第十七章

予告どおりのシェゾ視点です、他の特異点に視点変更があるのは後は悠人だけかな?
今回はアルルとルルーが合流します
ちなみに、アルル…元々はここまでいい加減な人間でもないはずなんだが…何故だろう?気づくと俺の中ではこういうキャラになってしまっている…
ルルーに関してはもっと早くに合流していてもおかしくは無いんですけどね、サタンはすでに戦闘に参加してるんだし
ちなみに、今回数名が使っていたマナ使用時の詠唱ですが、一応昌霊世界出身の方々にも考えてますのでそのうち出てくるかもしれません

それでは、第十七章、始めましょうか


        第十七章/彼の視点、そして(シェゾ・ウィグィィ)

【シェゾ】
「…朝か…」

ここまで規則正しい生活など一体何年ぶりになるのかさえ思い出せんが…

【シェゾ】
「…さて…」

下に降りる、起きた以上は朝飯でも食わせてもらおう…
…俺の早起きの原因が一つ解った、惰眠を貪るよりも朝から美味い飯を食いたいからだ

【シェゾ】
「…!?な、こんなバカな…!?」
【アルル】
「?どったの?シェゾ?あ、エスペリアさん、おかわり!」
【エスペリア】
「はい」

信じられん…まさか、俺はまだ寝ていると言うのか?
コレはあれか…?夢の中でこれが夢だと自覚できると言う…

【シェゾ】
「そうか…コレは夢か…だったら早く起きないと朝飯を食い損ねるな…」
【アルル】
「?だからどうしたのさ、まるでありえないものを見つめるような目でボクを見て」
【サタン】
「どうした、シェゾ、階段の真ん中で止まっていると邪魔…何!?」

後ろでサタンが同じ反応を返している
ありえないとは思うが…

【彰】
「どうした…お前ら…そんなところで固まっ…なんだと!?」

彰まで同じ反応だと…

【ルルー】
「そろいも揃って何をやってるのよ」
【シェゾ】
「ルルー!コレはどういうことだ!?俺はまだ夢でも見ているのか!?あのアルルが俺より先に起きて朝食を食っているなど!」
【アルル】
「あ、酷いなあ!ボクだってたまには早起きするよ!」
【彰】
「…たまに…というが…お前が今の時間に起きているのなど俺は始めてみるぞ!?」
【シェゾ】
「本当に…夢ではないようだな…」
【ルルー】
「ええ、驚くべきことに現実よ、私がたたき起こしたわけでもないわよ」
【サタン】
「ソレは解っているが…」

いかん、まだ硬直が解けない…

【ウィッチ】
「…アルルさんが早起きですって…!?そんなことが…!?」

ウィッチまで同じ反応を返している
…しかし、おかげで俺は硬直から抜け出せた…

【シェゾ】
「…痛いな…」

とりあえず、手の甲をつねってみる
さらに彰やサタンでも試すが

【彰】
「…痛みを感じると言うことは夢ではない…というのはただの迷信だぞ」
【サタン】
「しかし、そんなことを話せる時点で夢ではなさそうだな…」

どうやら後ろの二人も正気に返ったようだ…

【シェゾ】
「…信じられん…一体何があったと言うのだ!?」
【アルル】
「だって、今日からはボクも捜索に参加するんだし」
【シェゾ】
「何!?」

一体何故!?

【サタン】
「…そうか」
【シェゾ】
「お前が何か言ったのか?」
【サタン】
「ルルーには言ったがな…元気が有り余るようならば少し手を貸して欲しいと」
【シェゾ】
「どうやら、ようやくまともに頭が動くようになったらしいな」
【サタン】
「…言い返したいがつい最近までこんな簡単な方法にさえ気がつかなかったことを考えれば言い返せんとは…」
【シェゾ】
「ふん、取り乱しすぎだ、お前は」
【彰】
「…しかし…昨日まで帰ってくるまで顔をあわせすらしなかったやつが俺よりも早く起きていると驚くだけではすまないものだな…ことにそれがアルルともなれば…」

しかし…俺たちが今まで散々探し回って意味がなかったのだ、こいつらがいまさら加わったところで精々夜の巡回での経験値が少し減るだけのことに過ぎない

【シェゾ】
「まあいい…エスペリア、食事を頼む」
【エスペリア】
「解りました」

…こんなくだらないことのためだけに普段より十分近くも朝食が遅れるとは…

【彰】
「…とりあえず、今日はデパート近辺を探ってみる、奴等にとってあれを作った意味がなんなのか、改めて見直すつもりだ」
【シェゾ】
「俺は適当にうろつくか…」
【ウィッチ】
「わたくしはシェゾについていきますわ」
【アルル】
「それじゃ、ボクもそうしようかな?」
【ルルー】
「サタン様、わたくし達はどうしましょうか?」
【サタン】
「どうせなら魔導世界の人間は一まとめで動くことにしよう、シェゾもそれでいいな?」
【シェゾ】
「ふん、まあいいだろう、だが、俺の邪魔はするなよ」

朝食後、連れ立って行動する

【シェゾ】
「…ここら辺は特に何もないか…」
【サタン】
「そうだな…やはり今の段階では我々だけではどうしようもないか…」
【アルル】
「そうみたいだね…この周辺には何も感じないよ」
【シェゾ】
「お前が気づけるようならば先に俺やサタンが気づく、仕方ない、俺達もデパートに行ってみるか…アルルやルルーは始めてだろうしな」
【アルル】
「案内してくれるんだ、たまにはシェゾもいいことするね」
【シェゾ】
「誰が案内などするか、俺は勝手に動く、迷いたくなければしっかりついて来い」

デパートに着く

【アルル】
「大きいねー」
【シェゾ】
「館からでも見えるだろうが…」
【ルルー】
「でも実際に見てみるのとはまた違うわよ」
【彰】
「…?なんだ、お前らも来たのか」

そんなことを言いながら肩をすくめつつ現れる彰

【サタン】
「?今日はあの二人はどうした?」
【彰】
「いつもいつも付き合わせるわけにも行かないさ、今日はあの二人は館にいる」
【サタン】
「そうか…」
【シェゾ】
「で、お前は何かつかめたのか?」
【彰】
「…痕跡はない、ここの売上げがどこに流れているのかまでたどってみたんだがな…九割は給料や商品代、それ以外は経営者の懐だ、その経営者も先代との連絡はつかなくなって久しいらしい…どうもこのデパートは奴等にとってテストケース、こういった者がこの世界に入り込めるのかを調べるための第一号ということらしい」
【シェゾ】
「ふむ…そして、世界的に見てこの土地だけが浮いてしまった結果、外への介入はまだ行っていない…といったところか」
【彰】
「見極めの時点なのかもしれないが…おそらくは第二段階はまだ先…にしたかったんだろう」
【サタン】
「…そうだな、おそらくは…そう遠くないうちにまた別の動きがあるだろう…」

すでに特異点に遭遇してしまった…ということか
特異点である彰が奴らと会うことにどういう意味があるのかは知らんが、奴等にとって有利に働くと言うことはないだろう…それならばもっと早い時点で遭遇しているはずだ

【シェゾ】
「予定を早めざるを得ない理由が向こうにできたってわけか」
【彰】
「さあな、その実特異点はどうでもいいことだったりしてな?」
【サタン】
「いや、それはないだろう…奴等はお前のことを特異点と呼んだ、つまり特異点であるお前という存在を知っており、かつ一切の接触をもとうとしなかった、この二点だけでも特異点という存在がいては困る理由が奴等にあると考えるには十分だろう」

…たった二つで十分と言えるのかどうかは怪しいが、少なくとも特異点という単語で彰を呼んだという時点で彰がいる事で何らかの不利益があると見ていいだろう

【彰】
「まあ、少なくとも、ここに奴等に繋がるものは何もなかった…ということだけがはっきりしたな」
【ルルー】
「じゃあ、ここは放置していてもいいのかしら?」
【彰】
「まあ、このままでいても問題にはならない、浮いていることは確かだが、それでもしっかりと利益は出ている、経営にも何もやましいことはない、潰れることも無いだろうし、もしかしたらこのまま発展していけば大陸の方にも流れるかもしれないが…今から何年掛かることやら」

そう言って肩をすくめると

【彰】
「ま、これ以上ここにいても何もないしな、俺は先に戻って素振りでもしておく、じゃあな」

そう言ってひらひらと手を振りながらその場を去っていく

【シェゾ】
「さて…中に入るか」

当初の目的を忘れる前に言っておく、このままの流れでは中にも入らずに移動するところだ

【サタン】
「そうだな…何もないとはしても少しは暇つぶしにもなるだろう」

さて…ここの内部を把握しているのはどうやら俺とウィッチだけのようだ…仕方がない

【シェゾ】
「もう一度だけ言っておいてやる、迷いたくなければ必死でついて来い」

この内部は人が多い、迂闊にはぐれればもう一度合流するのは困難だろう
勝手に動き回るだろうアルルやルルーには先に言っておかねば間違い無くはぐれるだろうからな…別にソレは奴らの自業自得ではあるがそうなれば大声で名前を呼ぶだろうからな…そんな恥さらしはごめんだ

【アルル】
「うわ~…」
【ルルー】
「凄い人ね…」
【ウィッチ】
「ですから、はぐれたく無ければ必死でついて来いと言ったのですわ」

…お前が言ったわけではないだろう…
つっこむのも面倒なのでこのままにしておくが

【シェゾ】
「お喋りは終わりだ、俺の見たいようにしか動くつもりは無い、迷いたくなければ必死でついて来い、間違ってもはぐれて俺の名を叫ぶような真似はするなよ」

これだけ念を押せば大丈夫だとは思うが何せ相手はあのアルルとルルーだ人の話を聞かないことでは右に出るものの無い二人なだけに不安は残るが…
まあ、これ以上言ってもくどいだけだ、流石に人の多さも見たことだし、これではぐれるような行動は控えてもらえるだろう…

【シェゾ】
「まずは書店か…」

このデパートの中では俺やウィッチはほとんど書店にしか行かない、買い食いなどあまりする気はない、こんな店で売ってるものを食うぐらいならエスペリアに言って作らせたほうが手間も少なくて美味いからな

【シェゾ】
「特に問題は無くいけそうだな…多いとはいっても通れないほどではない」

勝手に離れなければ…という注意はつくが…いう必要はないだろう

【シェゾ】
「行くぞ」

何とかはぐれずに本屋につく

【シェゾ】
「確か…魔導書のコーナーは…ここか」

俺は一通り立ち読みもしているが割合ここの魔導書コーナーはそこそこに役立つものもある、特にアルルなんかは覚えていてもらわねば困る
この世界では多少はマナが使えなければ戦闘に参加してもただの足手まといだ、俺やウィッチ、サタンはすでにある程度マナの扱いを覚えている
…だが、やはりある程度はこの世界の魔法も使えるにこしたことはない、特にマナ関係は彰やサタン曰く実は俺達の世界でも使えるようなのでサポートスキルにも応用の幅が利く

【シェゾ】
「さて…」

一通り目を通すとそのままレジに持っていく、たまには買ってもいいだろう、向こうに戻った時にも役立つかも知れん

そして、夜を迎える

【シェゾ】
「お前らにとっては初の実戦だからな、前に出るなよ、足手まといになるだけだ」
【彰】
「珍しいな、シェゾが注意してやるなんて」

確かにらしくないとは思うが言われるとさすがに腹が立つ、とはいえ反論するのもばかげているので何も言わない

【彰】
「まあ、邪魔にならない程度に最初は見てるだけでもかまわん、戦力は十分過ぎるほどだからな」

そう言うと、いきなり構える彰、俺達はもう慣れたが二人は流石に動揺している
敵は以前と同じ混成部隊…用は有象無象の集まりだ

【シェゾ】
「マナよ、闇の魔導師たる我が命ずる、闇の波動となりて、我が敵を撃ちぬけ!アレイアード!」
【ウィッチ】
「マナよ、我が命に従え、流星となりて、我が敵に降り注げ!メテオ!」

俺とウィッチ、二人の術が一気に敵を削る
彰は構えてこそいるが、踏み込むつもりはまだないようだ

【アルル】
「えいっ!アイスストーム!」

だが

【アルル】
「ええ!?全然効いてない!?」
【シェゾ】
「馬鹿が、この世界では俺達の魔法はそのままでは効き目が薄い、マナを使いアレンジしなければ奴等に有効打は与えられんぞ」
【アルル】
「それじゃあ…ばよえ~ん!」

敵のうち一部は動きが止まる…なるほどな、サポート系の術であればマナを使わずとも効果を発揮するか…
だが、通用していないものの方が圧倒的に多い、コレは単に元々その手の術が効かないからだろう

【彰】
「上出来だ…ふっ!」

一瞬で敵陣のど真ん中に突撃する彰…ああ、あのタキオスとかいう突撃馬鹿は今回別方面に向かったからな…
通りで最初から突撃しないわけだ…

【シェゾ】
「マナよ、闇の魔導師たる我が命ずる、雷となりて我が敵を打ち砕け!サンダーストーム!」

援護はしてやるか…

【サタン】
「マナよ、魔界の貴公子たる我に従え、今ここに我が裁きをくださん!カイザージャッジメント!」

サタンの術で突破口が開けたのか

【ルルー】
「行くわよ!女王乱舞!」

そういえば、俺達の世界にも突撃馬鹿が一人いたのを忘れていた

【シェゾ】
「さて…術ばかりでも埒が明かんか、闇の剣よ…切り裂け!」

俺も前に出て直接攻撃に移る
最も、すでに過半数は消滅している以上遊んでいてもいいのだろうが、思ったよりもいい経験値稼ぎになるからな…

数分で奴等は消滅した

【彰】
「…向こうもあらかた片付いたか…今回はドンパチだけだな」
【シェゾ】
「だが、向こうもそろそろ手駒がなくなってきた頃だろう、それに、こいつらが参加したばかりで状況がすぐに動くと言うのも何か腹立たしいからな」
【アルル】
「う~…シェゾのくせに…」
【彰】
「しかしな、お前らよりもシェゾのほうが何倍も働いているのは事実なんだよ、これが」

肩をすくめてそういう彰

【サタン】
「実際、こちらに来てから遊んでばかりだったアルルやルルーとは違い、真っ先に帰還のための捜査を開始したのはシェゾだったからな」
【彰】
「ああ、サタンよりも早かったんじゃないか?サタンはあの世界から離れていることに動揺してしばらく使い物にならなかったからな、それに比べ立ち直りが一番早かったのはアルル、一番冷静に動いていたのがシェゾといったところか」

立ち直りが早かったくせにまるで働こうとせず、遊んでばかりいたんだからな…

【シェゾ】
「ふ、まあいい、キサマラには役立たず及び無能者の称号をくれてやる」
【ルルー】
「何ですって!?アルルはともかく、わたくしのどこが無能だと言うの!?」
【アルル】
「役立たずじゃないよ!」
【彰】
「いや、つい先日までの状況を振り返ってみろ、反論できんだろうが」
【ルルー】
「うっ…」
【アルル】
「確かに、遊んでばかりいたもんね…」
【シェゾ】
「さっさと戻るぞ、彰、ウィッチ、サタン、役立たず及び無能者二人」
【彰】
「そうだな…今日はこれ以上は不要だろう」
【サタン】
「撤収するか」
【ウィッチ】
「そうですわね」
【役立たず及び無能者二人】
「「…」」

しかし、この二人の実力はそれなりのものだ、何より俺はアルルに一度とはいえ殺されているのだからな…
いまさらこの二人から魔導力を奪おうなどとは思わん、最も、ルルー自信は魔導力などほとんどないからな、奪いようも無いが
アルルの魔導力を奪うつもりももう無い、確かに奴の潜在魔導力は相当なものだ、しかし、今にして思えばあれだけの魔導力を今の俺にいきなり上乗せすれば順応しきれず暴発するだろうからな…
他人から奪うのは確かに楽だ、そのほうが闇の魔導師としてもらしいだろう、しかし、それだけで足りるとは思わん、自分の器にあった方法を選ぶ、魔導師としてはこれが一番相応しい
これからも人から奪うのを辞めるつもりは無い、魔導師から引退し不要となった魔導力を抱えるものも少なくない、そういったものから奪い、ソレを我が物として完全に操れるように訓練する、どうやら、俺にはこれが一番性に合っているらしい
これもこの世界に来たからこそ気づけたことか…そう考えれば悪いことでもないな、こういう経験も…

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