第四章

第四章です、今回はサブストーリー、まあ、サブタイ見れば解りますが
で、フラグ成立、あ~あ、やっちまった
今回はある意味このためだけの章



         第四章/平穏な日々(サブストーリー)

【彰】
「…」

眼を覚ます、結局、頭痛はおきなかった
まだ肩に頭を乗せて眠っているファーレーンやその膝枕で眠っているニムを起こす気もなかったので、再び目を閉じる
正直に言えば、この好意がくすぐったく感じることも多い
だが、一人でいるとそれがどれだけ幸せな事かもよく解ってくる
実際に、俺の戦いは一人きりのことが多い、あの世界での戦闘は正直に言えば異常の一つだ
それほどに、俺は誰かと係わり合いになるのを避けて行動してきた…
だが、こうして俺に全てを預けてくれるこいつらを見ると…それが間違いではないかと思えてくる…
いや…一人で戦うなんていう行為自体が間違いだと言うことは今までも感じてきた…だが、それでも戦えるだけの力が俺にはあるという自惚れがそうさせていた
その思いあがり自体が間違いだ…そう解っていても…俺は一人を選んでしまった
…理由は…わかっている
こいつらのような存在を作りたくない、俺の血を浴びれば殺されるまで生き続けてしまう…それに、そうならなくても、打ち解けて馴染んでも、向こうが先に死んでしまう…
だが…同じような存在が、そばにいて歩んでくれるならば、ソレはどれほど救いになるだろう…

【ファーレーン】
「…ん…」

軽く身じろぎし、体を起こすファーレーン

【彰】
「おはよう…ファーレーン」
【ファーレーン】
「彰さん…おはようございます」
【ニムントール】
「ん…」

ニムも眼を覚ましたようだが、まだファーレーンの膝枕から離れようとする様子はない
そこに近づいてくる気配三つ
コレは…

【彰】
「起きてたか…」
【悠人】
「まあな…しかし、仲いいな、お前ら」
【光陰】
「そうだな…正直、そこまで信頼されてるってのはうらやましい…俺なんかニムって呼ぼうとするだけで殴られるんだぞ」
【今日子】
「ソレは光陰が悪いんじゃないの?」
【彰】
「静かにしろ、ニムのことを考えろ」
【悠人】
「すまない…」

それから少しして、ようやくまともに覚醒するニム

【ファーレーン】
「おはよう、ニム」
【彰】
「おはよう」
【ニムントール】
「おはよう…おねえちゃん、彰…」

そこで他の三人にも気づく

【ニムントール】
「何で三人もいるの?」

…ああ、光陰にはまだ懐いてないからな…悠人はまだニムと呼んでも怒らない程度には打ち解けているが、今日子が呼ぶと睨みつける、光陰だともっと嫌がる
…変わってないな…

【彰】
「で、用件は?」
【光陰】
「朝食だ、エスペリアたちが準備してるから、さっさと集まってくれ」
【彰】
「ああ、解った」

結界を解除し、移動する
皆が集まっていた場所に行くとすでにスープのいい香りが漂っていた

【エスペリア】
「アキラ様、こちらを」
【アキラ】
「ウレーシェ、エスペリア」

なんとなく、聖ヨト語で返す
訳すと、ありがとう、エスペリアになる

【エスペリア】
「ふふ…シェサン」

どうぞ…だったかな?

【セリア】
「少し思い出してきてるみたいですね」
【アキラ】
「まあな…今のはなんとなく覚えてた単語で返してみただけだが」

まあ、完全に思い出せたとしても、そう使う機会はないだろうけどな…

【アキラ】
「…相変わらず…美味いな…」

材料なんかはあり合わせだろうが、彼女の料理の腕がソレを補って余りあるほどいい
俺も人並み以上には料理が出来るという自負があるが、だからこそエスペリアの腕が解る

【アキラ】
「エスペリア、また腕を上げたか?」
【エスペリア】
「そんなことはありませんよ…」

朝食もにぎやかに終わり、俺達は船着場についた

全員が船に乗り込む

【アキラ】
「ふう…」

俺はデッキに出て風を浴びていた
何人か同じようにしている奴もいる、その中から俺に近づいてくる三人

【彰】
「ファーレーン、ニム、ヘリオンか」
【ファーレーン】
「いい風ですね…」
【ニムントール】
「うん…」
【ヘリオン】
「気持ちいいですね!」
【彰】
「ああ…そうだな…」

これから向かう先にいる相手は今までのような魔物とは違い、妖怪と呼ばれている
俺が元々戦ってきた相手は妖怪のほうが多い分楽にはなるんだが…

【彰】
「向こうに戻るのは久しぶりだよ…」

少し遠くを見ながらそう言う
隣にいるファーレーンが身を寄せてくる

【彰】
「ファーレーン…」
【ファーレーン】
「少し、このままで…」
【彰】
「ああ…解った」

見てみると、悠人とアセリア、光陰と今日子も似たような格好をしている
むしろ、ファーレーンが真似たのだろう…
ただ、一つだけ違和感を感じていたことがあるので、この際だ、聞いておくか

【彰】
「ファーレーン…お前、そんなに自分の恋愛感情表に出してたっけ…?以前からそういう感情を持ってるだろうとは思ってたけど、ココまで露骨じゃなかっただろ」
【ファーレーン】
「…離れてる時間が長かったですから…少しでも、取り戻したいんです…」
【彰】
「…そうか…」

つい、肩に手を回してしまう
より密着する形となるが、彼女はソレを拒まず、むしろさらに体を寄せようとする

【ヘリオン】
「うう…見せ付けられてます…」
【ニムントール】
「おねえちゃん…嬉しそう…」

ヘリオンからの好意はもっと露骨だったからな…当人がどれだけ露骨に表していたか理解してないから気づかないふりをしてた俺が本当に気づいてないと思ってただろうな…

【彰】
「…なあ、これから先も、よかったら一緒に旅を続けないか?」
【ファーレーン】
「え!?」
【彰】
「…今はまだ答えはいらない、この戦いが終わった時にでも、答えは聞かせてもらうよ」

到着すると、俺達は俺の家に入る

【悠人】
「…ずいぶんとでかい家だな…」
【光陰】
「ていうか…ラキオスの城ぐらいのでかさがあるんじゃないか?」

驚くのも無理はない、この家、普通の宿泊施設並のでかさがあるのだ
こういう事態に備えて…といえば聞こえはいいが、実際のところは倒産した宿泊施設を買い取って改装しただけなのだ

【アキラ】
「…さて…スピリット隊及びエスペリア、俺の頼みたいことは解っているな?」
【エスペリア】
「お任せください」

すぐに全員が作業着に着替えてきた
そりゃ、数ヶ月以上ここには戻っていないのだ、清掃などは任せられる相手に任せたい
幸い、スピリット隊やエスペリアはそこらへんプロだからな、任せてもいいって言うのはありがたい
正直、こういう馬鹿でかい家を維持するには使用人の二三人は雇わねばならんぐらいだが、こいつらがいる間は不要だな

一時間かからずに綺麗になった家であった

【アキラ】
「…相変わらず凄いな…」

その後、女性陣に家を任せ、買出しに出る俺達
まあ、これから一月は住むことになりそうだし、いろいろ物品も必要だろう
適当な食材を結構購入する

【シェゾ】
「…重い…」
【光陰】
「我慢しろ…戻れば美味い飯が待ってるんだ…!」
【アキラ】
「…まあ、食事当番にあの二人が当たらなければ、な」

やはり、エスペリアやオルファがいるせいか、アセリアやウルカは自分が料理をする機会がほとんどなく、そのこともあり料理が下手なままだという
それでも、以前に比べればはるかに上達したらしく、食べても悶えないレベルにはなったようだ

【悠人】
「彰は、眉一つ動かさずに完食していた記憶があるが…?」
【アキラ】
「まあ…俺はああいうのに慣れてるからな…」

昔のあの二人の料理は…
アセリア、加減というものを知らない、とりあえず目に付いた調味料や材料を放り込んでいると思われる
ウルカ、材料を切る、量を測る、といったようなことをほとんどしていないことがよく解る
といったような経緯があり、俺は食えても悠人たちには相当なダメージとなっていた
まあ…あの二人は経験がなく始めて作ったということもあるのだが…
アセリアの場合は思いついたものを入れていた、ウルカの場合はそもそもまともな調理の経験がなかった、というのが理由だったわけだし、そこら辺は多少は改善されているが、相変わらず調味料のバランスが無茶苦茶なんだそうだ
そこら辺は経験かレシピに頼るしかないし、俺は経験に頼ってる
ちなみに、俺は大抵の毒には抵抗を持つため、平気な顔で食えたのだ
最も、それゆえに一度幻覚を見た茸類が全滅しているのだが、それ以外では基本的に好き嫌いはない、生理的に受け付けなくなった茸以外は基本的に何でも食える
まあ、あの二人のは、あまりにも混ざりすぎてて恐ろしく味が酷くなっていた、というものなので正直毒とか関係ない領域ではあるのだが

【アキラ】
「…まあ、何が来てもいいように考えとけばいい、覚悟を決めるのは…あの二人が厨房に立ったらだ」

ちなみに、今日子も結構酷い
味は結構いいのだが、見た目が非常に…なんというか…アレなのだ

そして

【彰】
「ふぅ…」

俺は部屋に戻り安堵のため息をついた
今日の食事はエスペリアを筆頭に料理の得意なオルファやヘリオンが担当するらしい
そういえば、魔導世界の連中は一人も参加していないが、ソレはそれ、あいつ等、カレーしか作らないし

【彰】
「さて…」

実際問題、自室にいてどうなるものでもない、ココでボケッとしているぐらいならば料理の手伝いでもするべきだろう、下ごしらえぐらいならば簡単に手伝えるし
何より、まともに話せるファーレーンやヘリオンなんかは料理組みに回ってる
それ以外のスピリットは訓練などに精を出している(当然ニムも)ため、話し相手がいない

【サタン】
「彰、いるか?」

魔導世界で唯一、俺の発音がカタカナじゃない男が俺に用事があるらしい

【彰】
「開いている、入ってくれ」
【サタン】
「失礼するぞ」

堂々と部屋の真ん中に座る

【彰】
「で、なんのようだ?」
【サタン】
「…暇なのだ」
【彰】
「は?」
【サタン】
「だから、暇なのだ…!アルルはいつの間にか遊びに出かけているし!ルルーもそれに付き合っている、シェゾとは元々ろくに話さない以上、私の話し相手がいないのだ!」
【彰】
「…で、俺か?」
【サタン】
「うむ…」

はあ…

【彰】
「ったく、どこぞの魔王様がわざわざ足を運ぶぐらいだからどれほどの大事の相談かと思えばそんな下らん…俺はエスペリアやファーレーンたちを手伝ってくる」
【サタン】
「おい!待て!?」
【彰】
「…ああ、そうだ、街の地図を貸してやる、アルルたちを探して晩飯までに連れて来い、以上」

命令すると、俺も厨房に入る

【エスペリア】
「アキラ様?」
【彰】
「俺も手伝おう、皮むきから鍋の管理まで何でも言ってくれ」
【ファーレーン】
「ですが…」
【彰】
「いいって、どうせ暇だったし…」
【ファーレーン】
「でしたら、スピリット隊の戦闘訓練を見てあげてください…ニムたちをお願いします」
【彰】
「心得た…まあ、そんなに俺が手伝うことなさそうだしな…」

苦笑しつつ、厨房を後にする
まあ、あいつ等なら任せておいていいかな…

庭に出ると、アセリアやウルカを教官に、ニムとヒミカ、セリアが訓練にいそしんでいた
エターナルも全員こっちにいるようだ
まったく、魔導世界の連中にもこの真剣さを見習って欲しい、いつもあいつ等は自分が当事者だという自覚が薄い…

【彰】
「久しぶりに一本、誰か相手をしてくれないか?」
【ウルカ】
「では…手前が相手を務めさせていただきましょう」

ウルカが立候補する、確かに、俺の戦法は高速での連続攻撃を得意とする部分も多い、ウルカやブラックスピリットたちの戦法に近いのは事実だし、ソレを理解したうえで立候補してくれたのだろう

【彰】
「ああ…それじゃ、頼むぜ、ウルカ」
【ウルカ】
「承知いたしました」

そう言うと、すぐさま抜刀の姿勢を取るウルカ
お互いに模造刀ではあるが、実際に刃がついていないというだけなので当たり所が悪ければ結構危ないのも事実だ
俺は抜き払い正眼に構える
唐竹からの横なぎ、さらにそこで蹴り飛ばすのが俺の得意とする連続攻撃だ

【彰】
「推して…」
【ウルカ】
「参ります!」

向こうから踏み込んでくる、ほとんど目に見えない速さでの抜刀術を繰り出すウルカに見てからの反応は遅すぎる、直感と経験で弾くための軌道を考える

【彰】
「せあっ!」
【ウルカ】
「はっ!」

ギィン!という音とともに、お互いの刃が軽く弾きあう
上に弾かれた俺は右手だけでもっていた柄に左手を添えて安定させるとそのまま振り下ろす!

【ウルカ】
「ひゅっ!」

だが、ソレは予想できる範囲内、切り返しは困難でも後ろに跳んで交わすぐらいは容易くやってのけるウルカ
再び鞘に納め抜刀の姿勢をとる
単純に言えば、速度はウルカに、一撃の重さは俺に分がある
ゆえに、硬直時間はウルカのほうが長く、かといって追撃をするにはウルカが早いのだ
俺が一本といった場合は術無し、投げあり、蹴りありで剣を弾かれるか組み伏せられるまで続くのが恒例だ

【ウルカ】
「月輪の太刀!」
【彰】
「!」

咄嗟に後ろに跳ぶと同時、右手に逆手に持ち左手で刃を持って初撃をいなすが、続く一撃に対しての反応が難しい
身をかがめ、軸足から小半径で正面に半円を描くように刃を振るう

【ウルカ】
「くっ!」

ギン!という音とともに飛びのくウルカ、何とかはじけたが、お互いにまた距離が開きそうになる
が、今度は俺から踏み込む!
即座に鞘に戻して高速で踏み込むとともに

【彰】
「せあっ!」
【ウルカ】
「くっ!」

こちらの抜刀術にあわせて防ごうとするが、速度と力が乗った俺の一撃に少し腕が麻痺している
この間合いは逃さん!

【彰】
「ぜええあっ!」

ウルカの剣が宙を舞う

【ウルカ】
「参りました…」
【彰】
「ふぅ…相変わらず早いな…」
【ウルカ】
「ですが、彰殿は以前にもまして速度が上がっておられます、手前でも反応し切れぬほどに」
【彰】
「結構、一人でいると力よりも技巧が求められるからね、速度の強化も結構多かったよ」

実際に、力押しよりも早い一撃の方が生存率を高める
力押しが通じるのはディフェンダーやサポーターがいてくれてようやくの部分も大きい
一体どれぐらいトラスケード付オーラフォトンバリアに依存したか…
それから抜け出せるように速度を強化し始めた頃に知り合ったのが魔導世界の連中だったわけだが…

【彰】
「さて…そろそろかな…どっちが早いか…」
【悠人】
「?」
【彰】
「魔導世界の連中がだれの同伴もつけずに出て行ったらしい…シェゾはついていったと思うが、道を覚えてるとは思えないし、地図持ってサタンが追いかけてるが、さて、戻ってくるのはいつになるやら」

そういいつつ、俺は家の中に戻り、厨房を覗いた
すでにほとんどの調理は終わったらしく、特に忙しく走り回っている様子もない
ソレを確認し、俺は部屋に戻った
後数分で夕食になるのだろうが…
間に合うかな?サタン達
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