第十五章

ウィニ視点の予定でしたが…ドラ視点になりました

ちなみにわりと重要な話がちらほらと
なんか無駄に長くなった気もしますが…

大体この話は重要な部分が3割ぐらいあります
サタンの台詞はこの作品の核心部分でもありますが…



         第15章/彼の視点(ドライゼル)

【ドライゼル】
「…朝か…」

そう呟くと俺は体を起こした
ここの部屋にも大分慣れたからか、最近はここに来たばかりの頃に比べると起きるのが遅くなったような気がする…

【カスト】
「ZZZ…」

兄弟だから、と同室のカストはまだ寝息を立てている…まあ、この家は家主の問題もあってか朝が遅いから特に言うことはないかな…他の人も半分以上はまだ寝てるみたいだし

【ドライゼル】
「俺は食堂に行っておくか…」

食堂ではすでにスピリットや一部女性陣なんかが食事を作っていて何人かはソレを食べている

【光陰】
「お、相変わらず早いな!ドライゼル」
【ドライゼル】
「光陰さんも」
【光陰】
「俺のは慣れみたいなもんだしな…」
【ドライゼル】
「俺もですよ」

そんな会話をしながらスピリット…エスペリアさんが運んできてくれた朝食を食べる…
やっぱりスピリットの作る食事…特にエスペリアさんの料理は美味しい…悔しいけど俺じゃ敵わないな…

【彰】
「…おはよう、早いな、お前ら」

長髪を手でぐしゃぐしゃとかきながらこの家の家主、彰さんが食堂に顔を出した

【光陰】
「珍しく早いじゃないか、どうした?」
【彰】
「ふわあ…実際にはまだ半分以上寝てやがるけどな…ふわああああ」

もう一つ長いあくびをする、本当に眠そうだ…

【彰】
「あ~、くそ…中途半端な時間に寝たのがまずかったな…くぁ~…少し水浴びてくるか…」

そう言うと風呂場のほうに向かう

【光陰】
「やれやれ…ま、あいつは元々朝が遅いからな…」
【ドライゼル】
「そういえば…彰さんとの付き合いって長いんですか?」
【光陰】
「まあな、大体もう百年は軽く超えてるよ…といってもその百年間あいつと俺たちが会うことは無かったんだけどな」
【ドライゼル】
「え?」
【光陰】
「俺達は奴の血によって老化が止まった、だが、あいつはその後別の世界に行かねばならず、そのまま会うことも無いままに百年以上が経過したんだよ…まあ、俺や今日子はあいつには大きな借りがある、だからあいつのことを忘れることは無かったけどな、スピリットたちともよくあいつのことは話したもんだ…まあ、あいつ自身は俺達のことを最初忘れていたらしいけどな」
【彰】
「正確には気配が思い出せなかっただけだ、顔と名前ぐらいは一致していた」

不機嫌そうな表情で彰さんが戻ってきた、まだ軽く髪がぬれている…どうやら頭から水をかぶっただけみたいだ

【光陰】
「その割には結局神剣世界はほとんど訪れていないじゃないか」
【彰】
「…それについては悪かったよ、ただ、あの世界への干渉は俺でも容易ではない、ましてや、忘却の担い手となるまで俺は永遠神剣を担っていたわけでもない、そんな状態であの世界に干渉するつもりなど起きなかった、それだけだ」
【光陰】
「ま、確かに、永遠神剣もって無ければわざわざあそこに行く意味も無いのか」

…ついていけない…永遠神剣とか神剣世界とかは俺にはついていけない…

【彰】
「まあ、そんなことはどうでもいいにして、これからどうするかだな、とりあえず当面は昌霊世界出身者の訓練に重点を置きつつ、可能な限り他の世界の人間を元の世界に返すべく動くしかない」
【光陰】
「そうだな…」
【シェゾ】
「…問題は何故俺たちがこの世界に送られてきたかだろう…それが解らんことには戻りようも無い、それが今のところサタンと俺の共通意見だ」

シェゾさんも降りてきた、この人も朝が早いけど、アルルとか魔導世界出身の人間が言うには元々はそういう人間じゃないらしくこの世界に来てから規則正しくなったって言う話だ…ちなみに魔導世界の人たちは基本的に朝が遅い、アルルとかカーバンクルは昼まで寝てることも珍しくないし

【彰】
「そっちも調べてはいるんだがな、いかんせん人手が足りんのが現状だ」
【光陰】
「両方同時には無理だからな…特にその手の調査が出来るやつが今この館にはほとんどいないって言う状態だしな」
【彰】
「原因調査は諦めて…というわけにも行かず、かといってどう調べればいいのかも解らない手詰まり状態だからなあ…」

そう言うと頭を抱える彰さん

【サタン】
「しかし、この世界にもずいぶんと馴染んできてしまったな、概ねどの人間もここでの生活に不満は無いだろう」
【シェゾ】
「生活にはな…だが元の世界に戻れないのであればどのみち問題だろう」
【ドライゼル】
「そうですよね…」
【彰】
「今日は俺は外回りで調査でもしてくるか…もう転送されてくる人間はいないとは思うが何かしら異変が見つかるかもしれないからな…」

そう言うと忘却を手に持って立ち上がる彰さん

【彰】
「さて…ファーレーン、行くぞ」
【ファーレーン】
「解りました」

あ、今日はファーレーンさんだけなんだ

【光陰】
「じゃあ、ニムは留守番か?」
【彰】
「…昌霊世界の人間の訓練相手は必要だろう、特に昌霊術師の訓練には彼女は必須だ、剣術の訓練ならばウルカやセリア、お前や悠人がつけば十分だろう」
【シェゾ】
「俺は別に行動させてもらう、ウィッチあたりでも連れて行くか」

なんだかんだで行動開始するみたいだ…まだ寝てる人が多いのに

【彰】
「というわけで、訓練は頼んだぞ、セリア、ウルカ」
【セリア】
「解りました」
【ウルカ】
「承知」

俺も少し手合わせしたいんだけど…なかなかいい練習相手がいないんだよなあ…
スピリットに格闘家はいないし(永遠神剣にも爪型のものやグローブのようなものもあるらしいんだけど、残念ながらここにはいないし…)
あ、ルルーあたりに頼んでみてもいいかな?

【雨龍】
「おはよ~…あれ?兄様でかけるの?」
【彰】
「誰が兄様だ、ソレはどこぞの世界の七夜彰とか言う奴だろうが…」

疲れたようにため息をつくとそのまま手を振って出て行く

【ドライゼル】
「ええと…俺はどうしようかな…」
【ウルカ】
「自己鍛錬を行うのであれば光陰殿に頼んでみては?」
【光陰】
「俺かよ!?ってもまあ…確かにオーラフォトン使えて体術もある程度こなせるって言ったら俺か彰しかいなけどな」
【ドライゼル】
「お願いできますか?」
【光陰】
「まあ、任せろ、ただしあまり期待するなよ?こっちも神剣使って長いからな、徒手空拳なんかずいぶんと久しぶりだ」

結構時間がたったからか他の人たちももう朝食を済ませていたり今食べていたり、すでに行動を開始してここにいない彰さんやシェゾさんなんかを除けばこの館の人は全員食堂に集まってきたみたいだ

【光陰】
「じゃ、他の連中の開始に合わせるとしようぜ、それまでは武器の手入れなり精神集中なりまったく関係ないことするなり好きにしていればいいさ」

そう言うと光陰さんは庭に向かった

【ウィニ】
「ドラs~早く飯を頼む」
【ドライゼル】
「ええ!?俺ですか!?」
【エスペリア】
「もう作ってありますから大丈夫ですよ、はい、ウィニーグさん」
【ウィニ】
「ああ、そういえばスピリットたちが食事は全て作ってくれるんだったな」
【悠人】
「ウィニーグ…忘れてたのか?」
【ウィニ】
「ああ、すっかり…久しぶりに向こうでの夢なんか見たせいかな?」
【弐式】
「向こう?」
【ウィニ】
「ああ、昌霊世界…って言ってたか?まだ彰sが外の世界から来た人間だって知らなかった頃の夢だった」
【陸】
「懐かしいな…そういえば、七夜月も結局雨龍に丸投げしたんだよな」
【雨龍】
「そうだね~…無責任にも程があるよ、しかも生きていたのはいいけどほとんどこっちに戻ってこないんだもん」
【ウィニ】
「そういや…彰sの世界って何世界なんだろうな?こっちの彰sは第三世界だって言ってたけど」
【ドライゼル】
「さあ?でも、十の平行世界とかそう言う概念はこっちの彰さんが話してくれるまで知りませんでしたからね…」
【カスト】
「そう言えばそうだった…彰さん結局肝心なことは言ってないような…」
【シェイス】
「彰もあの一軒以降昌霊世界を訪れる回数が極端に減ったからな…」
【サタン】
「いや…おそらくは彼もいくつもの世界を守るべく動いているからだろう」
【ヒミカ】
「そうだね…私達が会うときはいつも傷だらけで倒れていたし」
【ウィニ】
「いつもか!?あの彰sが!?」
【ドライゼル】
「…俺達の中でも五指に入ってたはずなのに…」
【シェイス】
「ああ…それだけ過酷な仕事に身をおいていたということか…」
【サタン】
「元々平行世界を渡るものには二種類の人間以外は滅多にいない、他の平行世界へと積極的に干渉しその世界を自分たちに都合のいいように変えようとするものか」
【シェイス】
「平行世界への介入を良しとせずその妨げとなるもの、というところか?」
【サタン】
「その通りだ、まあ、あの彰のようにそのどちらにもつかず干渉せずただ旅をして渡り歩く、というものもいるが…あいつもなんだかんだ言いつつ後者として動いていることもある、おそらくはお前達の言う七夜彰という人間もそうなのだろう」
【ウィニ】
「…彰sの事で思い出したんだが…これ、どうする?」

そう言ってウィニーグさんが取り出したのは

【シメオン】
「バスタードソード…?あ!」
【ドライゼル】
「それって…彰さんのですか!?」
【ウィニ】
「ああ、ほれ」

そう言って少し柄を握る手に力を込めると刀身から炎が噴出す

【ウィニ】
「手入れだけはしっかりしてたんだが俺はコイツがあるからな、こんな状況だ、どうせなら誰かが使ってもいいんじゃないか?」

確かに…あのバスタードソードはそこらの剣とは比べ物にならないほど強力だからなあ…

【シメオン】
「だったら、私が使わせてもらってもいいかな?…そのバスタードソード、これよりも強力だし、ここ最近は赤マナの訓練もしてるからそれなりに使えると思う」
【ヒミカ】
「そういうことなら問題無いね、それなら、シメオンの訓練は私が付けたげるよ」
【シメオン】
「お願いします」

さて…そろそろ光陰さんに訓練を付けてもらいに行くかな

【光陰】
「来たか…ま、お互い怪我しない程度に気楽に行こうぜ」

そう言って構える光陰さん、気楽に…とは言ってもあんまり手加減はしてくれそうにないなあ…

【光陰】
「ふっ!はあっ!」

足払いからの顎狙いの掌底!
ジャンプでかわそうとすると追撃でかえって痛い思いをするから足払いは踏ん張る
掌底は状態をのけぞらせて回避し、そのままバク転で間合いを開ける

【光陰】
「やっぱ格闘家相手に生半可な攻撃じゃ通用しないか」
【ドライゼル】
「結構場慣れしてますね…」
【光陰】
「ま、喧嘩なれってところだな」

そう言うとわき腹狙いのミドルキック!
左肘と膝で受け止めると今度はこっちから反撃に移る!

【ドライゼル】
「獅子…戦吼!」

気とオーラ、この両方が混ざり合った俺の攻撃をオーラフォトンと気合で防ぎきる光陰さん…気合で防ぐって…

【光陰】
「気…だったか、思ったよりも強力なんだな」
【ドライゼル】
「一歩も動かずに防ぎきってから言う言葉でもないと思うんですけど…」

そういいつつ、再び気を練り直す…今度はもっと密度を上げて、直接打ち込むように…

それから十分以上、俺は光陰さんに稽古をつけてもらっていた

【光陰】
「まあ、これくらいでいいだろう…俺は他の連中の訓練の相手もしなきゃいかんしな」
【ドライゼル】
「ありがとうございました…!」

疲れた…しかもここまで結局有効打はなし…光陰さんのバリアが硬いって言うのもあるけど、それだけ光陰さんが強いって言うことでもあるんだろう…
あれで格闘家じゃないって言うんだから不思議だ

【ドライゼル】
「さて…」

すでに向こうでは昌霊世界の人達も訓練を開始している

【ウィニ】
「ふっ!はああああ!」
【シェイス】
「おおおおお!」

この二人はもうすでにオーラフォトンをうまく使えるようになっている…俺も少しなら使えるけどまだまだサポートスキルに応用できるところまではいってない…
この二人は簡単なサポートスキルであれば使えるし…

【シメオン】
「…そういえば…なんでこのバスタードソード…昌霊がいないはずのこの世界でも炎が出てるんだろう…」
【ヒミカ】
「そんなこと気にしてるよりもまずは動く!」
【シメオン】
「はい!」
【セリア】
「メーガスさん、行きますよ!」
【メーガス】
「うう…シメちゃんが向こういったからセリアさんとタイマンだよ…」

剣士のほうも頑張ってる…そういえばカストはどこ行った?

【ドライゼル】
「カストは…ああ、いた」

向こうの方でヘリオンに一方的に攻撃されてる
防御の訓練…って言うわけでもないみたいだ

【ヘリオン】
「まだまだ行きますよ!カストさん!」
【カスト】
「了解です…!」

でも、一応全部いなしてはいる…多分ある程度以上は手加減してくれてるんだろうけど…ああいう訓練のかたちもあるって言うことなのかな…?

そして…夜になった

【彰】
「…なるほどな…シメオンのソレはおそらく元々何かしらの炎に干渉しやすくなる因子を備えているのだろう、それがこの世界では赤マナに反応して炎を発している、というところだろうな」

彰さんも少し興味があるのかな?バスタードソードについて考察してる

【彰】
「…昌霊世界…か、少なからず興味はあるが…」

そう言って顎に手を当てながら考えるのが妙に様になってる

【彰】
「っと、来るぞ!」

そういうが早いか忘却を抜いて構える
俺も構えを取りオーラフォトンを拳に集める

【シェイス】
「マナよ、オーラへと変われ、我等に宿り、彼のものをなぎ払う力となれ!」
【彰】
「ここまで使えるか…」
【シェイス】
「パッション!」

確か…熱情のオーラ、攻撃力を高める代わりに防御力が低下してしまうサポートスキル…っていう風に説明されてる
コレは彰さんも何度か使ってる

【彰】
「さて…集えマナよ、我に従い業火となりて、敵を包み込め!オーラフォトンブレイク!」

早速妖怪がまとめてなぎ払われる
そういえば…ふと興味がわいたので後で聞いてみようかな?
そんなことを考えつつ俺も彰さんに続き妖怪に向かい駆け出す

【シメオン】
「はああ!」
【メーガス】
「さすが…あのバスタードソードだね…」

一撃で妖怪は灰になっていた

【ドライゼル】
「そういえば…あの彰さんも妖怪退治専門だったっけ…」
【ウィニーグ】
「あいつも元は退魔師だったって言ってたしな…最後にあった時は蛇麁正と行動してた」
【雨龍】
「そういえば、結局あの二人結婚したんだっけ?」
【彰】
「そういう駄話は後でやってくれ」

そういいつつも半数はすでに倒しただろう彰さん

【彰】
「あと…蛇麁正か…懐かしい名を聞いたな」
【ウィニーグ】
「なに!?知ってるのか!?」
【彰】
「第三世界にも大蛇麁正という組織は存在する…そこの頭首は…もう代替わりしたかな?俺がこっちに来た頃には20後半になっていたはずだ…」

言葉だけはこっちに向けてもそれ以外は妖怪退治に向かってる…凄い集中力だな…

【彰】
「これで終いだ!」

最後の一体を容易く両断する

【彰】
「そういや、さっき大蛇麁正とか言ってたが…昌霊世界にも存在するのか?」
【ウィニーグ】
「いや…あの蛇麁正は向こうの彰sの世界の…あれ第何世界なんだ?」
【ドライゼル】
「さあ…」
【ウィニーグ】
「ともかく、向こうの彰sの世界に存在しててな、何度かあったこともある…何度かあの世界を訪れたこともあるからな」
【彰】
「…昌霊世界の外の世界か…」
【ウィニーグ】
「ところで、そっちの蛇麁正ってのはどうなんだ?」
【彰】
「ああ、俺は先代の時に所属してたからな」
【一同】
「ええ!?」
【彰】
「…驚くことか?当代の蛇麁正は俺にとっては妹同然だったからな、当代に代が代わって八岐大蛇を再封印して俺は蛇麁正を止めて放蕩の旅に出たんだよ」
【シェイス】
「そうか…そちらの世界でもヤマタノオロチは現れたのか」
【彰】
「…ああ、最も、それほど強力ではなかったがな、滅ぼすことは出来ずある山の火口に封印したんだよ」
【ドライゼル】
「強力ではなかった?」
【彰】
「ああ、俺の世界での八岐大蛇はそれほど力を持っていなかった、幾つかの場所で首の一つ二つが覚醒し、それが集まってもとの姿にはなったものの分断されていた体を元に戻すために相当な力を使ったらしく、俺たちが奴と戦闘に入ったときやつは肥の河は有していたもののほとんど動くことも敵わず、四百四病などの強力な攻撃も使うことはなかったからな…ついでに言うと俺は世界を渡るようになって八岐大蛇とは四回ほど刃を交えているが、そのどれも大蛇麁正という組織とともに戦ってのものだった、その代の蛇麁正はいかつい爺さんだったり年端も行かぬ少女だったりかと思えば外見年齢は俺と大差ないような青年だったりと様々だったがな」

そう言うと肩をすくめる彰さん
…この人は本当にいろんな人生送ってるなあ…

【彰】
「さて…撤収するか」

彰さんがそう言ってこの日の戦闘は終了した
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