夏神楽 序章

序章です、多分、次章、終章の順になると思います

場合によっては変わるけど…
序盤かなり適当になっている上、いろいろ矛盾がありますが目をつぶってやってくださると助かります




               夏神楽


                序/

「…総本山から俺に直接とは…珍しいこともあるものだな」
そんなことをぼやきつつ、俺は電車の窓から風景を眺めた
俺の名は七夜彰
古流退魔術をいくつも継承している、現在日本では最強と称される退魔師の一人であり…
どこの組織にも所属せず、夏にのみ行動する珍しいタイプの退魔師でもある
「しかし…連絡をもらってすぐ動いてもつくのは翌日か…」
依頼内容の紙を見直す
『七夜彰殿
現在、当方が管理する神社のひとつで妖怪との戦闘において神主とその家内が戦闘不能になるという自体が発生した、こちらからも援軍を送ってはおいたのだが、彼もまた力を封じられてしまったという、そこで貴殿に助力を願いたい、報酬は全てが完了し次第、仕事量に応じ配給する』
その場所の地図と、切符だけが添付された依頼書
依頼書とは言ってみたところでコレはほぼ強制のものであるといって過言ではないだろう
「…多分、この先に送られた援軍…ってのは…幹也だろうな」
幹也…滝峰幹也という青年である、俺とあいつは幾度となくともに戦ったことのある戦友であり、夏以外ではよき親友でもある
「さて…どうしたものか…」
こうして電車内にいて、どうしたもこうしたもないだろうが…
「…一番どうにかしたいのはこいつだが」
そう言うと、自分の肩に頭を乗せて眠っている少女に目を向ける
「…」
彼女の名は水月
ぱっと見はただの少女ではあるが、その実、力のある風の神である、どこかの神社にくくられるということもなく、自由に活動するのだが、今回、水杜神社に同伴することに(水月が)決めたのである
俺はその力と性質ゆえに、八百万の神とは妙に仲がいい(最も、例外も多いのだが)
もっとも…
「はあ…こいつといいイチといい…普段普通に神様やってる神様の知り合いがほとんどいないってのはどうなんだろうな?」
俺の知り合いには妙に人間くさい神様が多すぎる…
「水杜神社のナツはちゃんと神様やってるうちの一人だからいいけどな」
ちなみに、俺は自身の体内に分子化した妖刀と神剣を保有しているため、携行するのは霊剣と小刀の二つだけである
それ以外にも霊力を付与したこまごまとしたものを自分の手荷物にいれてはあるのだが
「…そろそろか、おい、水月、起きろ」
「ん~…後五分」
「…」
一度体をゆすっても同じ反応だったため
「仕方ない」
今度は無言で拳を振り下ろす
「あいた!」
「起きたか?後五分少々で降りる、その後はバスだからな」
神様相手にする態度ではない様に思うかもしれないが、実際のところ、俺の水月に対する行動はコレでいい…水月がソレを望んでいるしな…
ちなみに、水月というのは正式な名称ではなく、風の神としての正式な名称は別に存在するが、水月自身がその名で呼ばれること嫌うため(水月より格が上とされる神以外は滅多にその名を口にしない)俺もその名を知らない
「ん~…お兄ちゃん、酷いよ」
「誰がお兄ちゃんだ、俺には妹などいない」
「いいでしょうが…それとも…私より他の人のほうがよかった?」
「…蛇麁正から援軍が来るとか言うならそれもいいけどな、あそこはあそこで先日倒したオロチなんかの監視が忙しいだろうし」
「そうだよね~」
「お前も、神様としての自覚を少しは持て!」
今度はぐりぐりと頭の頂点で拳を捻る
「痛い!お兄ちゃん痛いよ!」
「…はあ…降りるぞ」
そして
「…お兄ちゃん、この音」
「音以前に気配でわかる!近い!」
俺は荷物を放り出し、走り出した
「水月!先に荷物もって入っておけ!」
「あ、お兄ちゃん!」
もうすでにその声は聞こえないところまで走っていた
「さて…どちらを使う?」
自身の体内に封印される三つの剣
オロチの体内から生まれた妖刀である狼牙
双子の贄とオロチの血肉を持って作り出されたに神剣、アメノハバキリ
アメノハバキリは小太刀二刀、狼牙は長刀である
「まあ、いい!」
その場に近づいてから判断すればいい!
「狼牙!」
俺の右手から狼牙が精製されていく
「せええああああっ!」
完全に精製されると同時、地を蹴り妖怪の一体を両断する
「彰!」
「やっぱ幹也か…聞いたぜ?霊力封印されたんだってな」
「ああ…って、いうことは…」
「詳しい説明は後、お互いの紹介もだ!」
数は両者ともにそれほど差がない
「…速さで狼牙を選んじまったが…この状況なら取り回しの聞くハバキリのほうがよかったか?つーか、どっちも強力過ぎるが…」
「どちらでも大差あるまい…それに」
「…まあ、俺ぐらいの霊力相手だと逃げるか…」
正しく言うならばむしろ狼牙を恐れたのだろう、こいつは負の妖気を糧とする、そのため、雑魚は近づくだけでその力を殺がれてしまう、相手が雑魚だったから狼牙を抜いたといえばそれでもいいのだが
「…」
再び、狼牙は分子化し俺の体内に吸収された
「ふぅ…とりあえず、ここの霊脈浄化してくれ、先に神社に戻る」
そして…
「それでは…一同揃ったところで自己紹介とさせてもらおう」
「幹也さんとはお知り合いなんですか?」
「ああ、こいつは…」
「ストップ、一応最後までいわせろ」
先を言おうとした幹也を制する
「ああ…解った」
「ナツと葉子、幹也以外は始めましてになるな…このたび、総本山より依頼を受けてここにくることになった七夜彰だ、使用する流派は諸々、正統な流派から裏の流派まで幅広く扱わせて貰っている、現在はほとんどフリーだが、夏の時期は総本山か蛇麁正から依頼を受けて動くことになっている」
「あの…今ナツ様のこと」
「…いい、彰は別」
「…そこも説明しておくか、俺はちょっとした事情から総本山の神々とは面識があるのさ、その中でもナツは親しいほうに入る」
「そのちょっとした事情って?」
…伏せたんだけどな?
「ソレはおいおい話してもらえばいいことでしょう?初花ちゃん」
葉子のアシストが入る
「とりあえず、俺は今はコレぐらいだな」
「で?そちらの女の子は?」
「あ、始めまして、私は水月って言います」
「…ソレだけですか?」
「そうだよ」
「みじか!」
「…補足説明、水月は神社などにくくられない、風の神なんだよ…」
「お兄ちゃん、補足ありがとう♪」
「抱きつくな!」
「本当に…神様なんですか?」
「…本当」
ナツが断言する、そのおかげで何とかなったが
「さて、それではそちらの自己紹介を」
「あ、はい…家主不在のため私からですね」
「ああ…君たちのご両親が負傷したから俺が来たんだからな」
「音羽桂香です、ここの家事全般を取り仕切ることになってます」
「使用する武器は霊剣か…ある程度は補助できるな」
「ありがとうございます」
「次は…」
「私だね!」
「そうだな」
「音羽初花、よろしくね!彰お兄ちゃん!」
「…また妹が増えるな…」
「あはは♪」
「武器は弓だったな?そうなると…俺はあまり指導は出来ないかもしれないな」
「えぇ~?」
「…俺は近づいてぶった切るほうが得意なんだよ」
「そういえば、彰さんは武器は何を?」
「その前に、自己紹介を続けてくれ」
不要とは思うがな
「そうだな…俺は一番最後でいいし、やらなくてもいいぐらいだ」
幹也はこの場にいる全員が知ってるからなあ
「とりあえず、水月様には始めましてですからね」
「様はやめて、神様扱いされるの、私大嫌いだから」
「そう、じゃあ、水月ちゃん、私は音羽葉子、ここに居候させて貰ってる妖怪狐です」
「妖狐だから葉子な、安直過ぎるネーミングだろ?」
「あはは♪そうかも」
「で…後は不用か、ナツと」
そう言って、この神社に祭られている神であるナツに眼を向けて
「幹也は全員が知ってるからな」
今度は幹也に眼を向ける
「そうだな…それじゃあ、コレで自己紹介は終わりでいいか」
「まだ桂香ちゃんの疑問に答えてないぞ」
「あ、そうか…」
一度間をおき
「俺は基本的に武器は選んでいない、が、先ほども言ったとおり近づいてぶった切るのが専門だからな、やはり使用武器は刃物か徒手空拳であることが多い、その中でも使用頻度が特に高いのが、八大神剣、アメノハバキリ、八大妖刀、狼牙、霊剣、御架月、この三つだ」
ソレは実際に見せる
「狼牙とアメノハバキリは普段は俺の体内で粒子状になってる、コレには一つ、理由があるんだが…」
「?」
「…水月、ナツ、あのことは言っていいのか?」
「…ん」
「そう…だね」
声音は暗いが、承諾は得た
「俺は…大体今から百年近く前になるが、神々によって肉体改造を施されている」
「!?」
「今は当然行われていないぞ?それに、俺も同意の上のことだ…その結果、俺は自らのキャパシティを超えるほどの霊力を保有してしまったんだ」
「…」
「最初の頃は強引に放出して抑えてたんだがな…妖刀と神剣、この二つに選ばれたことで、俺はそれらを普段は粒子状に変換し、自らの体内に保管、その間に狼牙やアメノハバキリが俺の過剰霊力を食らうって言う形になったのさ、まあ…実は今はその必要もないんだけどな」
「え?」
「今から数十年前に受けた最後の調整でな、霊力の総量がキャパシティ内の収まったのさ」
最も、俺自身通常の人間よりも霊力のキャパシティは多い
正直に言ってしまうならば、その力を全力で解放すると、一時的にではあるが…
ナツや水月では敵わないほどの力を発揮できる…最も、持続可能時間は極端に短く、実際にやりあうことになったとしても、相打ちが精々だろう
「そんなこんなで、俺は神々とも親しいし、こんな代物を所有している、と、そういうことだ」
「あの…一つ質問いい?」
「何だ?初花」
「さっき百年近く前って言ってたよね?」
「ああ…俺はその調整が元で老化が止まってるんだよ、おかげさまで寿命で死ぬことはなくなった」
しかし…
「ここの霊脈もある程度は浄化されてるんだな…」
俺が来るまでもないとは思ったが…
「…」
ま、今の時期は蛇麁正か総本山のどちらかの仕事をしておかないと、一年間食に困る
「そういえば、お前はここに来る前は何をしていたんだ?」
「いろいろ各地をさまよっていたな」
「そうか…じゃあ、コレが今年の夏に入って最初の仕事になるのか」
「まあな…とりあえず、あの嬢ちゃんたちを鍛えつつ、妖怪どもを倒せばいいんだな?」
「ああ…ここはソレでいい」
「了解だ」
馴染めるかどうかは…馴染めるだろうな…ナツに葉子もいることだし
葉子はここに居候していると入っても、ナツの付き添いでこの神社の外に出ることも多い、そういった事情から、俺は葉子と知り合い…いろいろ化かされて今にいたる
「…さて、どう動く?」
弓はさほど得意ではないが…幹也よりはまし、格闘術は幹也も俺には引けをとらんしな…桂香は幹也に任せて、初花を見てやるか
「あれ?彰お兄ちゃん?」
「早速だが、弓を構えてみろ」
「え、うん!」
姿勢は問題無いか…体性としては申し分ない
「もう少し強く引けないか?」
「無理だよ~…コレで精一杯引いてるんだから!」
…あまり射程は出そうにないが
「ふむ…お前はもう少し射の回数を増やしたほうがいいな、弓ってのは引けば引くだけ威力も射程も伸びる」
「そうなんだけど…」
「めんどくさいと怠けて後で痛い目を見るのはお前だがな、後、射に正確性を持たせておけ、的のど真ん中だけをいるんじゃなくて、ある程度以上は狙った場所だけを撃てる様にするとかな」
そう言うと、俺も弓を構えてみる
「…」
そして、射る
「あれぐらいきわどいところを確実に打ち抜けるようになってるとかなり安心できるけどな」
「お兄ちゃん、すごすぎ…」
的の枠に突き刺さる
「あれは半分偶然だ、狙ったとはいえ、あそこまで上手くいくとは思っていなかった…が、弓を専門にして戦うならあれぐらいは出来てほしいというのが本音だ」
そう言うと、しばらくは細かい指示を出す
「後、お前体捌きが固い、ソレだと近づかれたとき弱いぞ?」
いくら俺が加勢に来たといっても、流石にそこまでフォローしきれない場合もあるだろう、上位の妖怪となると俺でも結構手一杯になる場合もある
「幹也の力を封じた奴なんかが回復してでてきたら俺はそっちだけで手一杯になると思うからな」
そうせざるを得ない現状もある…
そして、その日の夜
「それじゃあ、行くとするか」
近場の一つに足を運ぶ
「相手は…木霊に蛇か…たいした相手じゃないな」
周囲の気配を探ってみるが、上位の妖怪の霊力は感じない
「さっさとけりをつけて終わらせるぞ」
徒手空拳で構える
「幹也、霊力は俺のほうでまわしてやる、何とかしてみろ」
両腕と両足に俺の霊力を付与してやる
「すまん、コレなら何とか!」
この程度、武器を使うまでもない、いや、むしろ経験値稼ぎにこいつらだけに任せて、俺は霊脈の確保に回るか
どう判断するが、向こうの霊脈が少し多いな、霊脈からはいくらでも沸いてきやがるし
「せっ!」
邪魔する奴は蹴りなり手刀なりでなぎ払い、ある程度はこちらで霊脈を奪うが
「…やはりそれなりに加勢がいるか」
最も、俺は格闘術だけで戦うが
現在外に出ている雑魚を制圧し、霊脈全てを確保する
「それじゃあ、ナツ、頼んだぞ」
「ん」
「…彰おにいちゃんって、足癖悪い?」
「どうだろうな…確かに殴ることより蹴ることのほうが多いが」
単純にリーチの問題なんだが…拳で殴るよりまっすぐ蹴り飛ばすほうが射程は長い
まあ、確かに殴るのに技名ないのに、蹴りだけ技名つけてるあたり俺も足癖悪いうちに入るかもな…
などと苦笑していると
「お前からの援護があれば俺もある程度以上は元の戦法が使えるんだけどな…」
と幹也から言われ
「雑魚相手ならソレこそ全部任せるつもりで霊力送ってやろうか?俺は霊脈確保だけに専念すればいいし」
正直に言うならば、今回のような相手は俺が出るほどではない、俺自身力をセーブしなければならない分、おかしなフラストレーションが溜まってしまう
全力で戦いたいとは言わないが、それでもある程度以上の力を発揮できなければ消化不良にもなる…鬼ほど純粋に戦いの好むわけでもないし、確かに俺も戦うのはあまり好きでもない、だが、戦うならばある程度以上に力を使いたいのだ、どうしても
「まあ、お前に今回のような相手はストレス溜まるだけか」
「そういうことだ、あまり力を制御し過ぎるのも嫌いなんでな」
「彰お兄ちゃん、もしかして喧嘩好き?」
「…ああ、なるほど、戦闘は嫌いだが殴り合いが好きなのか」
ぽんと、手を叩きながら言ってみる
「お前と仲がいい鬼の影響だな…」
幹也が後ろでため息をついていた
「そういえば…彰さんは日本刀使いなんですよね…今回は何故?」
今まで黙っていた桂香が口を開く…霊剣使いなら当然の疑問か
「あの程度の雑魚相手に抜いていい代物じゃないんだよ、こいつらは」
強力過ぎるからな…迂闊に振り回せば霊脈に傷がつく
「アメノハバキリはともかく、狼牙は鬼クラスが相手でもないと使わない」
もっとも、雑魚妖怪相手ではどちらも危険すぎる…まあ…初日に勢いで抜いてしまってかなり手加減する破目になっていたが
「御架月ならばそれほど危険でもないけどな…神咲一灯流を使うには間合いが狭い」
あれはもう少し間合いがほしいところだ
「そうなんですか?」
「俺のは振り切って放つ技が多いからね…一灯流でも珍しい戦法らしいよ」
拡散広範囲型は霊力の消耗も激しい、故に本家ではあまり好かれない技だが、俺のように霊力をある程度気にせず使用できるものにはかなり扱いやすい
まあ、その分…場所が広くないと使用できず…今回は殴り合いのほうが有効だと判断したわけだが
「長物を使うのなら、俺の場合はある程度以上間合いが広く取れる場所になるか、相手がかなり強力かの二択しかない」
今回はどちらでもなかったからな、手加減せざるを得ない
「とまあ、そういうわけで、俺のほうはいまいち手数が減っちまうと、そう思っといてくれ」
本気にならねばならぬ相手など片手で足りるだろう
「さて…俺はさっさと寝るよ…明日の禊は…まあ、やっておこう」
こういう神社での仕事ではそこに習い、禊や一種の祈祷などをすることもある
ここでは禊と精神鍛錬だけでいいようだから、まだましなほうだ
場所によっては、禊、その後一時間ほどの読経(当然正座)、さらに精神鍛錬、座禅などの後、また一時間ほど読経してさらにもう一度禊…などと言うことをやらされたこともある
以降、そこへの派遣は必然的にカットして貰っているが
「それじゃ、お休み」
あてがわれた部屋で、俺は禅を組んだ
コレだけは俺が欠かさず行うことにしている、精神鍛錬の一つだ
集中力を高め、周りの気配を読む
理由があるわけでもないが、もはや習慣だ
ある程度の距離を把握すると、俺も就寝した


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