第四章

ええと、こちら、実は中途半端に修正してるので解りづらいと思います…というか、原作をやらないと解りづらい部分がありますので補足

神咲一灯流

とらいあんぐるハート2,3に登場する退魔術の流派、彰は原作2の神咲薫(登場している、神咲那美の姉です)の技を使いますが、一部オリジナル技も登場します

御神流

こちらは結構最初から使用してますね、とらいあんぐるハート3に登場する、剣術流派です
いまだに殺人体術としての傾向が強い剣術で、上位の使い手にもなれば銃器を持った一個大隊を制圧できるとか…
正統と不破があり、不破の方がより殺人体術としての特性が強いとか…
とらいあんぐるハート3同様これの主人公も不破の使い手です、戦闘時に言う台詞の「御神不破流の前に立ったこと~」はOVA「とらいあんぐるハート sweet songs forever」にでてくる主人公、高町恭也の台詞ですww個人的に気に入ってるので

なお、一刀術はオリジナルです

       ~第四章~   とらいあんぐるハート

その後、数ヶ月は先の戦の被害がひどい場所に出向き、その復興に努めていたが
「彰!このようなものが届いていたぞ!」
「郵便物…差出人は…塔間六介!?」
早速、目を通す
「ふむ…少し出向くべきかも知れぬな…」
「どうした?」
「妖怪の出現が最近多くなってるそうだ、総本山も頑張っちゃあいるようだが…」
「総本山?」
「対妖怪の専門家、退魔師を束ねる者たちさ、一応は、俺も退魔師の経験がある」
向こうにいた当時、数ヶ月ほどだが
「そうか…行くのか?」
「こういう風に知らせを送ってきたことから察するに…相当やばいようだからな…」
「ならば、いつもの連中も連れて行け、無駄にはならんだろう、ただし」
「こちらの将であることは忘れるな、だろう?」
「それが解っているのならば問題はない、行って来い」
いつものメンバー=トウカ、オボロ、ドリィ、グラァである
「よう来たの…」
「呼んでおいて、それはないだろ…今の状況は?」
「時期が時期だけにのう…」
「そうか…もう夏だったな…」
「どういうことだ?」
「夏というのは、地脈、霊脈が活性化する時期なんだ…それは妖怪も同じでな」
「妖怪というのは霊脈や地脈に住み着く、だから、今の時期は多いのさ」
「あんたは?」
いつのまにか、数人が後ろに立っていた
「総本山に所属している、滝峰幹也だ、こちらは、今回協力を要請した人たちだよ」
「俺は…七夜彰だ」
「七夜?壊滅した退魔師の家系じゃ?」
そういえば…純血を重んじ、特殊な術は一切使わぬ、体術で妖怪を滅ぼす家系があったな
「生憎、そっちとは関係ねえよ」
「そうか…で、六介さんが呼んだってことは、あんたらが俺と一緒に来てくれるのか?」
「どこなんだ?行く先は?後、トゥスクルで何かあったら俺たちはそっちを優先するからな、それだけは覚えておけ」
「解った、行く先は…海鳴市だ、聞いたことは?」
「いや、ないな…そもそも俺たちはトゥスクルのものだ、知るわけがない」
俺がいたころはさほど有名でもなかったし
「そうか、まあ、当たり前か、行く先はしっかり指示されてるから安心しろ」
道中、自己紹介などをする
「へえ、じゃあ、お前らは総本山に所属してるわけじゃないんだな…」
「はい、こちらのことで、幹也さんにはお世話になりましたから、その恩返しですよ」
妖刀、夜刀の真太刀を使う、水内ツカサ、水を操る水乃内美流、符術師、水内ともか、か…
こちらの紹介もある程度終わったところで
「え~と、なんで、喫茶店の前に来るんだ?」
「ここに、これから先のことを話し合うべき人がいるとしか聞いてないしな…」
とりあえあず、中に入ってみる
「いらっしゃい!」
随分と若いが…彼がこの店のマスターか
「そちらの席へどうぞ」
空いてる席に座り
「アイスコーヒー人数分で」
「ここは洋菓子が売りなのよ?」
「え?」
「いいから、何か注文してみたら?」
「ふむ…今日のお勧めとかで、頼みます」
「代金は…後で上に請求するか…」
当然、こっちの金など持っているわけも無く、幹也のおごりである、まあ、俺は銀行に口座があったりもするが、それはそれだ
「ああ、あなたたちが総本山の人ね?」
「そういう君は?いきなり話しかけてくるとは」
「あはは、私は月村忍、こういえば解るんじゃない?」
「すまん、この幹也を除いて全員、トゥスクルの人間なんだ…解り易く頼む」
「トゥスクルって…ああ、そういえば皆そっちの人ですね…あなたは違うようだけど…」
「俺はもともとこっちの人間だからな…いくらか常識は通じるが、裏までは知らんぞ?」
「なるほどね…」
「月村って言うのは…まあ、夜の一族…で解るか?」
「ああ…吸血鬼みたいなものでいいよな?」
人の突然変異に近いもので、ある程度熟成すると、吸血鬼と同じ性質を持つ…だったはず
「でも…なんでトゥスクルの人が?」
「ああ、俺の古い知り合いがな、救援要請を出してきたんだよ…」
「というか、お前今何歳だ?そんなに年くってる様には見えないが」
「忘れた、というよりも、俺にとって年齢という概念は意味を失って久しい」
「不老の身か…?」
「ああ、もはや数千年は生きてるはずだが…詳しい年齢など考えるだけ無意味だ」
「ははは、さすが、六介さんの知り合いだよ…」
「まあ、あの爺さんよりも思考やらなんやらは若いぜ?というか、あのじいさん洋食克服できたのかねえ?」
「それは誰から聞いたんだ?」
「ネノクニで、皆から」
「そういや言ってたな…じいちゃんが洋食ダメなのは以下云々って」
「まあ、克服できたわけがない、が解答か」
注文してた奴が置かれる
「おじさん!私にもアイスコーヒーとシュークリーム!」
「あいよ!」
「どれ…」
なるほど、売りというだけある…見た感じだけでも、下手な店よりうまくできている
「こ、これは…」
プロ顔負けどころの話しではないな…表現法が思いつかないほど美味い
「確かに…美味いな…」
「でしょ?」
「某…このようなものを口にするのは初めてだが…」
「ああ、トゥスクルにはこんなもんねえからな…」
菓子に分類されるものといえば、せいぜいが砂糖菓子
「ま、俺が食ってるみたいに食えばいいんだよ」
そもそも、菓子というものがここまで発展している国というのも珍しいほうに入る
「考えてみれば…こういうもんを無駄に食いたいだけ食えるってのは贅沢だよなあ…」
「そう?」
「他の国でも中々…こんな風に菓子が発展してる国はみつからねえよ…」
考えてみれば…こんな風に菓子を食うというのは数千年ぶりになるな…
「洋菓子なんて…随分と久しぶりに食った気がするよ…」
「そもそも、お前がここにいた時代にそんなもんあったのか?」
「あ~、あははは、詳しくは聞くな…どこぞの魔法使いの悪戯のせいでいろいろな…」
もともと、俺は概念から言えば、この時代の知識のほうが豊富だが
「それに…二三度はこっちに来てるんだよ…そこでごく稀に、な」
六介がらみではありえないが…あいつは洋菓子ダメだし、それ以外のことで二三度は
「一つ聞きたい…悪戯って?」
「あ~、ようは、だ、実験体その一にされたということだ…」
「時間跳躍か!?」
「まあな、そんな遠くにまで吹っ飛ばす気はなかったようだがな…失敗もいいところだ」
天地開闢の時代にまで吹き飛ばされるなどとは
「まあ、おかげでこんな体になりましたということだ」
「しかし…その歳ってことは…相当子供だったんじゃないか?」
「いや…イザナギたちと一緒にいたのもせいぜい四~五年だったからな」
「20は超えてたのか?」
「ああ、それで今の歳になって、アシハラノクニとネノクニの分断に巻き込まれたんだ」
天地開闢から乖離までをこの身で体現できるとは
「まあ、そんな戯言はどうでもいい、そろそろ本題に入って…」
「お待ちどうさん!」
「なあ、一つ聞きたい、さっきから本題に入るの邪魔してないか?」
「まさか、そんな真似はしないさ、お客の邪魔などするわけもない」
「なあ、あんた名は?」
「士郎だ、高町士郎、今後ともごひいきにな」
聞いてみただけなんだが…
「ふむ…しかし…あんた、この店やるまで何やってた?」
「え?」
「筋肉の付き方とかを見れば解る、あんた、ただの喫茶店のマスターじゃないな?」
「服の上からでもわかるのかい?」
「そのタイプの筋肉ってことは…何かしら戦闘関係だな?」
「参りました、そこまで見抜けるとはね」
「伊達に数千年生きてはいないってことさ」
「いかにも、僕は元ボディーガードだったんでね。」
「ボディーガードか…それだけで?」
「はは、一応、剣術をたしなむものなんでね」
「まてよ…やはりそうか…」
「え?」
「流派は同じだな?その筋肉の付き方、俺やオボロに近い、二刀流のものだ、その上で、どうも最初から感じる違和感のようなものがあったんだが…御神流の剣士だな?」
「知っているのか!?」
「俺は御神流の剣士だよ」
「そうか…同門か…」
「まさか、同じ流派がいたとはな…」
「まあ、古い話しさ、それに僕よりも素質がある子供が二人いる」
「奥義の極には至ってないのか?」
「ああ、残念ながら、な」
「その子供ともあってみたいものだな…興味がわいてきた…」
「勘弁してくれ、僕はあの子達を危険な戦いに巻き込みたくはない」
「それは承知さ、あうだけだよ…どこまで至れるかを見たいだけだ」
「会うだけなら…この店でたまにバイトやってるからあえなくは無いと思うけどね」
「ふむ、まあ、この店も中々気に入ったし、また来るとしよう、さて、余談は終わりにして…仕事の話だな、この町の妖怪の状況はどうなっているんだ?」
「かなりひどいほうね…なんと言ってもキリがないし…」
「キリがない?」
「ええ、どれだけ狩っても翌日にはさらに増えてるのよ…」
「僕たち民間人で戦えるものも、一応は加勢しているのだけど…焼け石に水だ」
「となると…妖怪を生み出すだけの力があるものがいるということか?」
「そう考えるのが妥当だな…」
「とすると…鬼かな…?」
「妖怪を生み出すなんてできるのかい?」
「力のあるやつならば…下等な妖怪は可能だ…まあ、変化とも器物怪ともつかん連中だがな…力も低いが、数だけなら量産できなくもない…となると…相手は鬼かな?」
「その前に、俺たちは妖怪というものについて詳しく知らんのだが…?」
とオボロ…おい、何でツカサたちまで頭に?マークが浮く?
「そういやそうだったな…それじゃあ…七夜先生のワンポイント妖怪講座といこうか!」
「頼む」
「まあ、妖怪変化魑魅魍魎、それらを統括して妖と呼ぶ、まあ、人ならざるものどもさ、相対すれば解るだろう、さて、妖怪というものは大きく別けると三つになる、一つは、自然に存在する、生命が長生きに渡る時を生きた末になる変化、もともと妖怪といえばこれを差す、が、近年になってそれよりも遥かに多くなってきた妖怪が存在する、それがもう一つの器物怪と呼ばれるものだ、この器物怪というのは、小さいものなら、まあ、そこら辺にある石ころだったり、こういった机もなりうる、一切使用されなかったりすると化けるあたりで、怨念が集まりやすい物質がそうなるのだろうな」
「ふむ…」
「そして、最後が、人の想念がそのまま妖怪として形を成す場合…最も、これは滅多に出現しないから無視してかまわないだろう…まあ、最近は、変化に近いがまったく違うものも多い、たとえば、上位の妖怪が下僕として作る、形状が固定されていないようなものとかな、水妖とかそういったものがそうだ、ほかにも、怨念が生物、これは蟻から、象まで何でもありだな、まあ、流石に蟻は小さいから妖怪が従えたりはしないし、象なんかは清められていたりして中々変化にはならない、だが…犬やら狐やら蛙なんかは特に多いな」
変化は…人型が近いものが多く、それ以外はもどきと呼称する事が多い俺である
「そういった動物の変化は確かに多いわね、原形をとどめてるから」
「変化ってのはもともと原形はとどめていないものの方が多いぞ?もともとの変化ってのは、進化の末、高い身体能力とそれを御することができる知能を持っているのが普通だ、それが近年では、怨念が凝り固まった、俺から言えば、変化もどきが非常に多い」
「そうなんだ」
「そういえば、狼牙についてる鈴は、妖怪に対して力を発揮するって言ってたな?」
「ああ、破魔の鈴、妖怪ならば、この音色を聞いたものは、下等な妖怪ならば消滅、上位の妖怪でも、一時的に動きが止まると言う優れものだ、鬼でも10秒ほどは動きを縛ることができる、器物怪や変化なら…最高30分までは数えたが、そこまで数えたところで、全滅させちまったから詳しい数は不明だ」
「すごいわね…」
「場合によっては、親玉が出てくるきっかけになるかもしれんぞ?」
「雑魚を削られてジリ貧になれば、か?」
「ああ、大量生産にはそれに相応の消費がある、まあ、下僕を操って贄を増やせば回復できるが、それはできてないようだしな」
「流石にそんな暇、与えはしないわよ」
「ま、今日の夜になったらだな…俺はしばらく町を散策する、トウカとオボロ、ドリィ、グラァは俺と来い」
「ああ、一つだけ聞いておきたいことができたよ」
「なんだ?士郎」
「君はどっちだい?表と裏、正統と不破」
「一応、不破で表だそうだ、こいつらから言えば」
「そうか、なら、いつでもうちに来るといい、たまには僕以外の人とも稽古をさせる必要はあるからね、不破なら僕や恭也とも同じだ」
「明日にでも寄らせてもらうよ、今度は俺の金でな」
店をでる
「さて、ある程度は町の構造を把握しておかないとな、いざというときに間に合わぬではここに来た意味が消失する」
さて、どう回るかね…
適当に回るよりは、ある程度は順路を決めたほうが把握もしやすい
「よし」
普段から、周囲半径1kmには意識を集中し、そこで動く者を確認はしている
「この順路がいいかな…」
こうやって行動を決めることができるのは、せいぜいが平常時だけで、戦闘状態に自らを置くのであれば、このような芸当は不可能になる
適当に町を回り
「これぐらいでいいかな?」
「そうだな…さて、宿はどうなってるんだろうな…」
「あ~、たぶん用意はされてない可能性も大きい」
翠屋の前まで来るが
「参ったなあ…」
「どうした?」
「結局宿の確保については、その場で決めろといわれたよ」
「勘弁してくれよ…」
またラブホで寝ろってか!?
「流石に勘弁願いたいな…どうにかしたいところだが…ここには身内などいないし…」
「うちに泊まる?客室ならいくつか開いてるよ?」
「オボロとドリィ、グラァ、後は幹也を頼む」
「はいはい、あなたたちは?」
「あ~、どうにかするよ」
「だったらうちに泊まっていけばいいじゃない」
「え~と?」
「桃子よ、高町桃子」
「ああ、この店のパティシエだって言う」
「まあ、同門として話しを聞きたい気もするからね、どういう修羅場をくぐってきたとか」
「そういうことを聞かせていいのかよ…」
「それがね…実を言うと、実戦経験は積んで欲しいと思ってるんだ、だから、今回のことも率先してうちは参加してるんだよ、ただ、あまり強い敵とは…」
「大丈夫だよ、御神流は、連中ごときに敗れる流派じゃない、俺が今まで生きてることが証明になるぐらいにな」
「神速三段がけなんて馬鹿な真似を体現してればそうだろうな」
「三段がけ!?そんなレベルまで!?」
「一応な…通常御神の剣士では、行けたとしても二段、三段いくとしても、せいぜい、その中での一秒が限界だ」
「お前は何秒なんだ?」
「最高で五秒までは計測したな、まだいけそうだったけど、そこで止めた」
「そんなに!?」
「驚いてばかりだな…士郎」
「いや、だが、その…」
「驚くのは解るがな、長きに渡り鍛え続けた結果さ」
「しかし…通常は長時間の持続はやらないものだろう?」
確かに、通常御神の剣士は、鍛えても神速三段の中で秒をまともに数えるなんて芸当は不可能に等しい、それを行える段階で、俺は普通じゃない、さらに言うならば、御神の剣士は、神速を連発はしても長時間その中にいるということはない…効率としては…起動時間中はほぼ無敵になる代わりに…切れた直後に完全無防備になってしまうからな…
「三段なんて、入ったはいいが、すぐに倒れるさ」
「そういや、あの時も俺たちのところに戻るなりいきなり倒れたからな…」
「だったな…体が悲鳴を上げるんだ」
「そうか…それで?泊まっていくかい?」
「そうだな…お言葉に甘えるよ、部屋あるのか?」
「ああ、それは任せろ」
あてがわれた部屋に入る
「ふぅ…」
あるのはベッドと机だけだが
「何で普通に客室なんかあるんだ…?」
一つぐらい部屋があるのはまだわかるが、この家には3つほど空き部屋があり、さらに数人居候がいるという話だからな…しかも、夫婦に子三人で部屋を4つ…
「この家も…結構豪邸の部類に入るんじゃないだろうか…?」
考えてみれば、そうなるが
「まあ、気にしないほうがいいのかな?」
部屋に近づいてくる気配、条件からして、トウカや士郎、桃子じゃない…
部屋の前に来ると同時にドアを開ける
「わっ!?」
眼鏡をかけた小柄な女子…
「え~と、美由季でいいのかな?」
聞いていた身体条件から考えるとこれしか思い浮かばなかった
「そうです…彰さんですよね?」
「ああ、何の用だい?」
「いえ、特に用はないんですけど…私が来たの解ったんですか?」
「ああ、俺は普段は半径1kmの状態を探るようにしてる」
「よくできますね…」
「空間把握は重要な命題の一つだ、半径1kmの空間の状態を把握するのはさすがにやりすぎだがな、魔術的な補助もしてるからね」
やろうと思えば、通常時の心音、体温、呼吸のタイミングだけで誰が何をしてるかぐらいは把握できる
「魔術?」
「正確には魔術というよりも空気の言葉に耳を傾けてるんだよ」
「空気の言葉?」
「大気の流れや、空気の微妙な乱れ、さらに風の声を聞くことで、その把握できる範囲はかなり広がる、まあ、それができないときついけどな」
「風の声…ですか?」
「ああ、さて、そろそろ夕飯のようだな…」
手伝おうと思って向かうが
「いいのよ、お客さんは休んでて!」
すでに数人がいた
「やれやれ、まあ、手伝うといっても下ごしらえ程度だがな…」
部屋に戻り、愛用の武器を抜く
「そういえば、ここの所忙しくてろくに手入れしてなかったな…」
狼牙と二本の刀、霊剣、御架月をはじめ、俺が使う武器全てを磨く
「へえ、手際いいですね…」
「美由季、なぜここにいる?」
「邪魔ですか?」
「いや、見る分には構わないけどさ、触るなよ?」
「大丈夫ですよ」
「どうだか…」
全ての刃を鞘に収め、他の武器も磨き終わりしまったころに、食事が出来上がる
「え~と、これがこの家族全員でいいのかな?」
「そうだな、自己紹介ぐらいは必要かな?」
「まずは俺からだな、七夜彰、トゥスクルに使える武人で、一応、将の一人だ」
「某はトウカ、彰の部隊の副官を勤めさせていただいている」
「水内ツカサです…夜刀の真太刀を使う、退魔師見習いですね」
「水乃内美流と申します…よろしくお願い仕ります」
「水内ともか、よろしく」
「俺は、高町恭也、御神不破流の剣士だ」
「私は、高町美由季、さっきまで彰の部屋にお邪魔してたよね」
「だな、人が武器の手入れしてるのなんざ見て楽しいか?」
「結構」
「そうかい」
「俺は城島晶…名前同じなんだな…」
「そうだな…両方一緒な場合は、お兄さんでもつけてくれ」
しかし…本当にいるんだな…一人称俺な女の子って…
「は~い!」
「軽い冗談のつもりだったんだがな…」
肩をすくめる、苦笑するしかない
「うちは鳳蓮飛(フォウレンフェイ)いいます」
「あ~、呼びにくいんでなんか、愛称とかあるか?」
「レンでええよ」
「レンね、了解」
「私は高町なのは、翠屋の二代目候補です」
「なのは、か」
「本当はもう一人、長女みたいな人がいるんだけどね…」
「ああ、そういえばもうそろそろ、こっちに来るんじゃなかったけ?」
「ああ、確か、あの国はここにあるんだよな…」
「どういうことだ?」
「イギリスだよ」
「あ~、確かあったな…アジア全域と西洋の一部か、そっちの世界からこっちに来たのは」
「そうだな…アメリカとかそういった国がないけどな…」
「いいんじゃねえの?あんな戦争好きな国なんて、ないほうがこっちのためだ…」
俺がいた当時はいまだ戦争大国の感がぬぐえないところがあった
「それはいえてるかもしれないな…」
「まあ、治安が乱れてるこの世界だ、あんな国があったら物量にものを言わせて好き勝手やるだけだろうよ…俺がそっちにいた当時は戦争大国だったからな…」
「それは俺たちも変わらないよ」
「あははは、まあ、ない国の批判しても仕方ない、今はこっちにある国が重要だな」
まったく、おかしな話してるよなあ…
「…」
「ああ、トウカはわからねえか…」
「まあ、知らなくてもいいことだよ」
食後、この家の道場に入る
「なあ、お前らってどんだけ金持ちなんだ?」
これだけの豪邸に、道場まで付くとはな…六介の家以上じゃないか…?
道場の規模はそれほど大きくはないにしても…だ
「さて、好きなのを使ってくれ」
「じゃあ、こいつを」
1mはあるだろう木刀
「へえ、小太刀じゃないんだね?」
「あ、小太刀二刀のほうがよかったか?」
「いや、君のやりやすいようにやってくれ」
「じゃあ、こいつで行くぜ!」
右腕で持ち、耳の横に地面に対し水平に構える
「士郎からか…行くぞ!」
一回だけ地を蹴り、その反動だけでゼロ距離をとる
「早い!」
「反応が遅いぞ!」
横なぎに払う
「くっ!」
止めるが、そのまま吹き飛ぶ
「頭で考えるよりもまず体で考えろ!」
「くっ…一撃でこれかい…?」
「どうした、もう限界か?」
「まさか!」
士郎から向かってくる
「甘いな…」
刃を合わせ軌道そらすだけであっさり回避できるその背に木刀を突きつける
「これで終わりだな」
「強い…食事してるときとは別人みたい…」
「さて、次はどっちだい?」
「俺が…」
恭也が二刀を取り、構える
「ほう、いい目をしている…信念を持ってる男の目だ…」
正眼の構え
「来い!」
「はああ!」
正面からくるように見えて、その実は左からの斬撃が本命!
「甘い!」
正面からの攻撃を全力で弾き飛ばし、体を浮かせることにより、次の斬撃に移る余裕を与えない
「ついでだ!」
横なぎに振るが、これは使えなかった左の刃で止める
「ちっ、無理に押し上げたせいか…こっちも全力とは行かなかったな…」
まだ、全力で振り切ってはいないがな…他人の木刀なだけに、ぶち壊すわけにも行かない
「こちらから行くぞ…」
地を蹴る
「!」
初撃を受け流すか!
だが、足が付くと同時にコマのように体を回転させ切りかかる
「ふっ!」
受けたか
「だが!」
そこからさらに刃を滑らせ手を狙って落とす
「!」
とっさに刃から手が離れた一瞬に、喉に刃を突きつける
「…参った…」
「強いねえ…お前、一瞬完全にマジになってたぞ…」
「じゃあ、次は私か…自信ないなあ…」
しかしそういいつつも構えを見れば実力は高いのが解る
「謙遜するなよ」
木刀を戻し(これ以上俺のレベルで酷使すると間違いなくへし折れる)小太刀を取る
「行くぞ…小太刀二刀…御神不破流…」
横に水平に構える
「!」
構えたと見るや仕掛けるか!
「ふん!」
右腕を下から上に切り上げる
「!」
その一振りだけで宙に浮いたが、天井に当たるとそのまま蹴ってこっちに向かってくる
両の刃を交差して受ける
「おおおお!」
それを後ろに放り投げると同時にそっちに走る
「そおら!」
しかし、その両の刃はしっかり止められ、反動を利用してさらに加速する
「!」
やばいな…受けに回ってる…
「くっ!」
上になぎ払い、さらに追撃するように刃をほうる
「ええ!?」
とっさにそれを受けるが、その動作で動きが止まる瞬間にその首筋には木刀が突きつけられる
「すまんな、こんな手でも使わんと勝てそうになかった…」
「木刀を投げるとは思わなかった…」
「普通に使うならば、飛針か鋼糸でごまかすがな…」
「しかし…禁じ手を使うほど追い詰められていたのかい?」
「ああ、あそこまで柔軟な戦い方は初めてだよ…」
士郎や恭也はどちらかというと力押しなんだが
「美由季は完全に柔の剣か…力の剣が俺や士郎、恭也とするならば…」
「そうだね…僕たちとは違って受けてから攻撃が主体の剣だからこそか…」
「相性で言うなら、美由季は俺に勝てるタイプだな…」
「だが、刀を投げるという方法に惑わされたか…」
「しかし…俺にここまでさせるとは…先が楽しみな奴らだよ…」
部屋に戻り、全装備を持つ
「行くか…」
巡回の開始である
「ついてくるのか…?」
「自分の身ぐらい自分で守れるさ」
「手合わせで実力は解ったでしょう?」
「僕も行くよ、君がいるならそれほど危険でもないようだからね」
「いや…家族全員ついてくる気かと聞いたんだ」
「そのつもりですよ」
「はあ…好きにしろ、戦闘開始したらすぐに離れろよ、守ってやれる自信はない」
妖気がすぐに探知できるほど濃い…
「安全な場所なんて少ないかもな…」
一番濃い場所に向かう、他の場所にも味方が向かってる
「アレが妖怪だ、覚えておけ」
鈴を鳴らす
「ぐぎゃああああ!」
何体かが消滅し、他の連中もこっちに注意が向くが動けない
「御神不破流の前に立ったこと…不幸と思え」
地を蹴り連中のど真ん中に入った直後に、刃を振る
数秒で十体以上はかたす
「は、早い…」
「俺にしては遅いほうだ!」
動けない相手を刻むのは詰まらん…
「これで終わりか次行くぞ!」
さっさと進む
「これ鳴らすのやめようかな…」
「手ごたえがないからか?」
「それもあるが…やりづらいというか…」
「なるほどね…」
そして
「ここは数も少ないし、雑魚だけだから、少し経験値稼ぎしておけ」
そういいつつも真っ先に仕掛ける俺
通りざまに数体はやったが、数など数えるだけ無駄だ
「ほう、思った以上に、連中できるな…」
見てるだけでも大丈夫だな
「ふむ、こうしてみると、動きがいいのは圧倒的に恭也だが、その実、回避と命中のバランスは美由季が一番高い。まあ、それは予測済みだが…以外なのは晶とレンか…かなり強い…二人にこそ劣るが…戦闘能力は高いほうだな…」
俺が何もしないうちにあっさりと片付く
「さて、次は俺とトウカだけに任せてくれ」
付くと同時に、刃を地面に叩きつけるように振り下ろす!
「我流対多数用奥義、天地開闢!」
その衝撃波が渦となり、範囲の広い直線に飛んでいく衝撃波となる
「続けます!」
トウカがそれから逃れた左側、俺は右側に突撃する
「「おおおおお!!!!」」
近づく奴を容赦なく切り伏せる
「こいつで終わりか…」
最後の一体を両断して確認する
「そのようだな…」
刃を振って血払いをしてから収める
「周囲の妖気も晴れてきたな…退いたのと全滅したのと…どっちが多いかといえば全滅だな…さすが…よくやってくれるよ…」
「どうして解るんだ?」
「ある程度、残滓が残るんだよ、妖怪が祓われた後は」
「それがないのが逃げたってことか…」
「ああ、今はほとんど残滓が残ってる、これは、滅ぼされたってことだ」
張り詰めていた気を弛緩させる
「戻って休もう、日が昇るまでは後数時間はあるがな」
現在時刻、午前2時
部屋に戻り、目を閉じる
すぐには寝ずに、家の中で誰がどう動いてるかを空気から読み取る
すぐに部屋に戻って寝たのが、桃子、なのは、晶、レン…
他の連中は、恭也と士郎は話し合っているようだ…何を言ってるかなんぞ解らんが
トウカと美由季、ツカサは精神集中か…トウカはともかく美由季がどこまでできるのか、確かめて見たいような気もするが…俺から聞いたことをなぞってるだけのようだ
美流とともかは…世間話か?呼吸のタイミングなどから、普通に会話してるだけのようだ
「ふう、こんなものか…」
体を疲れのほうに預けるとすぐに意識は闇に落ちていった
翌朝、といっても、俺は五時に起きたのだが…
道場を借りて、真剣で訓練をしていると
「熱心だな…」
「恭也か、今何時だ?」
「もう7時だが…」
「そうか…俺は切り上げるとするか」
刃を収める
「さて、俺は部屋に戻るよ」
部屋に戻ってすぐに朝食のために居間に下りる
「先ほど下からすごい衝撃波が感じられたんだが…?」
「レンちゃんですね…また喧嘩して…」
「おいおい、あのレベルで喧嘩してんのかよ…」
昨日の戦闘のレベルで喧嘩なんぞやられた日には頭痛くなりそうだ…
「俺は昼はどうするかねえ…」
やることが何もない
町の巡回…は夜以外にやる意味ねえからな…
恭也と美由季は学校あるようだしな…そっちの屋上で寝ておくのも悪くはないか…
学校というのは、その性質上妖怪を招きやすいからな…
「その前に、霊脈の位置をつかんでおくか…」
まあ、方角はわかってるから、向かうのは楽だな
連中の見送りがてら、探してみるか
「で、何でついてくるんだ?」
「霊脈の気配がこっちのほうにあるんだよ、それを探すついでに見送りしてるだけだ」
で、校門の前まで来たが…
「…おいおいまじかよ…」
明らかに霊脈の上に立っているんですけども…この学園
「どうかしたのか?」
「ここが霊脈だよ…しかもこれだけ大きいということは…巣を張ってるやつがいる可能性は否定できないな…すこし、俺も巣を張らせてもらうとしよう」
フェンスをけり、屋上に上る
「ふむ…巣は張られていないようだな…だが…その代わりに結界か…やれやれ…」
住処にはなっていなくとも…いつでも妖怪が攻め込めるな…
「解除は…面倒だというのもあるが…俺が解除できるものではない…か」
相当高レベルの妖怪だな…これだけの結界を完成させるとは…
「発動すれば、昼は夜になり学園の敷地内におびただしい数の妖怪が出るな…」
数千ですめばいいが…だが…校舎内には、入れないようにしておこう
「幸い…校舎には一切手をつけてないようだからな…」
明日あたり、道具をそろえて儀式を行えば間に合うか
「ま、俺は寝とくか…」
今はやることもないので、屋上の人目につかない場所で昼寝
昼休みのチャイムを確認した直後、上に上がってくる気配がいくつか
「この感覚だと…恭也たちだが…知らない気配もあるな…」
俺がここにいるだろうことは探知していながら、連れてくるということは知り合いか
体のばねを使って跳ね起きる
「たぶんいるはずだが…」
「何か用か?恭也。」
「気づいていたか…」
恭也以外相当驚いてるようだが…まあ、当たり前だが…ほとんど真上から話してんだから
「で、どうしたんだ?」
「まずは降りてから話さないか?この体制は頭が痛い」
「そうだな…」
ようは出口の上にいたわけだ
飛び降りて、簡単に着地する
「で、そっちの嬢ちゃんは?」
「え、あ、私は那美です、神崎那美」
「神崎…?確か鹿児島の退魔師じゃなかったか…?」
「知ってるんですか!?」
「…俺も、神咲一灯流の使い手だよ…あとは、風月流、神鳴流だったか…君は?」
名前は覚えてないが…何分、俺自身の記憶では数千年前のことだ
「私は…一灯流です、一応」
「三つに分かれてるんだ…」
「御神流も二つに分かれてるからな…正統と不破」
「正確にはもっと多かったけどな…まあ、4つだが」
「え?」
「御神正統流一刀術、小太刀二刀御神流正統派、御神不破流一刀術、小太刀二刀御神不破流というぐらいにな…一刀流はすべてつぶれたようだが…俺が使う狼牙は、不破流一刀派後継の証だ、まあ、確かに小太刀二刀のほうが振り回しやすくていいがな…」
「じゃあ、お前は…?」
「小太刀二刀御神不破流が今の俺の流派だがな、正式に言うならば、御神不破流一刀派後継及び小太刀二刀御神不破流、七夜彰になるわけだ」
「七夜って…確か…」
「関係ないぞ、それに確か、壊滅したと聞いたがな…」
血を引いてる可能性はあるが、それはないだろう…あの家系は純潔を重んじるところがあったようだし…俺がその血を引いてる可能性は低い
「ま、当の昔に廃れた流派のことなんざ話してもしょうがない、それで、そっちの狐だが…驚いた…すでに巣を張ってるやつがいたとは…」
「この子は無害です!」
「くぅん」
「…そのようだな…毒気抜かれそうだ…」
こういう小動物は…トウカがすごい弱いんだよな…はにゃってなるんだよ…
「しかしまあ、人に懐く妖孤がいるなんて思わなかった…」
「く?」
こいつの相手してると絶対毒抜けるな…
「さて…なら気づいたやつはいるか?」
「くー♪」
「うお!?」
人型になった!?
「いや待て冷静になれ俺、普通に妖孤は人型になる機能は持っている…」
「はいったとき、いやなかんじした…」
「さすが…そういうことは探知できたか…」
「何があるんですか?」
「けっかい…」
「昼夜逆転に加え、妖怪発生だな…学園に張るのは…効率的だな…」
「どういうことだ?」
「やつらにとってもっとも効率的な食料は何かというところからだな…」
「すまん、わからん」
「こいつに聞くのは…愚行だな…」
「?」
人型でも普通に話すのは困難なようだしな…
「一応この子の大人の姿なら普通に話せるんだけど…その状態だとまだ暴走する可能性があるからだめだって…」
「だろうな…妖気が完全に浄化されてない…」
まあ、それはおいといて
「仕方ねえ、七夜先生のワンポイント妖怪講座!その2!」
いったん間をおき
「そもそも、妖怪にとってもっとも栄養価の高いものとは、霊力、次に魔力だ、まあ、この二つは言い方を変えていろいろなものになる場合も大きいがな、さて、霊力や魔力というのは、基本的にこの世界のどこにでもあるがその濃度は結構差があってな…なぜか知らんが日本はその濃度が濃く、必然的に妖怪の温床となっている、まあ、そういった妖怪ってのは人を襲う必要はないから、人が入ってこないような自然の中で暮らしていることが多い、ここまでは解るか?」
「なんとなく…」
「じゃあ進める、ただし、その濃度が異常に濃い場所には、妖怪が普通に現れることがある、そういう場所、霊力が噴出しているポイントを、霊脈と呼ぶ、この霊脈には普通に妖怪が集まるが、かつて、妖怪を恐れて退治しようとしたものがいた、そのものの血肉を食らった妖怪は、人間の味を覚えてしまい、それ以降人に牙をむく妖怪が生まれるようになった、最初に生まれたのが鬼、次に小さな妖怪たちがな」
「鬼が相手ではないかといってましたよね?」
「ああ、鬼というのは妖怪の中では最上位に入る戦闘能力を誇る、さて、人の味を覚えた妖怪たちは、徐々に知性を身につけていった、その過程で、人型になったものと、それ以外のもの、前者が通常は鬼や天狗、後者はそれ以外だ、さて、なぜ学校に巣を張るのが最も効率がよいかだが…」
「なぜなんです?」
「単純さ、お前らぐらいの年ってのは、最も霊力や魔力が瑞々しく、やつらには最高の餌になりえるからさ、特に処女童貞が狙われるな、他者と交わってないものが一番美味いらしい、確認なんざとってねえから知らんけど、さらに、処女は犯した際に放出される魔力で、さらに美味いということだ」
「それで、学校に巣を張るのが最も効率的ということですか?」
「ああ、生徒を食らえば、かなり高い栄養が得られるからな…最も、校内には入れないように結界を張るつもりだがな…それは可能だと思うが…向こうの結界を破るのは不可能に近い」
「どうしてだ?」
「中途半端な張り方ならば破るのはたやすいのだが…これはかなり力のあるやつの張ったものだ…俺ごときでは破れんし、おそらくともかでも無理だろう…」
「そうだな…」
仕方がないので、発動させるしかないということで話がまとまり、それから先は昼飯
「俺は今から少し準備のために出かける、今晩は戻らないから、皆に報告頼む、恭也」
「ああ、見回りはどうする?」
「それは…頼めるか?お前らなら数日は持つだろうし、明日の昼には戻るから」
「了解、他に誰かに何か伝えることは?」
「いや、今はないな…いや、皆に明日昼学校に来るよう伝えてくれ、来た奴らにはな」
「解った、明日の昼にここ集合だな?」
「その前に一つ、何でそんなに妖怪について詳しいの?七夜とは関係ないのに」
「一時期、退魔師もどきやってたこともあるのさ…修行がてらな」
フェンスの上に登り
「じゃあ、頼んだ!」
飛び降りる
途中で壁をけり、木の上に乗り、さらに跳躍して地面に着地
魔術で六介の家に
「爺さん!」
「げほっ!何じゃいったい!?」
「すまん、結界術式張るための材料そろえてくれ、対妖怪用の」
「倉庫の中にあるじゃろうから適当にもっていけ…学校か?」
「ああ」
倉庫に入り
「結界張られてたから、その内側に…と、こいつだ」
鏡…あとは
「二つだったな…儀式剣に…あとは…」
「それじゃったら水月からもらえばよかろうに…」
神水…神族によって清められた水
「こっちにいたっけ…どこ行けばいい?」
「呼んだ?」
「うお!?」
相変わらずいきなり人の背後取るの好きだな…
「神水よこせ」
「いきなり命令?」
「悪いかよ…こっちゃ急いでんだ…」
「はいはい、少し待ってね…」
のりが軽すぎるが、こいつも一応神様に分類される…正式な名は忘れた
俺の知る神にまともな神様やってますというやつがいないのはなぜだろう…?
「できたよ!」
ビンに入った水を渡される
「ふむ、あとは…張るだけか…」
結界内に結界張ろうというのだから、こういったものが必要だ
「ありがとよ、水月」
頭をなでてやる、外見が15~6の子供というせいもありどうしても子供扱いしてしまう
こいつ自身そうされたがってるところもあるようだ
「ああ、今日はこっちに泊まってくつもりだからよろしゅう頼む!」
「いきなりじゃな…部屋は空いておるからかまわんが…」
そして、夕飯食い終わると、例によって鍛錬開始
「行くぞ、ヒカル…今回は真剣だからな?」
「ああ、手加減したら怪我じゃすまんぞ?」
「御神不破流一刀派後継、小太刀二刀御神不破流、七夜彰…参る!」
まずは、小太刀二刀
「薙旋…」
完全に受けきるヒカル
「さすが…腕を上げたな…」
まあ、御神の奥義というものは神速をもって始めて完成といえるのだが
その後も数十撃交え
「ここまでか…」
互いの額に刃が突きつけられる
「神速に入ればお前の勝ちだろうけどな…」
「そんな無粋なまねができるかよ…」
刃を収める
「さっさと風呂入って寝るか…」
翌日は起きてすぐに海鳴市に
「ふう、予告より早かったか…」
まだ授業中
「ふっ!」
壁をけり木をけり、屋上まで跳躍
出口の上に寝転がる
連中が上ってくるまでは暇だ
道具の確認と儀式の工程を再確認して
「とりあえず、神水で校舎の周りに円を書き、剣で呪刻を刻み…その上に鏡を置く、と」
呪刻の形状と円を書く際の呪文…後は鏡を置く際に、設置したらすぐに神水で鏡を清める
「よし、これでいいな…」
呪刻を刻む場所を探さねばな…鏡を踏んで割られでもしたら、結界が意味を消失する
「誰も入ってこない場所か…」
選択肢は限られるな…
「…ここでいいか…」
屋上のそれも出口の上なんて…梯子もねえから登るのだけで一苦労だしな
「校舎から人が消えるまで待つしかないか…」
条件がそろうとすれば…7時ぐらいになるか…
まあ、何とかするさ
昼になり、連中が上がってくる
「そろったのか!」
「ああ、儀式用の鏡と剣、神水だ、これで結界は張れる」
「問題は場所だな…人が立ち寄らないところ…」
「ここでいいだろう…なかなか人が入ってこない場所だ」
「で、術はお前が張るんだな?」
「ああ、お前らは、しばらくここに通ってもらう、転校手続きは終わったから、明日からな、まあ、俺も強制的に組み込まれたのだが…」
そう、これから先はここの学生扱いなのだ…俺でさえ!
「魔術で外見だますぐらいはたやすいからな…俺も生徒に編入されてるし…」
オボロやトウカは…留学生で通せばいいが
「俺と幹也だよな…どう考えても二十歳超えが二人…」
「俺は今回の編入には入ってないぞ?トゥスクル組だけだ」
「マジか…長期の入学など不可能だというのに…」
いつ戦が起こるとも知れぬのに…
そして、放課後人がいなくなってすぐに
「神水よ…わが望みに答え、この円のうちに妖を寄せ付けぬ結界となれ…」
円を描き、屋上に呪刻を刻み
「鏡よ…神水の導きにより、神水円のうちに敵を寄せ付けぬ要となれ…」
発動確認
「よし、こんなもんか」
そして、その旨はすぐに士郎たちも知るところとなり
「じゃあ、明日からは同級生かもな!」
「さあな…俺は三年らしいけど、トウカとオボロもか…ドリィとグラァを頼む、美由季」
あいつらは一年だ…本当はもう少し幼いような…?
「ま、いいか、俺はこのまま行ってみる!」
「大丈夫か?」
「老け顔ってだけで通るだろ…それ以外は大丈夫なんだし…研修生とかの枠は用意できなかったのか…?」
そっちのほうが俺の歳ならば自然だが
「仕方ないんじゃないのか?今の時期では不自然極まりない」
「それもそうだな…」
そして、夜の鍛錬をして、風呂に入り、寝る
翌日
「彰!おきたら!」
「後五分…」
「今日から学校でしょう!」
「後五分ぐらいは余裕あるだろ…」
昨日は早起きしたが何を隠そう…俺は朝が弱い!!!!
「も~、後五分だからね!」
起こしにきたのは美由季のようだ…
「さて…もう一度…」
また意識が心地よいまどろみに落ちたころ
「どかーん!」
「ぐえ!?」
一気に覚醒する
「ダイビングローラーだとおお!!!!?」
ダイビングローラーとは、加速をつけて跳躍し相手のうえに飛び乗るという荒業である!
「おっきろ~!」
しかもそのまま回転し始める…正確にはダイビングローラーはここまでやって初めてダイビングローラー足りえるのだが…
「おきる!起きるからどいてくれええええ!!!!!」
さらに数秒回転してようやく止まる…三半規管に対するダメージが尋常じゃない…ゼロカウントは軽くゲージを振り切って8桁は行っただろう…
「起きたならはよう下に降りや!もうご飯できとるで!」
「レン…」
俺にダメージを与えるほど回転してたはずだが…こいつの三半規管は人間か?
それでも何とか覚醒し下に降りる
「おはよう…なんかすげえダメージ食らった…」
俺にここまでダメージを与えるとは…
「さっきの声は聞こたからね…」
苦笑しつつツカサが言う…
そりゃあな…戦での指示や掛け声以外であんな大声出したのは始めてかもしれん
「はあ、早く朝食食って…学校行こう…」
制服を着てる俺とトウカ、ツカサと美流、ともか
「なかなか…似合ってるぞ、トウカ」
味噌汁をすすりながら言う
それに動揺してるトウカはいつもどおりだ
学校に向かう途中でオボロとドリィ、グラァと合流
「…なんでドリィ、グラァは女子の制服?」
しかも…似合いすぎだこの二人!!!!
「…男子の制服着るよりは絶対にあってるな、この二人は…」
断言できるが
「さて、教室は…俺とオボロとトウカは恭也と同じだ、ツカサと美流は那美と、ともかは美由季と同じか」
驚いた、こういう確率あるんだな
「ま、よろしく頼む」
で、自己紹介は俺が最初
「今日からこの学園に通う、七夜彰だ、よろしく頼む」
「あ~、俺はトゥスクルから来たオボロだ、よろしく頼む」
まあ、無難だな…俺のまねをしただけだろうが…
「私は、トゥスクルから来た、トウカと言います、よろしくお願いしますね」
美由季に散々言われてたからな…完璧だ
普段からこういう口調ならいいんだけどな…
席わりは、俺が窓際最後方、忍の後ろだ、オボロは俺のとなり、トウカは忍の前だ
ちなみに恭也は忍のとなりだ
「というわけでよろしゅうな!忍!」
授業中、最初からオボロは理解することをあきらめ、爆睡開始
トウカは理解できてるかどうか怪しいが一生懸命受けてはいた
俺はというとそういう観察のため授業などまともに聞いてはいない…まあ、もともと大学レベルの学力はあるからどうでもいい…
指名でもされない限り興味ないし…寝ててもいいのだが、外を見て時間をすごす
休み時間に入ると同時に俺たちの周囲には人が集まる
当然トゥスクルから来たことに対してだが
「トゥスクルってこの前まで戦争してたよね!?」
「その戦争には参加してたのか!?」
「もしかして人を殺したりとかした!?」
あ~、五月蠅い…ほうっといてほしい話題である、なんと言っても、その戦で一番人殺したのはたぶん俺なのだから…いや、マジで、戦となると一切容赦がないのは、俺とオボロ、トウカには共通だ
「一応…戦場には出たよ…」
後は目で、オボロとトウカに
「何も言うな」
とだけは伝えてある
「それじゃあやっぱり人を殺したりとかはしたんだ?」
そういって向けられる視線には、確かに畏怖も混じっているがそのほとんどは好奇心
「ほっといてくれ!あまり…戦のことを語るのは好きじゃない…必ず死者は出るんだから…死人の出ないきれいな戦争なんてものはない…そんなもんは漫画か、せいぜいドラマの中だけだ…殺さなければ殺される…それが戦争なんだよ…」
周囲完全に沈黙
「トゥスクルから来たとか…そういうことは一切関係なしにしてくれ…こんなところまできて、戦のこと語れとか言われた日には…暴れだしかねない…」
これは本音だ、たぶん、そうなったら一番最初に暴れだすのは俺だろう
初日からこれはやりすぎたかと思ったが…これは最初に言わなければいけないことだ
チャイムが鳴り、生徒はすぐに自分の席に戻る
「はあ、学校のチャイムに救われるとはね…」
「この学校に溶け込むのは無理そうね…」
「それでいいのさ…向こうで戦があればすぐにそちらに行く身だからな…」
どうせ仕事さえ終わればこの学校にいる意味などなくなる、いまは…それでいい…
窓の外を見て、時間が過ぎるのを待つしかなかった…
昼休みは即効で屋上へ
「参ったよ…実際に戦場を知らなければ…戦争がかっこいいものにしか思えない…この国はどこかいかれてるよ…実際の戦場がどれだけ禍々しく、どれだけ苦しいか、それすら理解できないようになってる…戦争が遠くにあるうちはかっこいいだけかもしれないが…」
俺とトウカ、オボロとドリィ、グラァは、全員戦争で人を殺したことがある
当たり前だ…俺たちはトゥスクルでも戦争での戦果は多いほうに入る
つまりそれは…人を殺した数が多いということだ…
「人殺しをかっこいいとでも感じているのか!?この国は!」
オボロもどうやら…あきれを通り越して激昂している
「それは同感だな…ただ殺したこともある、で済ませばかっこいいで終わったかもしれない…それは…どうかしてるよ…この国は…」
戦争がこれほど軽く扱われる…昭和のころのこの国を今は習わないのか…?
昔のこの国は…戦で何千何万という人が死んだこともあるというのに…
俺自身…その第二次世界大戦に学生兵として参加していたのだから…平成入ってすぐに過去に飛んだけど…戦争で一刀流の使い手は俺以外全滅してしまったしな…
「まあ、生徒からは距離をおくことができたし、ある意味ではいいことだったかもな…」
昼夜逆転が行われればここにいる意味は消える…せいぜい大暴れしてやるさ
「戦争の実態ってやつを見せてやる必要があるかもな…」
妖怪相手でも…俺たちの戦い方を見れば連中も…少しは解るだろう…どれほど醜いか
「早くおきねえかなあ…昼夜逆転…」
戦うのは俺とトウカとオボロとドリィ、グラァ、ツカサと美流、ともかだけだが…
学園内での戦闘で恭也たちに戦わせたくはない
そして、授業もサボりがちになって、三日ほどたって、その日は来た
3時限目が始まると同時だったろう…それの発動は
「来たか…」
全員そろって屋上に
「さて、準備はいいな?」
「ああ、いつでもいけるぜ!」
「ドリィ、グラァはここから連中を狙撃、俺たちの援護を」
「「はい!」」
「トウカとオボロ、ツカサは俺と一緒に下に!美流とともかはタイミング計って合流!」
「「「「「了解!!」」」」」
跳躍し、図体がでかいだけの妖怪を切り伏せ、その反動で衝撃を軽減する
「御神不破流の前に立ったことを…不幸と思え!」
飛針で蛙の眉間を打ち抜き、鋼糸で変化を切り裂く
「遅い!」
すぐさま、人間台のサイズのやつの懐に入り、両断する
後ろに回ったやつがいたが、直後に俺が後ろから切り裂く
他の連中も確実に数を減らしている
それでも一番数を処理しているのが俺であるという事実に代わりはない
一体、また一体と数を減らしていく妖怪たち
見た感じではきれいかもしれない…だが、その実、俺たちは一切容赦なし、そして、余裕なしという、まさに生か死かのぎりぎりのところなのだ…
「ふっ!」
半数ほどが片付いたころ
「!」
後ろに跳躍する
「貴様!てめえが親玉か!」
「うん、僕がこいつらの支配者だよ…この学園はいろいろおいしそうだからね…邪魔はしないでほしいな?」
「そうはさせねえよ…」
両の刃を納め、御架月を抜く
「行くぞ!御架月!」
「はい!」
刀身から少年が出てくる…霊体だが…この霊剣、御架月の憑き霊である、御架月だ
「神気発勝!」
刀身が光る
「神威!楓陣刃!」
直撃するが
「やるね…!!!」
「ちっ、ならば…神気発勝!神咲一灯流・奥義!」
構えなおし
「封神・風華疾光断!」
「ぐあああああああああ!!!??」
これでも生きてるあたり、さすがに鬼だな、最も、両腕両足が吹き飛んでいる以上、もはや動けんだろうが…
「最後だ、何か言い残すことはあるか?」
刃を逆手に持ち直し持ち上げる
「くっ、はははは!」
「消えろ」
その刃が奴の頭を貫く
「他の連中も…さっさと消えてもらうぞ…」
神速に入り、あらゆる角度から敵を切り裂く
「!」
しかし、円の状態で攻撃を受ける
「だが…」
動きが完全に統一されてはいない!
「ふっ!」
一番最初に攻撃できる位置にいた奴を切り裂き、そのまま円を抜け
「しっ!」
鋼糸で連中を絡め取り
「おおおお!」
そのまま引きちぎる!
しかし
「ちっ…やはり久しぶりの神咲一灯流奥義は効いたな…」
疲労は隠し切れんな
残っている妖怪はそう多くはない、発動者である先ほどの鬼が消滅した今、昼夜逆転もすぐに終わるだろう
「あと少しの辛抱だ…」
狼牙を握る
「そういや、この二刀無名だったな…名をやらねばな…」
近くにいた一体を切り伏せる
そして、戦闘開始から一時間とちょっとで、妖怪はすべて駆逐された
「離脱するぞ、もう、この学校には用はない!」
特においてきたものなどない、むしろ、この学校に持ってくるものはこの学校関係のものがほとんどだったから、これから先は必要ないものだ
それぞれの居候先に戻る
「そうか、終わったのか…どうするんだい?これから」
「六介のところにいったん戻るか、本国に直行だな…」
「あと一週間でフィアッセたちもくるんだがな…それまでここにとどまるわけには?」
「不可能じゃないが…意味がない…確かに一番やばいのをかたしたとはいえ、まだ小さいのが数体出るだろうが、それは、お前らのほうで何とかなるだろ?」
「できれば、それの掃討も任せたいけどね…」
「どうしてもというなら…まあ、残ってもいいけどさ…」
ここにいる意味はないし、外に出ることはないといっていいだろう、夜以外は
まあ、少しばかりの休暇と考えれば気も楽だ
「ただ腐ってるのはもったいないからな…」
何か考えているようだ…すげえいやな予感がする…
恭也たちが帰ってきて、一応学校においていったものはすべて回収してくれたようだ
「あのあと…結局どうなった?」
「どうもこうもない…結局、戦闘の痕跡は残ってないし、残ってた矢や飛針は回収しておいたから、何もなかった、それで終わりだ…」
「俺らの存在もなかったことにしてくれれば楽だな…もう通うことはないから」
飛針を受け取り、破損状態を確かめる
「あ~、いくつか廃棄決定だな…もともと使い捨ての武器なんだけどさ…」
刃の状態からまだ使えるものがいくつか見つかるが
「まあ、磨きなおせば何とかなるか…砥石も持ってきてるし…」
そして、刃を研ぎなおし、使えるものにした後
「夜の鍛錬と行くかな?」
刃を握るものではなく、集中力の鍛錬だ、体を動かすのは昼に十分すぎるほどやった
台所には、いつもの二人組みがいて、口論しつつも料理中、居間では桃子がそれを眺めている、士郎と恭也、美由季は道場にいて、なのはは自室にいる、トウカは居間にいるようだが、舟をこいでいる
「ふう、これぐらいか…」
これもかなり疲労する行為ではあり、汗をかいてることは事実だ
「居間に行こう…」
席に座り、二人の喧嘩を眺める、まだ両者とも殴り合いに発展してないのは、なのはが来るのが怖いからだろう…どうにもこの二人はなのはには頭が上がらない
「喧嘩するほど仲がいいの方に入るんじゃねえか?この二人は」
「そうね…」
何でそんな嬉しそうに微笑んでるんですか?桃子さん?
「トウカ…起きてるか?」
うつむきながら、寝てしまってるようだ
「ふう、ご苦労様…トウカ…」
そして、そろそろ、技の応酬になり始めてきたな…
「とめてきます…危険ですから…」
間に入る
「はいはい、喧嘩しない…向こうで疲れきって寝てるやつがいるんだから…」
「う…」
「せやね…」
「久しぶりに、徒手空拳での戦闘訓練てのもやってみたい気がするけどな…」
さすがに今の俺にそんな気力はない…
それからすぐに、恭也たちが切り上げてきて、すぐに晩飯
「ご馳走様…」
食い終わって、片付けると自分の部屋へ…そのまま今日は寝てしまった
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