スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

KANONSS第四話

なんつ~か…書き終わりました

ええ、なんか燃え尽きた
とりあえず、連投で上げるんでしばらくはこっちの更新疎かになるかと
まあいいや…では!


                  4/

「…じつはですね…私、もしかしたらもうすぐ死ぬって言われてるんです」
始まりはふとした呟き、ここは屋上で、彰は栞と二人で食事をしていた
「…そうか…」
「不思議ですよね…本当は怖いのに、こうして笑っていたくて…ずっと逃げてて…」
「…」
「あの…お願いがあるんです」
「なんだ?」
「少しでいいです、私のこと、女性としてみてください」
「…無理だな、とりあえず、その病気が何とかなったら考えてもいいが」
「…」
「…それに、俺はお前が死ぬとは思ってねえぞ」
「でも、治るなんてソレこそ奇跡が起きないとありえませんよ」
「…」
「彰さん…起きないから奇跡って言うんですよ?」
「あのな…少なくとも今の言葉にだけは反対だ、奇跡は起きるものじゃない、起こすものだ、自ら奇跡を起こそうともせず、諦めたり奇跡が起きることばかり望んでる奴に奇跡なんて起きないんだよ」
「…」
「俺はお前に生きてほしいと思ってる、だから、お前もそう簡単に諦めるな」
「彰さんって、本当はお説教好きですか?」
「…さあな」
よそを見る
「なあ…明日の放課後、デートしようぜ」
「え?」
「いいだろ、よし、決定!」
「…はい」
そして
「これな、少し早いけど誕生日プレゼント」
「…覚えててくれたんですね」
「ああ…大丈夫か?」
「あまり大丈夫じゃないですけど…寝てるより、好きな人と一緒にいたいですから」
「…」
(俺の手はあまりに血まみれだ…そんな俺に、こいつを抱きしめる資格などない…)
「どうしたんですか?」
「いや…」
(でも…コレぐらいは、いいよな?)
軽く肩を抱きよせる彰
ちなみに、誕生日プレゼントはスケッチブックだった
栞の趣味を香里に聞いたところ、絵を描くことだと言うからだったが
デートは滞りなく進んだ…といっても、ただ町を歩き、話すだけだったが…
最後に、彰は家に栞を招きいれた
「ここが…彰さんの家…なんですよね」
「…ああ…」
棚からコーヒーを取り出し、淹れる
「ほら…飲むといい」
「はい…」
どう見ても栞は動くことも困難になりつつあった…それでも、彰に笑顔を向けている
(…栞…)
「美味しい…です…」
「そうか…よかった…」
「私…幸せでした…始めてあったときから、あなたに惹かれてて…こうして、最後に好きな人と一緒にいられて…」
「最後じゃない…」
「いえ…きっと最後です…だって…もう、本当は目の前もほとんど見えてないんです…だから、彰さん…もし、私が死んだら…泣いてくれますか?」
そう言うと、いきなり後ろに倒れそうになる
ソレを支える彰
「…栞!」
「…」
体は異常なほど熱を発している…
このまま放っておけば、間違いなく命に関わるだろう…
「栞…こんなところで死ぬな…お前はまだこんなとこで死んでいい人間じゃない!」
もはや意識すらない栞に訴える彰
「…栞いいい!」
抱きしめ、絶叫する彰
だが、そのとき
トクン…と、確かな音が聞こえ始めた
「…栞…」
意識は戻りそうにない、だが、その体温の下がり方に一種の安堵を覚える
人の死に目を何度も看取った彰だからこそ解る違い、この体温の下がり方は、しにいたるものではないという確信…能力で見るまでもない、確かな栞の鼓動
「…よかった…栞…」
そういう彰の頬を、確かに涙が伝わっていた
それから数十分で、体温はほとんど健全な人間と変わらなくなり、顔色もよくなっていた
「…」
あらかじめ番号を聞いておいた美坂家に電話を入れる
「はい…美坂です」
「香里か…」
「彰…栞は?」
「…奇跡とやらがおきたみたいだよ?今は俺の家でぐっすり寝てる…起きたらそっちに送るよ」
「ううん…今日は泊めてあげて?今日は両親とも出張だし…私も今から潤を誘って彰の家に行くから」
「そうか…じゃあ、今から少し家主不在になるけど、家のこと頼む」
「?どうしたの?」
「心残りの後始末、かな?」
そういうと、木刀ではなく、無双を手にする彰
「鍵はかけないでおくよ、この町で泥棒なんて中々いないだろうしね…」
「解った…じゃあ…今から行くね」
「ああ…夕飯までには栞も起きると思うし」
電話を切ると、彰は無双を手に立ち上がった
「時間には少し早いか…まあ、こいつなら人目につかない様に持ち歩く程度、問題なく行えるか」
そう言うと、無双を羽織ったジャケットの影で隠れるように携行する彰
「…行くか」
目的地は学校、その時間まではまだ1時間ほどある、だが、ソレはもはや些細な問題だった
到着した彰、途中で、佐祐理、久瀬と合流した
「今日で終わらせる、彼女からそう電話で告げられたよ」
「そうか…俺も限界まで助力する…大丈夫、あいつは俺が…御神の二刀が守ってみせる!」
そして、そのときは来た
「ふっ!」
無双が魔物の爪を悉く防ぐ、その攻撃対象は佐祐理だった…だが、そこに舞が駆けつける
「はああっ!」
一閃、魔物の姿が消える
「…舞、やっぱり、そうなんだね?」
「…」
こく、と頷く舞、答えはもうわかりきっていた
「どういうことなんだ?」
「…あの魔物は…舞の力だ、舞がかつて望み、暴走させてしまった力の片鱗…それが魔物となって今も舞を苛んでいる」
「…あれは私の問題…だから」
「…確かにお前の問題だ…だが、その問題の本当の答えにたどり着くまで俺はお前を守り続ける」
(あれがお前の力であるならば…お前のかけていた部分があの魔物なんだ…今見れば…小さな少女にしか見えない)
「昔…私は一人の子供と遊んでた…その子供はこの町にすんでるわけじゃなかった」
いきなり始まった過去語り、ソレに黙って耳を傾ける一同
「その子供が住んでる町に帰ることになったとき、私は離れたくなくて、魔物が現れたから助けてほしいと、そう言った」
「…つまり、その状況を強く願ったお前の願望が実現化したものが、あの魔物だったということか」
「そう…」
「…解った、じゃあ、どうすればいいか、お前には解るな?」
「…」
こく、と頷く舞
「よ~し!それじゃあ、とことん手伝おう!」
彰の小太刀二刀が魔物の攻撃を悉く防ぎ、逆に押し返す
そして
「…」
中庭で彰は小太刀を鞘に納め、舞と魔物だけが対峙していた
「…」
他の二人は彰の後ろにいる
「はあっ!」
どの道、一度は倒さねば魔物は静まらない、彰の攻撃で弱っているとはいえ、今の舞に倒せる存在かどうかは定かではない
「…」
いつでも飛針が放てる体性にはなっているが、今はそのときではないと後ろの二人に危害が及ばぬよう神経を張り詰めて置く彰
「!」
彰が飛針をはなつ、ソレによって魔物の動きが一瞬鈍った直後
「はあああっ!」
舞の一撃で魔物が倒れる
「!」
その力が舞に流れ込んでいくのを見逃さない彰である
そして、その次に取る行動も、彰の予測範囲内であった
「!」
その手に持った剣で自らを貫こうとした舞、だが、彰がその刃を片手で握っていた
「っつ!」
この耐性で取ろうとすれば多少手に傷がつく、だが、そんなことはお構いなしに刃を握って離そうとしない彰
「…彰、離して」
「断る、今離したら間違いなくこのまま自害するだろうが…ソレは俺が許さん」
「…」
「ところで、舞…後ろの方が何か言いたいみたいだけど?」
「え?」
一瞬、注意が佐祐理たちのほうへ向かう
「ふっ!」
その瞬間に、舞から剣を取り上げる彰
「!」
「コレは俺が預かっておく、もう少しよく考えてから、決めてくれ」
彰の右手からはそれなりに出血がある…が
「彰…ごめん」
舞が、その力で傷を癒す
「…お前の力ってのは本来こうやって使うものなんだろうね…」
「…」
「さて…それじゃあ、俺は帰らせてもらうよ」
途中、夕飯の買出しを済ませると時間もちょうどいいころあいだった
「そろそろ栞…起きたかな?」
ちなみに、剣は久瀬が預かった
急ぎ家に戻ると
「お帰りなさい!彰さん!」
「ああ…ただいま、栞」
覚醒したどころではなく、初めて会ったときよりも元気になったと思える栞に飛びつかれる
「…数時間でこの回復…本当に奇跡だな…」
ぽんぽんなでなで
「えう~…子ども扱いしないでください~!」
「ふ…」
軽く苦笑すると家の中に入る
「よ」
「お邪魔してるぞ」
「お邪魔してるわよ」
「わかってたから問題無い、で?今日とまんのか?部屋なら無駄に空いてるから大丈夫だけど」
「そうね…お願い」
そこに
おそらく家に着くチャイムであるならばどこでも同じ音がするであろう音がした
「客人?」
とりあえず、出向くと
「うげっ!?」
そこには、舞と佐祐理、久瀬がいた
「…一体何故に?」
「ふむ、中々にいい家じゃないか、一人暮らしにはもったいない」
「悪かったな、どうせ俺の金で建てたものじゃありませんよ」
「え?そういえば…彰ってどうしてこんな家に住んでるの?」
ちらと潤のほうを見る彰
「言ってもいいんじゃないか?」
「…そうだな…そろそろ言ってもいい時期か」
そうして、彰は自分の過去を語り始めた
「俺が小太刀二刀御神流と言う剣術流派をやっているというのは話したよな…俺はその技術で中学卒業後すぐに香港に修行に行っていた、香港警防の一番隊隊長である陣内啓吾とは知り合いでね…彼に修行を就けてもらうのが目的だった…」
その間のことは多少省くが
「そして、俺はその修行が終わると、さらに半年ほど護衛業を営んで…この家はその報酬だったんだよ」
「それで?残りの半年は?まじめに学校に通っていたという風でもないが」
久瀬が聞く
「…暗殺者だった、とある一件で、俺は暗殺者としていろいろな組織をつぶす存在となった…その間に何人もの人を殺めたよ…ソレを引退して…俺はこの町に来たんだ」
そこまで言うと、もうこれ以上言うことはないと手を振る彰であった
「ま、俺の話はコレまでだよ、どの道俺は暗殺者は引退した…今は一介の学生に過ぎんよ」
「ま、俺は最初から知ってたけどな…この際だから言っちまうと、俺は中学時代、名の知れた情報屋だった…今でもある程度は裏世界の情報に通じているしな…」
「俺も情報屋、北川潤の名は聞いていた、最も、俺もこいつも、本名ではあまり知らないけどな…」
「どう言うこと?」
「俺や北川くらいに腕の立つ奴は本名は使わない、俺は黒衣の死神と言う二つ名があったしな…こいつは本名だったけど」
「ああ…俺もこいつの本名は聞いたことがある程度だった」
「…さて…ここまで聞いて感想は?」
全員が黙って口を開こうとはしない…だが、その沈黙に彰や潤に対する嫌悪はかけらも存在しない…ただ、いきなり言われたことになんと反応すれば言いかが解らないだけのようだ
「私は…関係ないと思うわよ?昔は昔、今は今だし」
「…あ、ちなみに、俺の銀行口座、まだ億程度は残ってたと思う」
「ええ!?」
「暗殺稼業のほうの収入は全部正規の慈善団体に寄贈してたが、護衛と香港警防で稼いだ金額はまだ結構残ってると思うぞ」
「ああ…結構香港警防って給料いいらしいしな…」
「まあな」
おかげで、今の彰の銀行口座には今住んでる規模の家ならばもう一つぐらい建てられる金額が入っている
今の発言で場の空気が一気に壊れたことだけは言っておこう
それからしばらく…ようやく落ち着きを取り戻したころに
「さて…それじゃさっさと晩飯作っちまうか…」
出来上がるまでに十数分で終わる
「ほらよ!いっちょ上がり!野郎共!運ぶの手伝え!」
出来上がったのは彰が最も得意とする広東料理(香港警防時代にある程度学んでいた)
「…美味い…以外だな」
「…なんだ?その以外ってのは…久瀬」
「いや…不味くはないだろうとは予測していたが、ここまで美味いとは予測していなかった」
「…俺はいい加減食い飽きた感があるけどな…やっぱ自分の料理って飽きるわ」
「そうですか?私はコレなら毎日でもいいですけど」
「…俺はもう食い飽きたんだよ、栞…たまには誰かにたかってみるか…」
「げぇ!俺のとこには来るなよ!?一人暮らしで財布が貧しいんだから!」
「…お前も結構貯金ある口だろうが…潤」
「まあ、そうなんだけどな…」
と言う会話の後、食事が終わるまでに全員がこの家に泊まる旨を告げる
「とりあえず、部屋割りは美坂姉妹と佐祐理と舞は同じ部屋、野郎は全員一人部屋でいいな?」
そう言うと、後片付けを始める彰
「あ…そういや、デザート用意してたんだ」
妙に手回しのいい男である
中国のデザートとしては代名詞的な杏仁豆腐である
「…すごく嫌いじゃない」
「ありがとよ、舞」
とまあ、彰が一流の料理人であったことが始めて発覚した瞬間であった
後片付けを済ませると台所で食器洗いをしている女性陣に向かい(香里が言い出し、全員が賛成した結果、なぜか全員で食器洗いをしている)
「あ、女性陣先に風呂入っちゃってくれ」
それだけ言うと部屋に入る彰
部屋で寝転がっていると
「彰さん、皆お風呂上がりましたよ」
と、報告に来る栞と舞
「そっか…」
「ここのお風呂って大きいんですね…全員で入れちゃったんで驚きました…」
「…一人暮らしには無駄にでかくて困るんだけどな…銭湯気分はいいんだが…水道代と光熱費が馬鹿にならないんで、一度入れたら二度使いまわすぐらいだ…光熱費も高いし…」
「あはは…そうかもしれませんね…」
「さて…それじゃ、俺も入ってきますか」
途中で、他二人と合流する
「まあ、無駄にでかいし、一緒に入ってもいいだろう?」
「まあ、僕は別にかまわないが…」
「まあ、男同士裸の付き合いでもしますか」
そう言って、風呂に入る彰たちだが
「…彰、お前ソレ…」
彰の上半身…胸部と背部にのみ集中して見られるその傷痕に息を飲む潤
「あ~…護衛業だったころの名残だよ…やっぱ、どうしてもかばう傷痕が多くてな…腕や脚にはほとんど無いから半袖短パンなんて格好でも問題無いのが救いだな…」
といっても、上腕にも幾つか傷痕が見受けられるが、コレに関してはかなり薄く、数も片手で足りる程度なので無視できる
「護衛という仕事は本当に危険なんだな…」
そういう久瀬…彼だけが裏の世界に身をおいたことがない
「まあ、そうだな…」
最も、彰にしてもこの傷痕は一種の勲章になっているので、さほど気にはしていない
「それに、傷痕は潤もだろう?」
彰ほどではないにしても、潤の上半身にも傷痕がある、最もその全てで片手で足りる程度ということを考えれば、ソレこそ気にするほどではない…
「まあ、俺もそろそろ引退しようと思ってるんだけどな…」
「へ~…ソレは聞いてなかったな」
「まあな…ほら、お前のおかげで香里と付き合い始めたからさ…あいつが危険になるようなことはやめたいんだよ…」
「ふむ…そうか…」
「そういえば、君はどうするんだい?彰君」
「…どうするとは、何をだ?」
「解っているはずだよ、もう」
「…栞と舞のことか…」
「ああ…いい加減はっきりさせるべきだろう、あの二人のためにも」
「…俺は…」
「あー!見てらんねえよ!」
「潤!?」
「お前なあ…人のこと応援しといて、自分はダメダメのまんま終わる気か!?」
「…俺は、まだどうするか決めてもいない…」
「いや、君は気づいているはずだよ、彰君…それとも、自分で気づけていないのか?」
「…いや…気づいてるさ、俺が誰のことを好きになったか程度…そこまで鈍感じゃない」
「ならば…一歩を踏み出せばいいだけだろう…」
「…だが!俺の傍にいてあいつが巻き込まれたら!」
「まったく…お前は一時期とはいえ最強のボディーガードといわれた、七夜彰だろう…黒き狼!お前は自分の愛するものさえ守れないってのか!?」
「潤…ふっ…まさか、お前らに背中を押されるとは思わなかった…で、押されたついでにお前の背中も押してやるよ、久瀬」
「え?どう言うことだ?」
「お前も素直になれと言ってるんだ…それに、今のお前なら結果がどうあれ、悔いることは無いはずだぞ?」
「…そうだな…僕も一握りの勇気を持つべきか…」
「そういうこった…せっかく一つ屋根の下にいるんだぞ…この機会を逃がすな」
そう言うと、風呂から上がる彰
それにあわせるかのように全員が湯船から上がる
「…後は…自分にけじめをつけるのみ…か」
そう呟く彰、二人もそれに頷く
自室に戻った彰を、栞と舞が待っていた
何も言わないその二人だが、彰の気持ちを聞くまで出る気はないということだけは解った
おそらく、風呂に入ってる間に話し合いぐらいはあったのだろう
「…」
答えは出ている
(俺の手は血に塗れている…これからも怨恨は残っているだろう…だが、ソレを超えてでも…俺は!)
「舞、悪いが、少し外してくれ…栞と話がしたいんだ」
「…解った」
さっさと部屋を出て行く舞、彰の言葉の意味を正確に理解したのだろう…すれ違った瞬間、その頬には涙が伝っていた…
「あ~あ…あんないい女を泣かせちまうなんてな…でも、俺は自分に正直になりたいんだよ…」
「彰さん…それって…」
「栞…俺はお前が好きだ、おまえの全てを俺のものにしたい…」
そう言うと、いきなり抱きしめる
「俺と、付き合ってくれ」
「…はい…」
こちらも涙…その涙には、うれしさと、舞に対する申し訳なさが詰まっていた…
ソレに対し、彰はほとんど無表情である…恋人が出来たうれしさを覆い隠してしまうほど、先ほどの舞の涙に申し訳ないという感情があったのだろう…
それからしばらく、無言で抱き合っていたが一度離れ、舞を呼ぶ彰
「…」
「すまない、俺はお前の気持ちにはこたえられない…」
「…いい…その代わり、栞を不幸にさせたら許さない」
「…絶対に、幸せにするよ…」
「なら…いい」
謝罪とばかりに、一度だけ強く抱きしめる
「ごめん…舞…」
「…」
その瞬間、何かが切れたのだろう…彰の胸で大泣きする舞であった…
舞が泣き止んだころ、久瀬と佐祐理が部屋のドアをノックした
「…どうする?」
栞は頷く、そして…まだ目が赤いが、落ち着きを取り戻した舞も頷く
「入っていいぞ」
入ってきた久瀬の表情は、通常時の佐祐理よりも遥かに明るかった、ソレは佐祐理も同じである…つまり
「お互いOKか…うまくいかなかったのが舞だけになっちまったな…」
「…」
ズビシッと舞の突っ込みチョップが入る
「ソレは…もういい…」
そういう口調はすでにいつもの舞だった
「決着がついたようですね…下手をすれば舞さんのことだ、流血沙汰になりかねないと思いましたが、ソレも無かった用でよかった」
「…久瀬、私のこと、どう思ってる?」
「…いえ、一度は自害しようとしたあなたです、失恋のショックから自殺しようとするのではと思ったのですよ」
「…流石に、もう、しない…ソレをしたら本気で彰に嫌われるし、佐祐理が悲しむ」
「それが解ってるなら、心配は無いようですね…」
安堵した表情を浮かべる久瀬、自分の恋人の友人だからというだけでなく、何よりも自分の友人を心配する者としてここに来たのだということがよく解る
「舞、俺が言うのもなんだが…今のお前は絶対に一人じゃないからな…例え恋人と言う関係じゃなくたって、俺はお前のことが好きだし、お前のことを友人だと思うものはこの家に今いる全員がそうだろう…だから、もう自暴自棄になったりはしないでくれよ」
「解ってる…」
そう言うと、部屋を出る舞
「…本当に…すまない…」
舞が出て行った出口に頭を下げる彰である
「さて…それじゃあ、僕らも部屋に戻るよ…」
「あはは~…彰さんには言いたいこともありますけど、舞が許しちゃったみたいですから、やめておきますね~」
「…そうしてください…」
彼らも部屋に戻った後
今度は潤と香里が入ってくる
「…部屋割り、潤と香里に変更するか?」
「そうね…」
「香里!?」
「いいじゃない…もうあたしたちは恋人関係なのよ?」
「…ソレを言うなら俺と栞もだな…栞はどうしたい?」
「私は…彰さんと一緒がいいです…」
真っ赤になりながらそういう栞
「というわけで、部屋割り変更でいいな?」
「了解だ…」
最も、彰と栞の場合何があるというわけでもなかったが…
ただ、これから先のこと、舞のことなどを話し…
気づけば彰の腕枕で栞は寝息を立てていた
「…ふっ…お休み、栞」
その額に軽く口付けると、自分もまた眠気に全てを預けるのだった…

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

七夜彰

Author:七夜彰
構想だけが爆走し続ける気まぐれ小説書きのブログ
小説か日記、QMAネタを不定期に乗っけています
Twitter→nanaya_akira

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
現在時点での訪問者数
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。