リレー小説

というわけで、宣言どおりに
酸化鉄には悪いと思うが言いだしっぺ権限で一回だけパスします
本来ならば半年経過時点でこの話はしておくべきだとは思ったのだが、やはり中々言い出せなかった結果だらだらと引き延ばしてしまいました
というわけで、すまないとは思うが酸化鉄は一回スルーさせてもらいます
次はシェイスに回しますので

ここで一応一つの制限を設けたいかと

半年以上次が上がらない場合は一回スルーして次の人が書くことにしましょう
そうしないと停滞し続けたままそんな企画あったっけ?という状態になってしまう可能性があり怖いので



             第四章/遭遇

「…ここら辺だったな…昨日感じた時空震は」
元々平行世界を渡るものとしての能力を持つ俺はそういったことに妙に敏感だ
昨日は取り急ぎ調べる余裕もなかったが今日は店を開く前にこっちに来ている
今の時間は大体午前5時だ
「ここらへんだったよな…!」
数人の気配を探知、その方向へ警戒は緩めないまま近づく、すでに狼牙に手は添えてある
気配を完全に遮断する、最も、俺と同レベルの気配探知能力があれば気づけるだろうが…
探知機能も周囲の自然の力を借りるなどして強化しておく
「…人数は四人…だが、一人はこちらに感づいているな…」
むこうからは動くつもりは無い様だが…さて
「とりあえず、近づいてみるか…直接接触せんことには敵か味方も判断できん」
気配を消すのはやめる、相手の態度も変わらないところからやはり気づいていたのだろう
警戒は緩めず、いつでも抜刀できるように左手は鍔にあてておく
「…向こうも似たような体制か…ま、そりゃそうだよな」
苦笑しつつ、斜面を下る、この先には湖がある、昔はとある伝説級の妖怪の住処となっていたが(正しくは封印されていたのが解けただけだが…)俺と水月の合体奥義で何とか倒すことに成功している
「…四人、で間違いないな…男二人女二人、一人が警戒している以外は睡眠中か…もう少し後に来るべきだったか正解か…しかし…あの格好…うちの世界とはかなり違うな…RPGとかでよくある服装だ…まあ、平行世界にゃ珍しくないが…」
その警戒している一人がこちらのほうを見るが、木の陰に隠れている俺を見つけることはできなかったようだ
「目はいいみたいだな、感覚も鋭い…さて…どう仕掛けるか」
他の人間を起こさないようにしているのは…少なくとも敵意はないと見ていいか
「まあ、こう着状態はよくない、こちらから出向くとするか!」
二度の跳躍でそいつの目の前に着地する
「!お前は…?」
「不破彰だ…とりあえず一つ聞く、お前等は俺にとって攻撃されるような目的があってここにいるのか否か、それだけ答えてもらおう」
「どちらかは解らないが、とりあえずこちらに攻撃意思はない」
「…信じよう、よかったら今から俺の家に来ないか?この世界のことについて必要なだけの情報はくれてやれるはずだ」
「!何故、俺たちが」
「平行世界、異世界の存在であると気づいたか?か?…俺はそういうことに敏感なんだよ」
説明や自己紹介は後でいい
「…解った」
とりあえず、眠っている他の連中を起こすと、俺の家に向かう
中に通す
「…とりあえず、自己紹介と休憩、どちらを優先する?いったん眠ってからある程度落ち着いたところで説明会か、それとも先に済ませて休息を取るか…俺は前者が望ましいんだが、他の家人や友人もできれば交えたいんでな」
「…解った、なら、少し休ませてもらう…」
俺の案内でそれぞれ適当な部屋に入ってもらった
「…寝るか、二時間も寝てないからな…」
一時間半の仮眠程度の後すぐに向かったからな…眠くてしょうがない
眼を覚ますと大体9時半、少し寝すぎたか…?
まあいい…
携帯で姫と啓吾を召喚し
「おはよう、郁美」
「…おはよう、ところで、四人ほど人が増えてない?」
「正解、後で紹介し会おうと言うことになってる」
「そう…」
「おはようございます、彰さん、郁美さん」
「よ、なんだ?話って」
「…起きたみたいだな、呼んでくる」
全員が揃ったあと、まずは俺から簡単に説明する
「コイツらは格好から見て解るだろうが平行世界の人間だ、で、しばらくうちで保護することにした、以上」
「…みじか!」
「名前も知らんしな、お互いの詳しいことは後で全員揃ってから、と言うことになってるんだよ、あ、啓吾、今日は店昼からな」
「…ソレはいいんだが…」
「とりあえず改めて自己紹介を、俺からだな、不破彰だ、主に雑貨屋「木漏れ日堂」の店主と退魔師をやってる、よろしくな」
「高崎郁美よ、木漏れ日堂の経理と退魔師をやってるわ、苗字で呼ばれるのは慣れてないから名前でよろしくね」
「え、と神楽優姫、です、木漏れ日堂の店員と退魔師を兼任させて貰ってます」
「あ、あだ名は姫だ、俺命名、よければそう呼んでやれ、俺達全員姫って呼んでるし」
「…赤星啓吾だ、木漏れ日堂の店員でこの中じゃ唯一夜の仕事はしていないな」
向こうの四人に自己紹介を促す
「シェイス・ハーバルトだ…よろしく頼む」
「クレイ・アステミックだよ、よろしくね」
「カイン・ファルクだ…しばらく厄介になる」
「ヴィオラ…ヴィオラ・フィーネです…」
「ま、よろしく頼む…で…参ったね」
「?」
「いや、服についてだ、シェイスとカインは体格的に俺と啓吾ので代用できるが…」
「…ああ、クレイさんとヴィオラさん?」
「郁美ので何とかクレイは大丈夫だろうが…問題はヴィオラだな…水月のでも合いそうにないし…」
あ…もしかして気にしてるんだろうか…少し言いたい放題に言いすぎたな…
「…買ってくるしかないな、水月のなら少しぐらいぶかぶかでも着れなくはないだろうし」
「そうね、少し待ってて」
「シェイスとカインは一応俺のでも試してみてくれ」
「じゃ、俺は今から服適当に何着か持ってくるな」
「ああ、頼む…姫はとりあえず朝食人数分頼む、俺は水月呼んでくる」
「あ、解りました」
「お前等は適当にくつろいでていいぞ、何なら道場使っててくれてかまわんから」
と言うと、一度木漏れ日堂に向かう
そして
「…シェイスは啓吾のでぎりぎりか、カインは啓吾のでちょうどいいんだな、身長も体格もほとんど同じか」
「クレイさんはそれなりに私ので見栄えいいわね…少し丈が短いけどそういう服装もないわけじゃないし…流石に今の時期ではお腹冷えるから新しいのすぐ新調しないと…」
で、ヴィオラ…
「くっ!」
「あはははははは!あいた!」
爆笑している水月の頭をはたく、まあ、軽く吹き出した俺にもいろいろあるが…
単純に言うと水月の服でもでかすぎる、しょうがないのである程度切りそろえてやる
「…何とか着ることはできるな、無地のでよかった…」
「…うう…」
身長と体格についての話題はタブーだな、コイツに対して
「…啓吾、水月、郁美、お前等だけで今日は店を頼む、俺と姫で、こいつらに服を見繕ってやらんと」
「あ、そうだね…それじゃ、お願いね」
「ああ…」
あいつ等が出て行った後
「ま、まずは外に出る前にこっちのことを話しておくべきか、世界に名はつけてないんでこの町の名でも、この町は鳴神(ナルカミ)という、言語は通じてるから問題無いな、剣の類はこの世界では不法所持は禁止されていて一般の日常で持ち歩くことは禁止されているから、とりあえずここで預かっておこう、俺は少々特殊な事情からこういった剣や刀なんかを所持することが許されている」
「…解った」
「郷に入りては郷に従え、という言葉がこちらの世界にはある、違う文化の中に入るときはその文化に合わせろ、という意味だ、後は…」
簡単な一般常識を教える、そして、俺は姫と共にこの四人に街を案内すべく外に出た
「ある程度文化は違うが店なんかは似た様なものなんだな…」
カインが呟く、そうかもしれないな
「あそこが喫茶店だ、店主は俺の知人である程度非常識なことでも動じずに聞いてくれるから頼りにできる人だと思っておけ」
「…そうか、いざとなったら頼ってみるさ」
「そうしろ、で、あそこが散髪屋、ま、行くことはないだろうけどな」
等と簡単に説明し
「で、ここが服屋だ、俺達も馴染みでな、ここも知り合いが経営してる」
しばらく買い物に付き合う、ここで大体性格がよく現れる
シェイスはどことなく啓吾と、カインはどことなく俺と似たような感じを受ける
そういう考えで言うならばクレイは水月にそっくりだ、ヴィオラは…他の三人にならば姫のような態度だが、俺達にはまだ警戒心が見え隠れしている…まあ、ソレはしょうがないことだろうな…むしろいきなりなれなれしく接している俺や水月、クレイは例外だ
最も、クレイも最初は俺達をさん付けしていたが、俺は敬称はやめてくれと頼んだので呼び捨てにされている、ヴィオラはさん付けで固定のようだ
そういうところはやはり姫とそっくりだな…
「…?」
「いや、ヴィオラも早く俺達に打ち解けてくれるといいなと思っただけだ」
「そうですね…彼女とはとても仲良くなれそうな気がするんですけどね」
「俺もそう思う」
さて、クレイの服選び(+彼女が口出ししていたヴィオラも)に相当時間がかかったが何とか満足がいったようだ
昼食は先ほどの喫茶店でとる
ここはマスターがうちの退魔組織、七夜月の構成員で忙しい時期以外はこっちに専念している、他の従業員も二、三人はそうだ
「お、今日は昼食かい?しかも団体さんで」
「まあいいだろ」
「うちは儲かるんでいいんですけどね」
テーブルに着く、この店は最大で八人用のテーブルがあるのでこういったときには助かっている
「そういえば、昨日の夜異形のものに襲われたんだが…」
「…妖怪でしょうか?」
「妖怪?」
「この世界における魑魅魍魎、妖怪変化のことさ…ってもわかりにくいか…簡単に説明するか?」
「ああ、頼む」
その前に注文を済ませる
「妖怪ってのは大まかに分けて、二種類に分けられる、さらに二種類だな、まず、何かしらの怨念や負の想念が集まり妖怪化する場合、自我の薄い動物や器物に憑依し妖怪化する場合だ、もう一つは長い年月を経て自然に妖怪化する場合だ、こちらの世界には器物百年を得れば霊を得る、という言葉がある、道具でも百年使い続ければ命を持つ、という意味だが、百年もの時がたてば周囲に溢れる霊力、使ってきたものの想いなどが蓄積され妖怪化することもある、他にも動物も百年近く生き続ければ妖怪化する、そして、動物の妖怪は変化と、道具の妖怪は器物怪、または九十九神と呼ばれる」
「おそらくはその妖怪…ですね…霊に近い感じがしましたから」
「…ヴィオラはこの中じゃ一番俺たちに近いな、向こうじゃ霊媒師だったそうだし、なるほど、頷ける」
「妖怪を倒す条件ってなんなの?デュナミスでもないみたいだし…スーさんが倒せて私はほとんど傷つけられなかったし」
「…ああ、お前等の世界で術を行使する資質だったか…こっちで言う魔力みたいなものか、それとは違い、霊力というものに左右される、お前の武器は石剣だったな?」
「うん、弾き飛ばす程度は出来たけど」
「霊力は資質云々関係なく誰でも持つが、お前等の中での順位は…ヴィオラ、カイン、シェイス、クレイだな、ま、この総量は術などを行使しない限り意味はない、で、何でお前がシェイスより効率が悪かったか、だが」
「うん」
そこで一度間をおく、ちょうど料理が運ばれてくる
「お待ちどう様、ごゆっくり」

「単純に武器の差だ、鉄は金属の中でも霊力を通しやすいんだ、その代わり木や石は霊力を通しにくい、ある程度霊力で覆うなどでカバーできるがな」
「彰さんだけです、それができるの」
「ねね!僕でもできるかな!?」
「…どうだろうな?一度使えば後は持続式だから燃費は悪かないんだが…それなら俺が一度かけて渡したほうがよっぽど早いだろうし」
「…そうだね…」
「まあ、少しづつ手ほどきはしてもいいが…俺ぐらいの技術があってようやくのものだしなあ…」
もともと霊力の消費が高い、俺の能力の特徴として能力は高いが消費も相当高い能力しか使えないという欠点がある
だからこそ剣術に傾倒した戦法が得意にもなったわけだが…
俺は日本刀と格闘術に関しては自信がある、だが、魔術の類は強力だが消費のでかい術しか使えないという欠点を持っている
「さて…ごちそうさま」
「はや!?」
「昼はいつもこんな感じだぞ、俺は」
「学生時代からそうですよね…」
「で、隆弘、今日の巡回はお前の隊だからな」
いきなりマスターに話を振る
「解ってるよ…頭首」
「で、喰い終わったらまだ少し回るぞ、後で木漏れ日堂にも顔出すし」
「ああ、解った」
そして
「いらっしゃい、って、お前等か」
「…啓吾、今日泊まりでうちに来い、久しぶりに打ち合いやるぞ」
「…解った、いつもの装備でいいんだな?」
「ああ、木刀でいい、こいつらにあわせたの今から作ってもらうから」
「それが用件か」
合点がいったという顔で頷くシェイス
「ああ、ま、ついでにうちの職場を見せておこうと思ってな、うちは小隊四つで運用される組織だしな、俺達は零番隊、さっきの喫茶店は弐番隊の副業、ほかに壱番隊と参番隊がいるが、そっちはそっちでまた別に副業もってる」
まあ、全員合わせても20人程度の小さい組織だが、その一個小隊だけで総本山の退魔師十数人に匹敵する
まあ…今の総本山の戦力が弱すぎるせいもあるのだが…
「で、とりあえず、井関さんとこ行くか」
「誰だ?そいつ」
「誰ですか?その人」

「あ、姫はあったこともないっけ…俺たちがよく世話になってる刀鍛冶の人だ、木刀なんかも都合してくれるし、俺や郁美の武器の砥ぎもたまに頼んでる人だよ、名前ぐらいは姫には話したことあるはずなんだが…忘れてたか」
まあ…正直井関さんに世話になることが多いのはむしろ俺と啓吾だ、郁美も何度か砥ぎを頼んだくらいで、実際木刀なんかの調達は俺と啓吾だけだな
「ということで、一応案内しよう、あの人ならある程度はどんな武器でも大して聞かずに研いでくれるよ、シェイスやカイン、クレイはこっちにいる間世話になるかもしれないから覚えておくといい」
「そうか…まあ、まずは会ってからだがな…」
「ま、いい人だよ」
そして
「どうも、お久しぶりです」
「彰か…今日はなんだ?また木刀が折れたか?そこにある奴はお前さん用のだが」
「いえ、今日はこいつら用のを見繕ってほしいと」
「ふむ…青年、名は何という?」
「シェイス、シェイス・ハーバルト」
「カイン・ファルク」
「クレイ・アステミックです」
「ふむ…三人ともそれなりに使うようだな…手を見せてもらえるか?」
「あ、はい」
「ふむ…いい手だ…コレならば…」
この人は木刀を作るにも訓練用の模造刀を作るにも全て相手の手を見て作る…コレが一番その相手にあったものを作るのに最適なのだそうだ
そして、一時間後
「大体、つかめた、あと一時間もあれば仕上がるだろう」
「解りました、お願いしますね」
外に出る
「よかったな、井関さんがああいうのは気に入った証拠だ、気にいらん相手には作らんこともあるしな、一時間だから…多分予備含みで一人三本だ」
仕事の速さには定評がある…というかあの人の製作速度は異常…俺でも切り出す以上一本あたり10分はかかるんだが…熟練の差か
「一本あたり五分で仕上げるからな…あの人」
そして、きっちり一時間後
「できている、できれば二三度、素振りしておくといい」
手を見ただけで作られた木刀だ、流石に不安もあるだろう…俺はもう信頼しているが
俺の時も井関さんは手を見るだけだった、それから先一度も俺の手を見たこともない、一度作った木刀は全て覚えているのだ
コレだけで、この人のすごさが解る
そして
「…すごいな…腕にしっくり来る…」
「握りが俺たちが普段使ってるものよりも安定してるんだ…」
「コレ、もしかしたらそのままツールになるかも…」
ずいぶんと好評だった
「で、お前さんのももっていけ、それとも、お前さんの刀でも研いでやろうか?」
「ああ、ありがたいんですが、まだそこまで使ってませんし、今の時期は素振りには前に作っていただいた特注使ってますからね…まだいいですよ、それに持ってきてませんし…次にきたときお願いします」
「解った…では、気をつけてな」
「…代金は?」
「後で一括、大体月の終わりごろの給料入るからそれで返してる」
まあ、正直俺の場合給料は郁美と協同して使ってるし、生活費差っぴいても二人分合わせればそれなりに額が残る…まあ、研ぎと木刀代とその他必要経費で一気に消えるが…まあ、そのほかは木漏れ日堂の儲けが使えるからさして問題にはならない
「さて…それじゃあ、俺は少し店に出てくる、お前らはうちの道場で木刀の慣らしでもしててくれ、実際に戦闘と同じように動くのと素振りとじゃ勝手が違うもんだからな」
「ああ…解った」
「姫は案内よろしくな、そういや道場の場所教えてなかったし」
「裏手に見えた大きい建物か?」
「ああ、まあ、不在時でも特に断りなく使ってもいいが、備品だけは壊すなよ」
「解った」
で、店番が終わり…啓吾が来たので晩飯前に終わらせることになった









           第五章/手合わせ

「それじゃ、始めようか!」
彰も今日受け取ったばかりの新品に持ち替えている、さりげなく啓吾も最近新調していたようだ、井関さんが彰の分をあらかじめ用意しておくわけだ…
「まずは自由に、と思ったが…まずは俺とカインで打ち合って見ていいか?」
「何故、俺?」
「なんとなくだ…それに、お前さんの武器、妖刀の類だろう?同じ妖刀使いとして興味がある…では回答にはならないか?」
「いや、十分だ」
そう言うと、カインも木刀を構える、すでにシェイスやクレイと打ち合った後なのだろう、ところどころに傷が見られるが、それで初めて自分にあった木刀といえる
そして
今回のルール、投げ・極めなしで蹴りがある彰と啓吾独自の「俺達ルール」でやることになった
「…始め!」
姫の合図で、即座に彰が地を蹴る
「!」
その一撃は、咄嗟に防げたものの、彰の速度と攻撃の正確さに翻弄され手を出せずにいるカイン
「…見えない…」
クレイが呟いた一言は決して恥ではないだろう…カインやシェイスも目で追ってはいない
「あれがいつものあいつだよ…例え見えても反応できたものじゃないさ、反応できるときはかえって見えないしな」
「でも…カインがあそこまで押されっぱなしなんて…」
実際、カインも打ち込もうとはして見せるがその時には間合いの外に移動しており、むしろ迂闊な踏み込みは隙を作るだけである
本当に殺しあうつもりであればこんな動きはしないが、こういった手合わせや打ち合いでは大抵彰はコレではじめる
そして、大体8分がそうして過ぎた頃
「!」
カインの首筋に、彰の木刀の切っ先が触れていた
「そこまで!」
「…参った…驚いたな…」
「はぁ…はぁ…まあ、速さを極めた、一つの形がコレだ、究極のヒット&アウェー…通称、瞬の剣」
「消費が大きすぎるけどね…次は私とクレイさんでいいかな?流石にクレイさんを相手に彰や啓吾君じゃいじめに見えるもの」
「…そうかもな」
男女云々以前に元々魔法剣士として魔法と剣を使うクレイは剣単一に磨きをかけている二人には敵わないのだ、彰も魔法は使えるがそれよりも先に剣を磨くことを優先しているため、両立できているとはいいがたい
むしろ、剣の腕だけで見れば元々の素質もあわせこの中では最上位に入る、ソレは今の戦いで実証されている
「まあ、俺とカインの休息も兼ねて、いいんじゃないのか?」
「それじゃ、クレイさん、お願いね」
「うん!郁美さんも、手加減はなしだからね」
郁美の持つ木製の薙刀もまた、実は井関さんが作ったものだ
特注品で五本程度しか数がない
「それじゃあ…始め!」
今度は彰の号令である
まずは郁美が先手を切る、彼女は術を行使できない、つまり薙刀に特化していると言えなくもないが、彼女の技は妖怪が相手で始めて本領が発揮される、そのため対人ではどうしても技が鈍るのだ
彰は啓吾との訓練が多いためアレンジをくわえることでソレを補っているが、郁美は滅多に打ち合いはしていないためそうなってしまう
大上段からの振り落としは後ろに跳んで避けるクレイだが、その体制のまま正面に飛ぶ郁美、下段からの切り上げに移行したその一撃は木刀で軌道を逸らし、今度はクレイから踏み込む!
「はああっ!」
柄で受け止めそのまま勢いを利用して投げようとする郁美だが、クレイもそれは許さない
「ほう…いい勝負してるな、二人とも」
そろそろ息も整ってきた彰が評価を下す
「ああ、高崎の動きがいいのは解ってたが、クレイもよく動くな」
「まあ、クレイはどっちかというと郁美の武器になれていないっていう感じだな、むしろ順応してからはクレイが押し始めると思うが…」
「その前に高崎が勝てると思うか?」
彰と啓吾だけで議論している、その間シェイスとカインもまた郁美とクレイの立場が入れ替わったかのような会話をしていた
そして
「でええやあああああっ!」
ガイン!という大きな音がした後、彰たちには聞きなれた破滅的な音が響いた
「そこまで!」
結果、両者武器損壊により続行不可能
「…うわ…見事に逝ったなあ」
「初日でここまで使えてるってのはすごいよ、クレイさん」
「あ、ありがとうございます」
「…さて、シェイス」
「ああ…始めるか」
構える彰とシェイス、次はこの二人で打ち合うようだ
「始め!」
啓吾の合図でほぼ同時に地を蹴る!
先ほどと同じく、超高速での戦闘が始まるが、今度の違いはシェイスのいなし方である
無理に反撃に移ろうとせず、かえって打ち込んでくる刃を弾き彰に隙を生み出そうとする、それに対し、会えてフェイントを打たせ本打を別軌道で叩き込もうとする彰
一進一退の攻防が続く
「…へえ、気づいたみたいだね、彼」
「なんだ?」
「彰との戦い方さ、ああやって高速で移動し続けるときに無理に打ち込もうとしても消費して隙ができるだけだ、ああやって最小限の消費で払っておけば先にばてるのは彰ってことだ」
「なるほど…といっても」
「ああ、それができるのはシェイスの技量だな、やろうと思ってもああは中々できないさ、俺でも難しいぐらいだからな」
その瞬間、彰の踏み込みが変わる
「!」
後ろに跳んだかと思うと、ほぼ抜刀術のような形で踏み込みながら切りつける
コレを防いだシェイスだが、その威力に一瞬怯む
「はああああぁっ!」
速度では勝てないと悟ると今度は本来の剛の剣で攻める彰、力押しのように見えるが、その一撃一撃はかなり重く受け止めるだけでも消耗を余儀なくされる
「くっ!」
シェイスからも反撃に移るが、木刀でことごとく弾かれる
「ふっ!」
さらに速度が加速するが、その分力は落ちる
「!そこだ!」
シェイスが一歩を踏み込み、一撃を入れようとするが、コレは木刀の腹で弾かれた
「もらった!」
ここまで彰は一度も踏み込みの速度と距離を変えておらず、踏み込みに右足だけを使うことを固定していた、速度に対する錯覚は、似たような速度で何度も繰り出されるとどれだけ訓練をつもうと反応できない場合がある、これがその例だった
つまり、今までと、半歩だけ踏み込みが浅かった攻撃に対し反射的にガードしてしまい、がら空きになったもう半歩分を左で踏み込む!
今まで右の踏み込みでしか対応してこなかったシェイスにはコレも響き、結果として彰が刃を突きつける形となるが
「…参った」
シェイスが負けを認める、お互いの木刀はもう使い物にならないほど磨耗していた
「さて…じゃ、啓吾とカイン、試してみろ」
「ああ、それじゃ始めるとしようか、カイン」
「ああ…」
啓吾は実は彰以上の剛剣である、まともに受けようとすれば木刀ごと腕を持っていかれる
「くっ!」
咄嗟にソレを判断したカインは軌道を逸らすだけにとどめ、反撃を狙う
速度重視の彰とは違い、速度を力でねじ伏せることを前提にした啓吾の剣は彰とは正反対といえる
そして、そういう使い手は、この中には啓吾しかいなかった
つまり、順応できないのだ、カインが
「くうっ!」
「いああっ!」
さらに、けり技などもありの俺達ルールである、ついでに言えば彰やシェイスも高速での戦闘時手数に蹴りは加えていた
「くっ!」
「…彰とは違う形で押されてるね~」
「…俺のは最初の十分が決めてだろうが、あいつは終始あれで飛ばしきれるからな…正直、まともにやり合ってる限りシェイスでも啓吾は手強いと思うぞ」
「…で、どう見る?」
「…啓吾が勝つね、俺のアレに耐え切れないようじゃ啓吾に勝てるはずもない」
言葉通りだった
再び破滅の音が響くがコレは啓吾が意図してカインの木刀を砕いた結果だ
そのため、啓吾の木刀は無事である
「…な、言ったろ」
「…そうだな」
啓吾の剛の剣がさらに進化していることに驚愕する彰であった
そして思う
(…俺、今啓吾に勝てるかね?)
戦績、大体五分五分
その後、続投で啓吾とシェイスが相対する
「あの二人の実力ならいい勝負になりそうだな…」
口元がにやける彰
「で、どう見る?」
カインが聞いてくるが
「さあな…お前らの世界ってあいつみたいな相手はいなかったのか?」
「…あそこまでの剛の剣は初めてだ」
「…まあ、俺の瞬の剣に対応すべく強化されてるからな、受けて見れば解るだろうが、速度で攻めようとしても簡単に防がれて弾き飛ばされるだけだ」
それと同じ状況が、今まさに起きていた
「くっ…さすが、彰の相手になってるだけあって早さでは勝てんか…」
「そういうことだな、どうする?」
剛の剣といいつつ、啓吾のソレは無理に力で強引に降るだけではない、ある程度の計算と共に振り下ろされるそれを防ぎきることが出来るものはおそらくいない
それでいうならば本来の薩摩示顕流にも通じるものがある
「はっ!」
「いりゃあっ!」
横薙ぎに振るわれた一撃は彰たちにまで聞こえるほどの風切り音を響かせる
ちなみに、普通にこのレベルの速度では郁美とクレイでは目で追えないぐらいの速度で木刀が動いてはいる
まともに見切れているのは彰とカインだけである
一度間合いを取りお互いの隙をうかがうシェイスと啓吾
「…ふー…」
「ふううぅぅ…」
互いに隙は見せない
「せっ!」
「いああ!!」
シェイスから踏み込みが啓吾が力でソレを制する
そのまま数合打ち合うと、今度は啓吾の木刀が軋みを上げ始める、最も、ソレはシェイスも同じだ…啓吾の力がそれほどであると同時、どれだけ啓吾が自身の木刀への負担を減らし相手の木刀への衝撃を強化しているかがよく解る
「…次あたりで逝くな…止める必要ないか」
言葉通りに、次の交差で破滅の音が響き、両者の木刀が半ばから砕けていた
「そこまで!」
結果、この打ちあいだけで、彰一本、啓吾一本、シェイス二本、カイン一本、郁美一本、クレイ一本の木刀が廃棄された
「…ガチの打ちあいはもうやらないようにするか…」
「そうだな…井関さんに怒られる」
まあ、あの人ならば笑顔で
「よくここまで一日で使ったものだ!」
とか言いつつ新調してくれるのだろうが
「それじゃ、飯食って寝るとしようか…!」
彰の号令で今日はもう終了ということになった


というわけでシェイスにパス
酸化鉄の現状が本当に解らないのでこういう結果となりました
最初の告知から十日たっても反応がない上、俺は彼のメールアドレス等の情報は知らないので連絡のとりようがないのですよ…
ああ、後途中参加でもいいので参加したいという方も募集中です、リレー小説やってみたいな~と思ってる方はどうぞご参加ください
ちなみに、今回かなりマニアックなネタを仕込んでいます
二つありますが、片方など本当に解る人で無ければわからないようなネタです
俺でも普通に見てるとネタだと気づけないぐらいマニアックかつ解りにくいので両方わかる人は正直凄いと思いますよ
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コメント

No title

受け取りましたー…が、PC壊れてて書き込むが出来ない始末に…
直るのは未定なので流してもらっても構わんです
一応話は考えておきますが

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七夜彰

Author:七夜彰
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