ならうちの女子生徒が今月の生活に困窮しかねないほど買いこんでも持つことぐらい造作も無いだろうし、流石にうちの女子生徒連中はそこまで金遣いが荒くない…と思う、ものめずらしさだけで破産はしないだろう…流石にそれぐらいは…

【彰】
「…ありえそうで怖いな、特にさくら」
【美鈴】
「?何のことだ?」
【菊理】
「自分のお小遣いをものめずらしさで全部使い切ってしまう、って言うことですよね?」
【彰】
「正解!刑二郎…頑張れよ!」

まあ、流石にそこまではなかったという結果だけは言っておこう
この後もまだ見回るつもりだった俺と愁厳だったが、残念ながら日も落ちてきた、明日は休日だし、暇な人間だけでももう一度散策を行う、という事で今日は解散となる
ちなみに、今度は人妖組がバイトやら実家手伝いやらで抜けることになったので神沢のほうの案内をすることになる…最も、駆や雪子もバイトがあるらしいので要所要所だけになってしまうのが残念だが…

ちなみに、何故か晩飯を数人がたかりに来たおかげで寝るまでの孤独感など皆無だった…あいつ等なりに気を利かせてくれた、ということにしておくが、俺の懐事情も考えて欲しい、流石に今日の規模が続くと破産する



彰の感じている孤独に関しては第四章の終わりか第五章において解消されることになるかと
まあ、ぶっちゃけある人が居候しに来るからですね、誰かはわかるかもしれませんが、一人だけではありません
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